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インタビュー

INTERVIEW(4)——この1年のモードは〈等身大〉

 

この1年のモードは〈等身大〉

 

――カップリングについてもひと言もらっておきましょうか。“速度”は去年の武道館で初披露した曲で、ついに音源化されましたね。

光村「前のアルバムの候補曲でもあったんですけど、ちょっと空気感が違ったので、熟すのを待っていた感じです。いざこの2曲を録り終わって歌詞を並べてみたら、言ってることは同じなんですよね。だからこのタイミングでやろうという気になったというか、“手をたたけ”という曲が導いてくれたというか。“速度”は、めまぐるしいなかでも自分の歩幅を忘れないということが言いたくて、そのマイペース感や自分のできることをやろうという等身大な感じが、僕らのこの1年ぐらいのモードだと思うので。この曲もその一端をちゃんと担ってると思ってます。なにせ“手をたたけ”があれだけゴージャスになったんで、“速度”もあれに負けないアレンジというか、サビでギターが6本ぐらい重なったりしてるんで、意外と気合は入ってます。カップリングとは言え(笑)」

――さらにボーナス・トラックとして、ライヴ音源も入ってます。

坂倉「これは〈PASSENGERツアー〉の最終日の、まさに“手をたたけ”をやった日の録音です。3曲入ってるんですけど、特に“雨のブルース”はこの曲本来のものが出せたというか、やっててもすごく感動的な“雨のブルース”ができたなと思っていて、曲が進化してきた完成形が入ってると思います。“マトリョーシカ”“ホログラム”も、ツアーをやっていくなかで成長していった感じかな。音源だけじゃ伝わりきらない僕らのライヴの空気感をわかってほしいなと思って、今回入れさせてもらいました」

対馬「“雨のブルース”は気持ち良かったですね。『Walls Is Beginning』っていうインディーズの最初のアルバムに入っている曲なんですけど、この曲の真意をやっと表現できた気がしたんですよね。その気持ちは〈NICOやってて良かったな〉という気持ちとすごく繋がります。ずっと歩んできてたんだなって」

光村「昔から1本筋が通ってる感じというのは、自分たちのツアーのなかで感じることができたし、それを表現できたからこそちゃんと記録として残しておきたいなという気持ちがありましたね。またさらに更新すると思いますけど」

――ボートラは初回盤にも通常盤にもどっちも入ってるので、みなさんお好きなほうを……。

光村「いや、初回盤がいいと思います(笑)。初回盤に入ってる“手をたたけ”のPVの、メイキングがマジでおもしろいんですよ。もう何回もチェックで観たんですけど、毎回笑える。そもそも宙吊りで演奏するという時点で撮影も楽しかったんですけど、いろいろ事件もいっぱい生まれて、それが全部メイキングに収まってるんでぜひ観てほしいですね」

――最後に、今年の夏もたけなわですけど、まだ残っているフェス出演も含めて今後の抱負を。フルくんから。

古村「せっかく“手をたたけ”という曲が出来たんで、それをフルに活かして……古村なんで」

対馬「いいよ、そこ拾わなくて(笑)」

古村「やることをやって、ちゃんと目標を持ってやっていきます。がんばります」

――それとさっき聞いたばかりの最新情報として(取材は8月2日)、9月公開の映画「スイッチを押すとき」の主題歌に新曲“Endeless roll”が決まったみたいですね。この曲は坂倉くんの作詞作曲ということなので、最後に本人から紹介してもらえますか。

坂倉「すごく嬉しいのひと言です。そっちはまだみなさん聴けてないと思いますけど、楽しみにしていてください。かなりいいと自負しているので。内容的には、いまの僕らの世代の人って、迷ってしまったり、どうしていいかわからない渦のなかにいるような人も多いと思うんですけど、そこで自分で自分を見極めて、ちゃんと上を向いて上昇していってほしいというか、そういう願いをこめて作った曲です。この曲を聴いて勇気を持ってもらえたらいいなと思います」

 

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掲載: 2011年08月10日 18:01

インタヴュー・文/宮本英夫