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インタビュー

JAPAN-狂撃-SPECIAL

どうしたの? いま82年!?──昭和ヤンキー節炸裂の本気パンク。ギャグと思ったら大間違い、オマエらにホンマのシブさを教えたる!! 

  合言葉は〈なめんなよ〉。石井聰亙監督の名作映画「爆裂都市」から飛び出してきたような80'sのツッパリなルックスに、疾走感とキャッチーなフックたっぷりのハードコア・パンク・サウンド。いわく、昭和ヤンキー+パンク=〈パンキー・スタイル〉。そんなひと目見たら忘れられない存在感を持つ4人組、それがJAPAN-狂撃-SPECIAL(ジャパン・くるう・スペシャル)である。昨年11月のメジャー・デビュー・シングル“カミカゼロード”以来各地で衝撃を巻き起こしている彼らが、ついにニュー・アルバム『This is なめんなよ』を完成させた。

 「自分らの人生で好きになったもんとかオモロイもんとかを、全部俺らの音楽に組み込む作業やったな」(なめんなよーかい、ベース)。
 
 関西各地の公営団地で育ったという彼ら。あまりに強烈なファッションとキャラクターゆえ、ネタじゃないかと思われることも多いが、ライヴを観れば100%本気で唯我独尊の格好良さを追求していることが伝わるだろう。

 「思春期の頃に格好ええと思ってたのは……族とパンクかな」(キワメミチJUNZO、ヴォーカル)。

 「自分やな。周りに染まってない自分に自信を持ってた。大人から文句言われるようなもん、怒られるようなもんはすべて格好ええと思っとった」(昭和過激、ドラムス)。

 以前話を訊いた時には、みずからの音楽を〈セックス・ピストルズ+ドリフターズ〉と語っていた彼ら。突っ走るようなユーモアのセンスも彼らにとっては大きな要素だ。

 「格好良いこと、感動させること、ギャグも、全部シブいと思ってやってますからね。ドリフだって、むっちゃシブいじゃないですか」(JUNZO)。

 「ユーモアが必要やと思うからね。ただただまじめにクールにやっとるんやったらただの格好付けやし。ホンマの格好の付け方をガキどもに教えてやろうと思うんですわ」(よーかい)。

 車にハコ乗りするメンバーが描かれたジャケットもインパクト十分だ。このイラストはなめんなよーかいの父による描き下ろしだという。

 「お父ちゃんが昔、映画館の看板を描く職人さんで。こんなふうにしたいってイメージはあって、それで父ちゃんに描いてもらおうと頼んで。バッチリなのが出来たな」(よーかい)。

 〈こんな時代こんな世界/だけど泣くなよ大丈夫〉(“マネーゲーム”)、〈たった一つの事でもいいのさ/お前も自分に燃えてみろよ〉(“バトル オブ ライフ”)――JAPAN-狂撃-SPECIALの歌には聴き手を熱く奮い立たせるような言葉が満ちている。閉塞感が漂う時代の空気を理屈抜きで力付ける、現代のドン・キホーテ。その鼓動をぜひ感じてほしい。

 「これを聴いて、俺もやったるぞ!って思ってほしい。気付いてる人は、がんばるぞって思ってほしいし、気付いてない人はそれに気付くきっかけになってほしい。どこにでも行けるんやっていうことをな」(ラン坊、ギター)。

▼JAPAN-狂撃-SPECIALの作品を紹介。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2009年05月28日 17:00

更新: 2009年05月28日 17:30

ソース: 『bounce』 310号(2009/5/25)

文/柴 那典