『Black Radio』をきっかけに掘り下げる、ジャズと現行アーバンのさまざまな出会い
アフロ新世代の共闘とでも言おうか。ジャズ奏者がR&B/ヒップホップ勢と手を組み、ジャズを新次元へと導くような動きはこれまでにもあったが、いまふたたびジャズがアーバン勢といい関係にある。ロイ・ハーグローヴがRHファクター名義でネオ・ソウル的なアプローチを試みてから約10年。ウマーやソウルクェリアンズなどの黒く洗練された音に刺激を受けたヒップホップ世代のジャズ奏者たちが、ジャズを薄暗いクラブからストリートへ開放しはじめているのだ。ロバート・グラスパーが新作でネオ・ソウル勢と共演したり、前作で〈室内楽〉を展開していたエスペランサ・スポルディングが間もなく放つ新作で舞台を路上へと移したことは、その好例だろう。R&B勢がジャズ・レーベルと手を組みはじめたことも両者の交流をスムースにしているのかもしれない。さらに、ヒップホップ名曲をジャズで演奏する〈Unwrapped〉シリーズで両者の距離を縮めてきたヒドゥン・ビーチからは、ジェフ・ブラッドショウの〈ネオ・ソウル〉な新作も登場予定。アーバンなジャズから目が離せない状況なのだ。
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