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インタビュー

The John's Guerrilla

 旗印に掲げられた合言葉は〈NEW PSYCHEDELIC〉。ジャパニーズ・ロックンロール・リヴァイヴァルを先導する若き革命家たちが、時代を引き寄せるファースト・アルバムを発表!!

メンバーの嗜好の違いからおもしろいケミストリーが起きる

――初めての音源リリースが2008年6月で、その後は立て続けに3枚のコンピ盤にも収録されて、今回がファースト・フル・アルバム。順調ですね。

KANAME(ベース)「あっという間です。レコーディングやったり、曲を作ったり」

RYOJI(ギター)「ライヴも多かったですね。しかも今回の作品は、作りはじめたのが1年以上前なんですよ。当初の予定よりリリースを遅らせたので、曲やアレンジの構想は1年半前の――21歳の時のものです。1曲目“When The Sun Goes Down”だけは今年に入って録り直したんですけどね」

――アルバムの中身についてはのちほどたっぷり語ってもらうことにして、まずはバンド結成のいきさつを聞かせてください。

RYOJI「もともと、高校が全員いっしょなんですよ。美術やデザインのクラスもあるような学校で、バンドもいっぱいいましたね。そこで僕とベースとドラムが同じクラスで、2年になった時にヴォーカル(LEO)が1コ下で入ってきて。お互い違うバンドをやってたんですけど、たまたまLEOのライヴを観に行った時に〈あいつの声、すげぇいいじゃん〉と思って、〈いっしょにバンドやろう〉って。その時は別のドラムとベースがいたんですけど、僕らのテンションについてこれずに1か月で脱退(笑)。それでKANAMEとJUNICHIが入ったんです」

KANAME「僕はもともとギターをやってたんですけど、〈ベース空いてるからオマエやれ〉みたいに言われて(笑)。塾の先生が持ってたベースを借りて、軽いノリで始めました。最初はパンクをやってたんですよ。ちょこちょこライヴハウスにも出て、真面目にバンドをやってみようと思ったのは卒業した頃ですね。そこからオリジナル曲をLEOが作って、俺らがアレンジして」

――ということは、結成当初はカヴァーを中心に?

RYOJI「そうです。クラッシュのカヴァーとかをやってました。あとザ・フーの“My Generation”とか。メンバー同士の最初の共通点は、ニルヴァーナとセックス・ピストルズです。10代って、わかりやすい衝撃を求めるじゃないですか」

――ピストルズとニルヴァーナをいっしょに聴いてバンドを始めるなんて、初期衝動の極みだと思います(笑)。

RYOJI「でもそのあとは、けっこう変わってきたんですよ。最初の頃といまとでは全然違うし、消化している音楽が、時代によって違うから。アルバムのなかで言うと、“Jewel”と“All Tomorrow's Genius”は19歳ぐらいの時に作った曲なんですよ。アレンジもほとんどいっしょ。でも3~4年経っても全然新鮮に聴けるから、間違った消化の仕方はしてなかったと思う。こうやって作品として出せますからね」

――曲は基本的にLEOくんが作っているんですか?

RYOJI「原石を持ってきます。歌の部分だけとか。それをアレンジでどんどん変えていきたいという欲があるんですけど、メンバーそれぞれで好きなジャンルが違っていて。例えばドラムはニューウェーヴ的なものが好きだったり、ヴォーカルはブルースが好きだったりするので、そこでおもしろいケミストリーが起きる」

KANAME「僕は、最近はメキシコや南米の雰囲気の入った、例えばM.I.A.とか、スパンク・ロックとかワイ?とか、ノイズ的なサウンドにラップを乗っけたりするバンドをよく聴いてますね」

RYOJI「僕は、最近の携帯プレイヤーの再生回数がいちばん多いのがジェファーソン・エアプレインの“White Rabbit”と、グリーンホーンズの“There Is An End”。グリーンホーンズの曲は〈ブロークン・フラワーズ〉という映画で流れる曲で、ウチらのライヴ後にSEとしても使ってます。最近だとドレイトーンズも好きです」

――ということは、年代で区切って聴くことはあまりしない?

RYOJI「そうですね。その音楽が何年に作られたというのは見ますけど、その年代が好きだからどっぷりいこうとか、そういうのはないです。あくまで作品単位ですね、僕は」

カテゴリ : ニューフェイズ

掲載: 2009年07月15日 18:00

文/宮本英夫