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インタビュー

ダークでヘヴィーな世界への入り口はここにも……



本文におけるRUKIの発言が示すように、the GazettEはヘヴィーかつダーク、そしてハイブリッドな音世界が身上。ここ数年の日本のラウド・ロック・シーンはMAN WITH A MISSIONやCrossfaith、Fear, and Loathing in Las Vegasなど、激しいながらも開放的でトランシーな昂揚感を併せ持つ、ピコリーモ~エレクトロニコアを経由した新世代の台頭が目立つように思うが、その一方で、the GazettEと同じく多様な音楽性をクロスさせながら妖しい闇を滲ませる良作も、この春夏で続々と登場している。

まずV系では、インダストリアル×ラテン・ハウスな冒頭から背徳的なエロティシズムを振り撒くD'ERLANGERの『#Sixx』と、SCREWの『SCREW』。後者は重量感あるサウンドへの効果的な同期の配し方がthe GazettEに通じる。また『EXODUS-EP』を発表したlynch.は、ハードさをビルドアップしたうえで〈ダークな世界観に改めて向き合った〉という。途轍もない重さと瞬発力、UKロック風の浮遊するギターとのコントラストで魅せるエクストリームなサウンドが圧巻。リフも含めたリズム/グルーヴの強化と電子音の採用で荘厳なスケール感を演出したcoldrainの『THE REVELATION』も、沈み込むような重厚さを纏った仕上がりだ。スクリーモ界隈の新人では、ダブステップの導入で深遠さを増したTRANSLATIONSのミニ・アルバム『STORM CHASER』の憂いある空気感が良い。そして最後は、極悪なヘヴィーネスを自在にバウンスさせるSiM。彼らも〈邪悪〉と題したシングルのジャケットや、〈インターネット社会〉と〈嘘〉をテーマにした2曲のMVに仕掛けを施し、秋に控えるフル作への入り口を設けている。



▼関連盤を紹介。
左から、SCREWの2013年作『SCREW』(徳間ジャパン)、lynch.の2013年のEP『EXODUS-EP』(キング)、coldrainの2013年作『THE REVELATION』(バップ)、TRANSLATIONSの2013年のミニ・アルバム『STORM CHASER』(GO WITH ME)、SiMの2013年のシングル『EViLS』(ユニバーサル)

 

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2013年08月27日 20:30

更新: 2013年08月27日 20:30

ソース: bounce 358号(2013年8月25日発行)

文/編集部

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