DACHAMBO
国もジャンルもボーダレスな彼らの、歌のパワーに満ちた新作が登場! 踊れてトベて歌える、Lにまつわるエトセトラをご堪能あれ
前作『Newrasian Gypsies』から2年。リミキサーに井上薫やDJ QUIETSTORM、ALTZ、SKYE(EYE+SINKICHI)を迎えた12インチ・シングルのリリースやグリマーズのミックスCD〈Eskimo Vol.5〉への楽曲提供、そしてオーストラリアはバイロンベイやUSのポートランドにおけるライヴなど、6人組ジャム・バンドであるDachamboのトリップはここにきて、いよいよジャンルを超え、国を越えて、そのスケールを増してきた感がある。
「ボーダレスな感覚は、ウチらに前からあったものなので違和感はまったく感じてないんですけど、それが最近アンダーグラウンドから顔を出しはじめたことでDachamboが噂になったりしてるのかもしれないですね」(AO、ギター/ヴォーカル)。
そして今回登場する彼らのニュー・アルバム『L』。シンプル極まりないタイトルとジャケットに、〈お!〉と思った勘の良い読者の皆様、大正解! スライド・ギターがドライヴする16ビートのハード・ロックとハウスのイーヴン・キックが出会う冒頭の“LAMA”からしてアッパーなれど、喉ごしはすっきりしているのだ。
「今回は、楽曲にこだわった点が自分たちのなかでかなりの異色ですね。いままではセッションから生まれ出たものが中心だったんですけど、楽曲として普通に家で聴いても飽きない音楽を作りたかったんです」(AO)。
DRY&HEAVY/LITTLE TEMPOの内田直之がダブ・ミックスを手掛けた“Lazy morning”ほか、全曲のエンジニアをFinal Drop、aMadooのKNDが担当。伊豆でレコーディング合宿を行い、横浜の倉庫で長時間のミックス作業を経て完成させたこの作品は、手持ちの素材すべてを煮溶かした極彩色のガンボ・スープから澄み切った旨味成分だけを抽出している。
「(YAOとAOによるアコースティック・ユニット)YAOAOを始めた影響もあるんだけど、今回は歌の強烈さ、楽器じゃ出せない歌のパワーとかサイケ感に取り組んでみたかったんです」(YAO、ドラムス/パーカッション)。
グレイトフル・デッドで言うところの、スペース・ジャムな『Live Dead』とアコースティック回帰を果たした『Workingman's Dead』の中間に位置付けられそうな今回のアルバム。〈踊れてトベる〉音楽性に〈歌える〉要素も加味されているが、彼らはユーモアのセンスも一流であることをお忘れなきよう。
「生活と共にある音楽って意味の〈LIFE〉だったり、僕はもうすぐ子供が生まれるんで(先日無事女の子が誕生!)〈LOVE〉だったり、今回はキーワードとして〈L〉が付く単語が多かったんですよ。で、今回は内容もシンプルだし、タイトルもシンプルにしようと。まぁ、あとは今年亡くなられたアルバート・ホフマン博士に捧げられているアルバムでもあるんですけどね(笑)」(AO)。
▼Dachamboの作品を紹介。