ゆったりとサウンドの変遷を続けてきたボノボのディスコグラフィー
『One Offs... Remixes & B Sides』 Tru Thoughts(2002)
初作『Animal Magic』(廃盤)に続いたのは、トゥルー・ソーツへの置き土産となった編集盤。“Scuba”など最初期のEP曲のほか、当時のレーベル仲間であるクァンティックやジョン・ケネディのリミックスも収録。
『Dial 'M' For Monkey』 Ninja Tune(2003)
ニンジャに籍を移してのこの2作目で、向こう10年に渡るアーティスト・イメージを早くも確立。トリップ・ホップの後ろ髪を引くビートが漂うなか、アンディ・ロスのフルートも荒ぶるディープ・ファンク“Pick Up”がフレッシュだ。
『Solid Steel Presents Bonobo: It Came From The Sea』 Ninja Tune(2005)
ニンジャの人気シリーズの一環として、初の公式ミックスCDを発表。自曲を交えながら新旧ジャズとジャズ〜ファンク系ブレイクビーツをクロスオーヴァーした流れは妙にトゥルー・ソーツっぽい?
『Days To Come』 Ninja Tune(2006)
ループの基礎となる部分をほぼ己の楽器演奏で賄い、ホーンズやストリングスも迎えて、生音を活かす作法へと一気に転じた3作目。4曲で招いたシンガー/詩人のバジカやニンジャ仲間のフィンクという声の動員も大きな変化だった。
『Black Sands』 Ninja Tune(2010)
バンド・セットのライヴDVD「Live At Koko」発表を経て、アレンジの幅を広げながら前作の制作メソッドを深化させた一枚。不思議なアンビエンスを湛えたアンドレヤ・トリアーナの歌唱とオーガニックなビートの絡み合う様がひたすら快感。
『Black Sands Remixed』 Ninja Tune(2012)
ラパラックスやフォルティDL、フローティング・ポインツら俊英を多数起用したリミキシーズ。マシーンドラムが幽玄ジューク化した“Eyesdown”など刺激の連続で、ボノボが変容するための触媒になった重要作と言えそうだ。
カテゴリ : インタビューファイル
掲載: 2013年04月09日 20:30
更新: 2013年04月19日 12:40
ソース: bounce 353号(2013年3月25日発行)
ディスクガイド/出嶌孝次