インタビュー

つるの剛士 『つるばむ』、『シュガーバイン/Two weeks to death』

 

 

 

この夏に自身が主催するイヴェント「つるロックフェス」で、
スカパラやザ・クロマニヨンズなどと共演を果たしたつるの剛士が、
10/20に待望のアルバム『つるばむ』と、シングル「シュガーバイン/Two weeks to death」をリリース。
“シュガーバイン”は、the pillowsの山中さわおが提供したことでも話題。
胸に秘めたロック・スピリットを感じさせる、アーティスト・つるの剛士のすべてを詰め込んだ作品に仕上がった。

 

「“シュガーバイン”はthe pillowsらしさが出ている曲。さわおさんが、ぜひ歌ってほしいと勧めてくれた!」(つるの 剛士)


 昨年のカヴァー・アルバムのヒットからも分かるとおり、つるの剛士の歌唱力は以前から評価が高い。
今回のアルバムは、そのカヴァー・アルバムをきっかけに「今度はいろんなアーティストの方が僕に宛てて書いてくれた曲を、
シンガーとして歌いたいと思って」
制作が始まったという。

アルバム候補曲は50曲以上あり、
その中から<アコギ1本でも歌えるもの>を
ひとつの基準として選曲された。
中には、昨年のカヴァーが縁になった、KANや岸谷香、
つるのが主催した「つるロックフェス」に出演した
ザ・クロマニヨンズの真島昌利など、
様々なアーティストからの提供楽曲もある。

楽曲のテイストは、真島昌利が提供した
“死ぬまで夢を見る男”などストレートでシンプルな
ロック・ナンバーもあればバラードもあるなど、
幅広さに<歌い分けるのが大変だった>という。

 

「抑揚の付け方が難しい曲もたくさんあって苦労しました。
でもカヴァーで本当にいろいろな楽曲を歌わせてもらっていたので、
その経験を活かせたと思っています」

 

 決してテクニックで歌い上げるタイプではないが、
ハートが真っ直ぐ伝わってくる歌声は、もはやつるのの、持ち味と言っていいだろう。
多彩な楽曲と真摯に向き合い、時に勢いよく時にじっくり丁寧に歌い上げた楽曲からは、
アーティストとしてひと回りもふた回りも成長した姿を感じさせてくれる。

 

 さらに“メダリスト”など4曲では作詞の才能も発揮している。
「制作の過程で、この曲は僕が自分で歌詞を書いて歌ってみたいとか、
どんどん欲が出てしまった」
とのこと。

思い立ったら止まらないところもあるようで、一度はレコーディングしたものの
その場で歌詞を書き直して再度レコーディングしたという楽曲もあるほどだ。
<小惑星探査機はやぶさのニュースを見て感動して泣いた>ことがきっかけになった
“はやぶさ”など、つるのの熱いメッセージが込められた歌詞をじっくり読んで楽しむのもいいだろう。

 

 また、今回アルバムと同時リリースされるシングル「シュガーバイン / Two weeks to death」は、
この夏6年ぶりに開催された「つるロックフェス」から生まれた「つるロック・レーベル」からの第一弾シングル。
アルバムとはひと味違った、ロックな一面を全面に押し出していることでも、すでに話題になっている。

 

「このレーベルでは、今後いろんなアーティストとコラボしていきたいと思っています。
つるロックフェスと同様、アーティストのみなさんと一緒に作り上げていくものをやりたいです」

 

 

 

 

 “シュガーバイン”は、the pillowsの山中さわおが作詞作曲し、
the pillowsが演奏で参加した、味のあるストレートなサウンドのロック・ナンバー。
the pillowsとは、01年から05年まで放送されたつるのがパーソナリティを務めたラジオ番組
「BPR5000」で、03年にゲスト出演してもらってからの縁だ。

 

「デモ・テープをもらったとき、これはthe pillowsで歌ったほうがいいんじゃない? と思ったくらい、
the pillowsらしさが出ている曲です。
でも、さわおさんは、僕に宛てて書いたものだからぜひ歌ってほしいと勧めてくれた
」と、つるの。

 

タイトルの“シュガーバイン”とは、暗闇でも育つ植物の名前。
つるのの前向きなキャラクター性や真っ直ぐさをよく理解した山中の詞曲と、
軽やかに歌うつるののヴォーカルが聴きどころ。

 

 そして、もう1曲の“Two weeks to death”は、つるのが10年前に作ったという曲。
もともとへヴィー・メタルが大好きで、当時自分でやっていたメタル・バンドでやるつもりで書いていたもの。
これは、今回「つるロックフェス」にも出演したガレージ・メタル・バンドのElectric Eel Shockとの
コラボで収録した。つるのはギター演奏でも参加し、ロック・スピリットを燃やしている。

 

「Electric Eel Shockは3ピースのバンドで、僕がすごく好きなバンドのひとつ。
海外でもすごく人気があります。実は僕と彼らは釣り仲間でもあって、
以前から一緒に何かやれたらいいねと話をしていて今回やっと実現しました」

 

歌詞はつるのの提案でセミがモチーフ。
「ツクツクボーシ」と歌うコーラスがライヴでも盛り上がりそうだ。

 

「メタルと言ったら<TO DIE>とか<TO DEATH>って歌詞がよくあるよね、っていう
話から発展して。2週間で魂をぶちまけるみたいな感じで、セミ・メタルにしよう! って。
メンバーも<いいじゃん>って、面白がってノッてくれた」

 

セミについて歌った歌詞も、英語になるとこんなにかっこいいのか! と、きっとみんな驚くはずだ。

 

 このシングル「シュガーバイン/Two weeks to death」タワーレコードのみ初回入荷分は、
the pillowsのデザイン・ワークでもお馴染みのイラストレーター、
オオシカケンイチ氏の描き下ろしスリーヴ・ケース仕様!
歌詞に<NO MUSIC, NO LIFE.>と出てくるのもポイントだ。

 

 このリリースを契機につるのは、全国ツアーをスタート。
来年1/8には初の日本武道館でのファイナル公演も決定している。

 

「24時間テレビで立ったことがあるくらい。ライヴ・ハウス武道館へようこそ! という気概で臨みたい」

 

アーティスト・つるの剛士の今後に注目だ。

 

 

 

 

 

■ LIVE…

つるの剛士 LIVE TOUR 「ツるーリング2010」
10/27(水) 戸田市文化会館
11/03(水・祝) 渋谷C.C.Lemon Hall
11/06(土) 北九州ソレイユホール(九州厚生年金会館)
11/14(日) ニトリ文化ホール(さっぽろ芸術文化の館)
11/21(日) 名古屋センチュリーホール
12/05(日) 長岡市立劇場
12/10(金) 郡山市民文化センター
12/18(土) 米子コンベンションセンターBiG SHiP
12/22(水) グランキューブ大阪(大阪国際会議場)

「ツるーリングFINAL」 2011/1/08(土) 日本武道館 決定!

詳細はオフィシャルサイトにて。

 

■ SONG LIST……『つるばむ』

01.メダリスト
02.正直者
03.ありのまま
04.Love Letter
05.会いたくて
06.夏のわすれもの feat.東京スカパラダイスオーケストラ
07.はやぶさ
08.伝えたいこと
09.オレンジ
10.オメデトウ feat.KOHEI JAPAN
11.大きな夢 小さな声
12.新しい明日へ
13.死ぬまで夢を見る男

※限定盤には「つるロックフェス2010ダイジェスト映像」、“シュガーバイン”特別映像を収録したDVD付き。

 

■ SONG LIST……『シュガーバイン/Two weeks to death』

01.シュガーバイン produced by 山中さわお(the pillows)
02.Two weeks to death with ELECTRIC EEL SHOCK

タワーレコードオリジナル特典:先着で“オリジナルスリーヴ・ケース仕様”、アルバム同時購入者に先着で“スペシャル・イヴェント応募ハガキ”

■ PROFILE…つるの 剛史 (つるの たけし)

 テレビ企画ユニットにて、俳優業だけでない歌手としての才能を世間に知らしめ、
昨年、本人名義のアルバムをリリース。ミュージシャンとしての活動を本格的に開始する。
今年は自身主催のロック・フェスを成功させ、更にシングル、アルバムを同時リリースするなど、
アーティストとして更なる活躍が期待される。 

 

   
記事内容:TOWER 2010/10/20号より掲載

カテゴリ : COVER ARTIST

掲載: 2010年10月20日 11:56

ソース: 2010/10/20

榑林史章