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インタビュー

インディペンデントな軌跡



この機会に改めてAK-69のキャリアを振り返ろうと思ったら……わかってはいたことではあるが、あまりにコンスタントな自己名義リリースと、膨大な客演作の数に驚かされた。〈良い音源と良いライヴ〉を信条とする彼が毎年繰り広げてきたライヴの本数もハンパじゃないように、音源に関しても質と量の両面を充実させようというワーカホリックぶりだ。

2004年にKalassy Nikoff名義で初のシングル“NEVER GONNA STOP”を放ち、翌年にAK-69名義での初EP『69 -I'ma Player-』をドロップして以降、両名義での地道な活動は少しずつ右肩上がりのカーヴを描きはじめる。そんな状況の好転が一気に目に見える形となったのは、2008年の『TRIUMPHANT RETURN -Redsta iz Back-』がオリコン・インディーチャートで首位を掴んだこと(総合36位)。1年後には『THE CARTEL FROM STREETS』が総合チャートのTOP10、前作『THE RED MAGIC』ではTOP3入りしたのだから凄まじい。インディー・レーベルに属する地方在住アーティストとしては、稀有な勝ち上がりと言っていいだろう。

一方で、数字とは別の部分で、闊達なコラボ仕事は焦点の合った好演が増えているように思う。ジャケを掲載できたのは前作リリース以降に登場したAK参加作の一部だが、SIMONの“Straight It Up”を皮切りに、SPICY CHOCOLATE“信ジルモノ”、CIMBAの“LAST MAN”、JOYSTICKKの“Krazie Klub”など楽曲自体のトーンを決定づけるタイプの露出が多くなっている現況もわかるのではないだろうか。主演と客演、歌とラップ、音源とライヴ……と常に相互の好調を反映し合ってきたAKだけに、新作の充実がこの後のツアーにどう活かされるのか、新年の展開も楽しみで仕方ない!



▼AK-69のフル・アルバム。

左から、Kalassy Nikoff名義の2004年作『PAINT THE WORLD』、2006年作『REDSTA -The Rap Attacker-』、Kalassy Nikoff名義の2006年作『REDSTA -The Melodizm-』、2008年作『TRIUMPHANT RETURN -Redsta iz Back-』、2009年作『THE CARTEL FROM STREETS』、2011年作『THE RED MAGIC』(すべてMS)

 

 

▼AK-69の客演作品を一部紹介。

左から、SIMONの2011年作『TWICE BORN』(STREET OFFICIAL)、ALLY & DIAZの2011年作『ALLY & DIAZ』(徳間ジャパン)、SPICY CHOCOLATEの2011年作『渋谷 RAGGA SWEET COLLECTION』(ユニバーサル)、DJ☆GOの2011年作『THE BLUE LINE』(HOOD SOUND/Village Again)、SAYの2011年作『Virgo』(EMI Music Japan)、A-1の2011年作『NEVER MIND』(MS)、山口リサの2012年作『LOVE & PRIDE』(plusGROUND)、CIMBAの2012年作『LAST MAN』(KSR)、JOYSTICKKの2012年作『Antikythera』(Pヴァイン)、DJ MUNARIの2012年作『OVER DOZE MUZIK』(Gekokujo NYC)、DJ MAYUMIの2012年作『BERRY JAM COLLABORATION』(ユニバーサル)、レイザーの2012年作『Love Is Love』(STAR BASE)、KJIの2012年作『GH -G.CASTLE-』(MS)

 

 

 

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2012年12月26日 12:30

更新: 2012年12月26日 12:30

ソース: bounce 351号(2012年12月25日発行)

文/出嶌孝次

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