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インタビュー

わになるなにわ……を超えてさまざまなフィールドを繋ぐSHINGO★西成

 

96年からマイクを握っているというSHINGO★西成の名が広く知られはじめたのは、420FAMILYの一員としてだろう。当時のファミリー作品では“浪速のヒーロー”など〈シンゴ西成〉名義での初期音源がチェックできるが、TERRY THE AKI-06を中心に韻踏合組合やLarge Profits、ASUKA、ALI-KICK(Romancrew)ら濃いキャラが揃うなかで頭角を現したSHINGOはファミリーたちとの絡みを軸にしながら徐々にその繋がりの輪を大きく広げていくことになる。

そんな動きはLibra入りを経た2007年頃からいよいよ目に見えて活発化し、NG HEADの“大阪プライド”(BOOGIE MAN、KENTY GROSSも参加)やCHIEF ROKKAの“General”、Romancrewの“Gold Finger”といった地縁コラボからサイプレス上野とロベルト吉野の“音楽遊び”にまで参戦し、大阪ヒップホップ〜レゲエの〈台風の目〉的な存在感を全国区にアピールしていく。なかでもKREVAの“アグレッシ部(Remix)”への登場は、独特の間で語りかける〈しゃべくりメッセンジャー〉の魅力をより広い層に知らしめた。

翌2008年以降はしばし単独リリースはお預けとなるも、コラボはさらに多角化。SATUSSYの“言えません”を筆頭に、BUZZER BEATSの“たくらむRAP”、RUMIの“HIP HOP'S GUIDANCE”、さらにはShing02やMICROPHONE PAGER、O2、YOUNGI、HOME GROWNやRAITAといったレゲエ界隈からの要請も増し、地元やLibraのサークルを超えて精力的に客演を展開していった。一方、大西ユカリや赤井英和との手合わせでは絵に描いたような〈コテコテな大阪〉像も臆せずに体現してみせるのが彼らしい。

最近は好企画盤『24 HOUR KARATE SCHOOL JAPAN』に収録の“24 BARS TO KILL REMIX”にてZeebra+SIMON+D.Oとマイクを回したり、DJ NOBU a.k.a. BOMBRUSH!のエクスクルーシヴ曲“STAY STRONG”にてNORIKIYO+DAG FORCEと手合わせしたり(別項を参照!)……と単なる羅列になってしまうほど、彼の動きは現在進行形で日々更新されているのだ。

 

▼関連盤を紹介。

左から、420FAMILYの2002年作『420(MUNCHEES TIME)』(KSR)、TERRY THE AKI-06の2006年作『裏庭独走最前線』(420)、NG HEADの2007年作『HEAD ROCK』(コロムビア)、サイプレス上野とロベルト吉野の2007年作『ドリーム』(Pヴァイン)、KREVAの2007年作『よろしくお願いします』(Knife Edge)、2008年のコンピ『まいどおおきに!~KANSAI FLAVOR~』(ネギヤキ)、BUZZER BEATSの2008年作『Just The Beginning』(Peninsual)、HOME GROWNの2009年作『DO THE REGGAE』(ポニーキャニオン)、RUMIの2009年作『Hell Me NATION』(POPGROUP)、O2の2009年作『STAYTRUE』(Libra)、赤井英和 with ICHIMONKAIの2009年のシングル“串かつ(二度付け禁止)”(プラーネ)、2010年のコンピ『24 HOUR KARATE SCHOOL JAPAN』(R-RATED)、DJ NOBU a.k.a. BOMBRUSH!の最新ミックスCD『BLACK FILE THE BOMBRUSH SHOW 2』(ポニーキャニオン)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2010年12月09日 23:20

更新: 2010年12月09日 23:24

ソース: bounce 327号 (2010年11月25日発行)

文/出嶌孝次

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