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インタビュー

志磨遼平が〈悲しみを美に昇華した盤〉を解説!

 

あがた森魚 『乙女の儚夢』 ベルウッド/SUPER FUJI (1972)

中学生の頃むさぼるように聴いた、あがた森魚さんの処女作。これを聴くっていう行為はなんだか性的嗜好という感じがして、とても後ろめたかったけどやめられなかった。音楽、題名、(林静一さんによる)ジャケット、すべてが完璧な名盤です。

楳図かずお 『闇のアルバム』 ソニー (1975)

同郷の(!)大先輩、KAZZ様の全作詞/作曲/歌唱による幻のアルバム! ちょうど僕が今回の制作に入る頃に入手しまして、あまりのお歌の上手さに驚愕しつつも、多大な影響を受けました。そしてタイムリーにも、8月31日に36年ぶりとなる作品『闇のアルバム2』が発表されるのら!

BILLIE HOLIDAY 『Icon: Billie Holiday』 Verve

インタヴュー中に岡村詩野さんが例として挙げてくれた、深い悲しみを纏った歴史的名曲〈奇妙な果実〉。切実な願い、悲哀、祈りを昇華すれば音楽はここまで輝きを放つっていう人類の遺産。ちょっとこれは悲しみの度合い、というか描く放物線が別ヴェクトルすぎますが、どうしても触れないワケにはいかないので挙げておきます。

THE VELVET UNDERGROUND 『The Velvet Underground』 MGM (1969)

これに収録されてる“Candy Says”っていうナンバーが本当に好きで、こんな曲が書きたいといままで何度も挑戦してきました。でもこの不安定さと美しさになかなか到達できない。ヴェルヴェッツはそのすべてが霞のように儚く美しいけど、ルー・リードが張り切ってるポップな後期ヴェルヴェッツもいい。僕の永遠の理想形です。

アーント・サリー 『アーント・サリー』 Vanity/UNDO (1979)

Phewさんがいた伝説のバンド、アーント・サリー。いま久しぶりに聴き返して気付いたけど、冒頭のタイトル曲のドラム・パターンが……いや……コステロにも似たのあったし……いいよね…。ちなみにメロディーは〈マルセリーノの歌〉(映画「汚れなき悪戯」の主題歌)ですね。恐いほどの孤独な美しさ、わが国のポップ・カルチャーにおける戦う少女の原点がPhewさん!

早川義夫 『かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう』 URC/ポニーキャニオン (1969)

ジャックス解散後の早川さんによる初のソロ作品。高校生の時にジャケ買いして以来、ずっと私に巣食う歌の心です。このアルバムを発表後、早川さんは本屋のおやじさんに転身。いまはまた音楽界に復帰され、素晴らしい歌をたくさん歌ってらっしゃいます。

 

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2011年09月07日 17:59

ソース: bounce 335号 (2011年8月25日発行)

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