オービタルの歩みを追うびたる
『Orbital』 London/FFRR(1991)
オービタル印のシンプルかつ昂揚感に溢れるシンセ、ブレイクビーツ的リズム、凝った曲展開、アルバム全体のトータル感……と、すでにオービタルの良さ全開の初アルバム。やはり白眉は不穏トランスの大名曲“Chime”!
『Orbital 2』 London/FFRR(1993)
白(アンダーワールド)、黄(ハードフロア)と並んで〈テクノ三種の神器〉と呼ばれた茶盤。ヒットした“Lush”、オーパスをサンプリングした“Halcyon + On + On”などを収録の、90年代テクノを代表する最高傑作!
『Snivilisation』 London/FFRR(1994)
前作で早くも自分たちの流儀を極めたからなのか、ここではスラッシュ・ブレイクやミニマル調、シングル“Are We Here”での耽美派ジャングル、“Attached”での壮大なチルアウトなどその後の変化への布石がここで登場。
『In Sides』 London/FFRR(1996)
当時の最先端だったドラムンベースに影響を受けるのは自然の流れで、前作に引き続き今作でも“P.E.T.R.O.L”“The Box”ではモロにドラムンベース(というかジャングル)を導入。その替わり十八番のシンセは抑えめでチルアウト要素が上昇。
『The Altogether』 London/FFRR(2001)
ライト付きメガネのジャケは最高な6作目。ロック的な“Oi!”やチルアウト路線の到達点となるダウンビート“Funny Breaks”など曲自体はおもしろいが、彼ららしさは希薄に。ジャケのドクロはシャレじゃなかったのか。
『Blue Album』 Orbital(2004)
ジャケにオービタル・マーク(なのか?)が復活! ということでこれが(復活前の)ラスト・アルバム。有終の美を飾るに相応しいエッセンシャルな内容で、なかでもスパークスとの兄弟対決アシッドとなる“Acid Pants”は最高!
LONG RANGE 『Madness And Me』 Long Range(2007)
フィル兄貴とニック・スミスが組んだユニットの初作。内省的な表題が示唆するようにオービタルらしさは薄く、しっとりしたストリングスと女声が印象的なマッシヴ・アタック風のダウンビートに。
PAUL HARTNOLL 『The Ideal Condition』 ACP(2007)
弟のソロ。オービタル節のシンセはほぼ封印、ストリングスがムーディーなブレイクビーツやエレクトロ、あげく直球ロックまでいろいろなサウンドで、オービタル・サウンドとの距離感が兄貴とソックリ!
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カテゴリ : インタビューファイル
掲載: 2012年03月28日 00:00
更新: 2012年03月28日 00:00
ソース: bounce 342号(2011年3月25日発行号)
ディスクガイド/石田靖博