BP休止中に展開された個々のパーティー
ブロック・パーティ休止中に各人の見せたマイペースな動きは、単純に音楽性がもう折り合わなくなったのでは?と休止の理由を疑わざるを得ないほどだった。まず、アッシュのツアー・サポートなどを行っていたラッセルは、NY在住女性シンガーのミレーナ・マーフィスとのコンビとなるピン・ミー・ダウンを本格始動。BP休止前からキツネのコンピ収録で評判となっていた“Cryptic”(2007年)のシャープなダンス・ロック路線を継続して2010年にはファースト・アルバム『Pin Me Down』の完成にまで漕ぎ着けた。彼は他にもHeavenstampやターボ・ウィークエンド、ロストプロフェッツらのリミックスを手掛けている。
一方、ピン・ミー・ダウンのアルバムと同時期に出たケリー名義のソロ作『The Boxer』は、トリプルエクスチェンジをプロデュースに迎えたエレクトロニック路線で、その志向はよりバキバキな翌年のEP『The Hunter』にも継続されるなど、明白にバンドとは別路線へ前進。その過程でカムアウトしたことも関係あるのか、そうでなくてもティエスト“It's Not The Things You Say”、マーティン・ソルヴェグ“Ready 2 Go”といったビッグ・チューンに登場し、かつてケミカル兄弟に起用された時以上のハジケっぷりを見せてくれた。結果的にそうしたリフレッシュが必要だったことは『Four』の充実度が証明しているだろう。
▼関連盤を紹介。
左から、ピン・ミー・ダウンの2010年作『Pin Me Down』(Animalized Music)、Heavenstampの2011年のEP『Stand by you - E.P.+REMIXES』(ワーナー)、ロストプロフェッツの2012年作『Weapons』(Epic/ソニー)、ケリーの2010年作『The Boxer』、同2011年作『The Hunter』(共にWichita)、ティエストの2009年作『Kaleidoscope』(Musical Freedom)、マーティン・ソルヴェグの2011年作『Smash』(Mercury)、ヘラクレス&ラヴ・アフェアの2011年作『Blue Songs』(Moshi Moshi)
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