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インタビュー

INTERVIEW(2)――恋愛のエグいシーンもわかりやすく



恋愛のエグいシーンもわかりやすく



――そういう経緯があって、さめざめとしてやっていこうと最初に書いた曲が、今回のシングルのタイトル曲“愛とか夢とか恋とかSEXとか”ですね。ファースト・アルバム『スカートの中は宇宙』にもヴァージョン違いが収録されてますが、個人的にはこの曲と“あたしがいなくなれば”が特にいいなと思ったんですよね。インパクトで言えば“コンドームをつけないこの勇気を愛してよ”とかのほうが大きいですけど、“愛とか夢とか恋とかSEXとか”と“あたしがいなくなれば”からは、〈言葉はセンセーショナルだけど、自分のアイデンティティーを探してる女の子の歌を歌ってるんだな〉っていうのがすごく伝わってきて。ただ、これが笛田さんの実際の心情と密接にリンクしていたとすれば、この頃はもしかしてどん底だったのかな、と……。

「(笑)そうですね。自分が夢を描いていた年齢に到達したとき、現状がうまくいってないことって皆さんあると思うんですけど……例えば、25歳で素敵な旦那さんを見つけて子供を産んでるはずなのに、いまは彼氏もいなくて……とか。普通の生活のなかで描いていた理想がうまくいってなくて、〈このまま何もせずに人生が終わっていくのかな?〉みたいなことを思ったり。でも、〈このままではいけない。急に何かが変わるわけではないかもしれないけど、そのタイミングやきっかけが明日くるかもしれない〉って。“愛とか夢とか恋とかSEXとか”にはそういう〈がんばろう〉っていう気持ちが入っていて」

――そこで〈SEX〉という言葉を持ち出してくるのがさめざめ流なんだろうと思いますが、ただ、女の子って確かに恋愛とそことが直結してる部分もあると思うんですよね。男性目線と女性目線とでは見え方が違うところもあるかもしれませんが、この曲を発表したときの反応はいかがでした?

「どうしてもSEXという言葉が耳にこびりつきやすかったりするみたいなんですけど(笑)、ただ、それ以前に曲自体がけっこう感動的というか。自分で言うのもなんですけどね(笑)。だから、〈あの曲SEXって言ってるけど、すごく良い曲だね〉っていう反応をいただき嬉しかったです」

――それは私も思いました。ただ、それにしてもやっぱり性をモチーフにした曲が多いですし、そこもさめざめのテーマだったりするんですか?

「それを押してるつもりはないんですけど、恋愛をしていて目の当たりにしてしまったちょっとエグいシーンを描いてない人が多いなと思って。けっこうよくあることだと思うんですけど、やっぱり書きづらかったりはするので(笑)、避けてるのかもしれないですね。でも、さめざめはそこを直接的に、わかりやすく伝えていったら共感してくれる女性もいるんじゃないかなと思って」

――詞の世界は、実体験もありつつ、あるシチュエーションを決めてから膨らませてるのかな?という印象もありましたが。

「ああ~、そうですね。まあ実体験もありつつ、やっぱり私の周りは似たような人たちが多かったりするので、不幸な女の子の話を聞いたりとか(笑)、そういうところから歌を作ったり。自分がその物語のなかに入っていって、自分がその女の子だったらこうだろうな、というのを書いたりしてます」

――これまで発表されている楽曲から想像すると、周りにハッピーな人はあまりいないような気がしますが……(笑)。

「(笑)ハッピーなのに不幸を求めているというか、何か刺激を求めている女性が多いですね。彼氏がいて幸せだけど物足りないとか、そこからあえてトラブルを起こそうとしたりとか(苦笑)、好かれてるのに幸せな恋愛を選ばないで、片思いをし続ける人とか。恋愛に対して、何かしらの不満だったりを感じてる人が多いような気がします」

――そういう恋愛事情のほうがリアルに感じられるから、楽曲にもそういう部分が出てる?

「だと思います(笑)」


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掲載: 2012年12月05日 18:01

更新: 2012年12月05日 18:01

インタヴュー・文/土田真弓