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インタビュー

BOOM BOOM SATELLITES “BACK ON MY FEET” ソニー



  エッジの効いたロッキンなダンス・サウンドをかつてないほどストレートに鳴らした『FULL OF ELEVATING PLEASURES』『ON』『EXPOSED』の3部作を経て、約1年半ぶりにリリースされるBOOM BOOM SATELLITESのニュー・シングル“BACK ON MY FEET”は、そんな彼らの〈次〉が明示された作品だ。

 加速するパンキッシュなビートを土台に、神々しいまでにドラマティックで不穏なストリングスと川島の粘り気のあるヴォーカルが絡み合う“BACK ON MY FEET”。ピアノの重い音色と近年のシューゲイザー(ニューゲイザー)勢が聴かせる甘いフィードバックとは対極のヒリヒリした残響が大気を覆い尽くす“ALL IN THE DAY”。切なさと寂しさが凝縮したような川島の歌声を振り切るようにBBSらしいブレイクが鳴らされる“CAUGHT IN THE SUN”。ここ最近の4つ打ちを基調としたダンス・ロックではなく、ヴォーカルを軸に制作したことでトラックは自由度を増し、エコーを駆使した深い音響と共に有機的な絡みを見せることでバンドの持つエモーションが大きく増幅されている。

 ディープな作風という点では『UMBRA』(2001年)を思わせる部分もあるが、同作と異なるのは、『FULL OF ELEVATING PLEASURES』(2005年)以降のバンドのオープンな感覚をキープしながら聴き手と共により深い世界へ向かっている点だろう。コンビニエントな悲しみが氾濫するなか、より深いエモーション探求の旅路へと踏み出したBBS。状況に漫然としないバンドのスタンスが浮き彫りとなった、聴き手のハートに火を点け、かつ深い爪跡を残す一枚だ。

カテゴリ : .com FLASH!

掲載: 2009年06月24日 18:00

更新: 2009年07月08日 18:08

文/佐藤 譲

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