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インタビュー

ロバートが誘うクラシック・ソウル時間旅行

 

〈レトロ〉や〈ヴィンテージ〉の名の下に60~70年代ソウルの意匠や鳴りを採り入れることはもはや珍しくもなく、R&Bシンガーもロック・バンドもティーン・ポップも同じ試みを繰り広げる地平線を見れば、オマージュや懐古という意味さえ超えて普通に現代ポップスの1フォーミュラとして定着したように思える。が、唱法そのものをコピーして、しかも自己のカラーをハッキリ出すというのは、やはりRさんにしかできない芸当だ。『Epic』に再収録された“If I Could Turn Back The Hands Of Time”(98年)は彼が清涼なサム・クック唱法を現代化した端緒だが、『Love Letter』はさらに遡ってドゥワップ~アーリー・ソウルまで掌中に収めているのが凄い。ジャッキー・ウィルソン~初期アイズレーはお手のもの、“When A Woman Loves(Remix)”なんてもうフランキー・ライモンだ。超然としているようでいて、やはり周囲の流行を呑み込む気満々なのでR。

 

▼関連盤を紹介。

左から、サム・クックの64年作『Ain't That Good News』(RCA)、フランキー・ライモン&ザ・ティーネイジャーズのベスト盤『The Very Best Of Frankie Lymon & The Teenagers』(Rhino)、ミラクルズの編集盤『Depend On Me』(Hip-O)、スティーヴィー・ワンダーの66年作『Down To Earth』(Motown)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2011年02月18日 13:35

更新: 2011年02月18日 13:35

ソース: bounce 328号 (2010年12月25日発行)

文/出嶌孝次