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インタビュー

彼らの〈COSMO〉を繋いでいるさまざまなアーティストたち

 

LYNYRD SKYNYRD 『Icon』 Geffen

バンプは〈これ!〉といったルーツを明確に見せるタイプのバンドではないが、カントリーやブルースを内包したサザン・ロックはわかりやすいルーツのひとつ。主に70年代に活躍し、その先駆けとなったレイナード・スキナードからの影響は、ママス&パパスをはじめとしたフォーク・ロックと並んで藤原基央のギター・プレイを形成している。

THE WHO 『A Quick One』 Reaction/Polydor(1966)

バンプのライヴでは、本作のラストに収録されている9分30秒のオペラ風ナンバー“A Qucik One, While He's Away”がオープニングのSEとしてよく使われている。徐々にルーツと言えるアメリカン・ロック色が強くなってきた彼らだが、デビュー当時は〈UKロック風〉と紹介されることも多かった。

Mr.Children 『SENSE』 トイズファクトリー(2010)

同じレーベルから同時期に新作を発表したミスチルだが、桜井和寿は〈バンプに加入したい〉と言うほど大ファンなのだという。それぞれが90年代と2000年代を代表するバンドであり、いまも音楽シーンのトップを走り続けているだけに、夢の共演が実現することを願うファンも多いことだろう。

Good Dog Happy Men 『The Light』 tearbridge(2010)

盟友と言える間柄だけあって(!?)、門田匡陽と藤原の両フロントマンはその歌声や風貌も含め、どこか似た雰囲気を持っているような……。むしろ、GDHMの前身バンド・BURGER NUDSはよりギター・ロック色が強く、いま以上にバンプに近かった。

the pillows 『LITTLE BUSTERS』 キング(1998)

the pillowsの結成15周年を記念したトリビュート盤『SYNCHRONIZED ROCKERS』では、代表曲“ハイブリッドレインボウ”をカヴァー。バンプがこういった企画に参加するのは稀なうえ、誰かの曲をカヴァーするというのも珍しいことだ。アコギの弾き語りで始まる優しい雰囲気からして、実に彼ららしい仕上がり。

奧華子 『うたかた』 ポニーキャニオン(2010)

バンプをカヴァーしているアーティストは思ったより少ないが、彼女は自身のラジオ番組の生ライヴで弾き語りによる“天体観測”を披露している。残念ながら音源化はされていないが、ギターではなくピアノで、男声ではなく女声によるバンプは新鮮で、改めて曲そのものの魅力を再認識。

RADWIMPS “DADA” EMI Music Japan(2011)

数多い〈バンプ以降〉を感じさせるバンドのなかでも、その筆頭はやはり彼らだろう。USオルナタを通過した音楽性こそ異なるものの、その人間賛歌とも言うべき歌詞の世界観や呟くような優しい歌声などは、明確にバンプの影響を受けていると言える。実際にメンバー自身も彼らのファンであることを公言している。

plenty “人との距離のはかりかた” Headphone(2011)

その〈バンプ以降〉なバンドの最若手のひとつがplentyだと思う。エモやポスト・ロックを通過した複雑なアンサンブルは彼らならではの個性と言えるだろう。また、3ピースという編成や内省的で蒼い衝動を感じさせる歌詞からは、インディー時代からのバンプの盟友であるsyrup16gの存在も同時に連想させる。

androp 『Note』 Respire(2010)

もうひとつ、バンプを彷彿とさせる若手として挙げたいのが彼らだ。RADWIMPS風の技巧的なアンサンブルやミスチルを思わせる突き抜けたポップ感もあって、バンプを特別意識しているわけでもないかもしれない。しかし裏を返せば、彼らの音はそれぐらい〈基本〉になったということで、その影響力は今後もさらに広がっていくことだろう。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2010年12月15日 17:58

ソース: bounce 328号 (2010年12月25日発行)

文/金子厚武

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