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インタビュー

フジファブリック “Small World”



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[ interview ]

素晴らしい疾走感、突き抜ける昂揚感、そして新たな旅立ちを促す希望のメッセージに胸が高鳴る。フジファブリックのニュー・シングル“Small World”は、TVアニメ「宇宙兄弟」のオープニング・テーマとして、すでに1月からオンエア中のナンバー。

優れたメロディーメイカーである山内総一郎(ヴォーカル/ギター)、イマジネーション豊かな言葉を紡ぐ加藤慎一(ベース)、スペイシーな音色のキーボードを弾きまくる金澤ダイスケと、3人の才能が等しく並び立ち、一丸となってとびきりポップかつ情熱的なサウンドを奏でる――これが3人体制となって最大の魅力だ。3月6日にリリースされるニュー・アルバム『VOYAGER』に先駆けて、さらに期待高まる自信作の登場!



イメージだけで曲を作ってる



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――これ、「宇宙兄弟」ありきの曲ですか。それとも曲が先にあった?

山内「曲のモチーフは、一昨年の暮れに作ったデモのなかにありました。その時期のデモからシングルになったのは“徒然モノクローム”と“流線形”ですけど、この“Small World”の原型もすごくいいなと思っていたんですよ。それで『宇宙兄弟』の話をいただいた時に、曲調やサウンドの持つ始まり感、突き抜け感、浮遊感がぴったり合うんじゃないか?と思って、この曲に決めました」

――アニメの内容に寄せる……という感じではなく、自然な形で。

山内「そうです。だからこの曲に対してすごく悩んだ、ということはないです。歌詞も、原作のマンガのストーリーが本当に夢のあるもので、どちらかというと大人が勇気をもらえるような内容なので、曲にぴったりだなと思って書きました」

――その、歌詞を書いた加藤さん。言葉選びはどんなふうに?

加藤「何となく原作は踏まえてるんですけど、モロにそれではなく。どこか共通したものがあるかな?と思ってざっくりと書いていったら、〈だってさ世界はちっぽけなんだもの/無限のイメージ〉というフレーズが出てきて、それを広げていった感じです。〈ちっぽけな世界〉というのはこの世界のことでもあり、自分のなかの世界のことでもあるんですけど、〈だからこそたくさんイメージができるんだよ〉という意味を込めてます」

――曲調やアレンジ的には、どのへんがポイントでしょう。

金澤「宇宙の感じと、シンセの感じというのは、なぜかわからないけどリンクしますよね。そこに気を遣いつつ、ピアノとギターも効いているというバランスが、サウンド的には大事なところです。でもやっぱり、この〈ズンズク、ズンズク〉と進んでいく感じが、いちばんのポイントでしょうね」

――この〈ズンズク、ズンズク〉っていうリズム、何か名前があるんでしたっけ。昔からロックでよく使われる躍動的なリズムですけど。

山内「すごい速いシャッフルみたいな感じにも聴こえるし、メタルみたいな感じもあるし。自分的には〈ELOビート〉みたいなイメージをすごく持ってます」

――あー、なるほど! ELOにありそうですね。

山内「すごく意識していたわけじゃないですけど。ELOもちょっと、スペイシーなところがあるじゃないですか?」

――思いっきりスペイシーでしょう。ジャケットからして(笑)。

山内「宇宙船がドーン!みたいな、そういうイメージはありましたね。キラキラした感じで。あと、広がりを表すためにピアノがすごく活きていると思います。本当にどこまでも広がるようなサウンドにしたかったので」

――メロディーも、サビ終わりの最後の音がいちばん高いですね。

山内「そうです。曲中に何回か出てくるんですけど、最後がいちばん伸びやかなところかもしれない」

――いちばん高い音へ向けてどんどん上昇し続けていくように聴こえるんですよね。

山内「まさにそのイメージですね。本当に、イメージだけで曲を作ってるなということがよくわかります(笑)。上手く言えないですけど、メロディーを作った時には、力ずくで上に持ち上げるというよりは上に放り投げるぐらいのイメージで作ったんですよ」

――宙に浮かばせるみたいな?

山内「そういうイメージがありました。上に放り投げて、あとはその放り投げた物の動き方で自由になる……という感じ。そういう歌が歌いたいなと思ったんですね」



カテゴリ : .com FLASH!

掲載: 2013年01月30日 18:00

更新: 2013年01月30日 18:00

インタヴュー・文/宮本英夫