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インタビュー

LAMA “Spell”

 

LAMA_特集カバー

 

フレッシュな、大人じゃない気持ちでやってるバンド

 

不思議なことに、その活動時にはなぜか接点がなかった90年代後期を出自とする同世代バンド、スーパーカーとナンバーガール。いずれもギター・ロックを起点に新たな方向性を見い出しつつも惜しまれながら解散し、そのメンバーたちは個々の活動へ移行していった。スーパーカーのナカコーはiLLとNYANTORA、フルカワミキはソロ。そして、ナンバーガールの田渕ひさ子はbloodthirsty butchersへの加入と新バンド、toddleの結成。それぞれ、ある種のタフさが要求された2000年代を充実した活動でくぐり抜けてきたが、その先で彼らはついに出会うことになる。

「最初は私がギタリストを探していたんですよ。それ以前の自分のソロでは、そこまで話さなくても好きな音を鳴らしてくれるギタリストはナカコーくらいしか知らなかったので、他のギタリストが周りにいたらいいなって思ったんです。基本的にフィードバックがカッコイイ人っていうのが私のなかでの必須条件だったりするんですけど、そこでふと長らく気になっていたひさ子ちゃんのことが思い浮かんで、〈彼女と組むことができたら、私のソロじゃなく、別プロジェクトを立ち上げるのがおもしろいかもしれないな〉って。だから、ソロとは別の頭で考えつつ、〈何かできないかな?〉って、声を掛けさせてもらったんです」(フルカワ)。

2011年、恵みの雨が降るように、突然降ってきたギターのフィードバック・ノイズ。そんななか、フルカワミキと田渕ひさ子、そしてナカコーと、彼に誘われたエレクトロニック・ミュージック・シーンの若き才能、agraphこと牛尾憲輔から成る4人が集結。それぞれが期する思いを胸に、新バンド・LAMAという新たな音楽の芽を育んでいくことを決めた。

「キャリアのある人たちが組んだ〈大人のバンド〉というより、フレッシュな、大人じゃない気持ちでやってるバンド。初めて音を出し合う人たちの集まりというか、いままでのキャリアをネチネチ出すんじゃなく、一からやるつもりで取り組んでいますね」(田渕)。

「もちろん、偉大なバンドであることは知ってるんですけど、僕はスーパーカーやナンバーガールを聴いてこなかったし、僕以外の3人は普通に年上の先輩って感じ。部活っぽいというか、サークルっぽくもあるので、スタジオに部室っぽい感じで入っていくスタンスなんですよ」(牛尾)。

 

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掲載: 2011年07月27日 18:01

インタヴュー・文/小野田雄