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インタビュー

モーニング娘。 『わがまま 気のまま 愛のジョーク/愛の軍団』



風向きの変わる瞬間を捉えたニュー・シングルがいつにも増して最高すぎる! ついに時代が追いついた? どっちにしろ、この10人の勢いはもうジョークじゃないよ!



モーニング娘_A
後列左から:鈴木香音(9期、98年生まれ)、石田亜佑美(10期、97年生まれ)、工藤遥(10期、99年生まれ)、道重さゆみ(6期、89年生まれ:リーダー)、
飯窪春菜(10期、94年生まれ:サブリーダー)、佐藤優樹(10期、99年生まれ)、生田衣梨奈(9期、97年生まれ)、
小田さくら(11期、99年生まれ)、鞘師里保(9期、98年生まれ)、譜久村聖(9期、96年生まれ:サブリーダー)



前回のbounce登場は昨年の夏、『One・Two・Three/The 摩天楼ショー』のリリース直後でした。ちょうど50枚目という記念すべきタイミングであり、道重さゆみにリーダーのバトンが渡されて最初のシングルというトピックもあった同作ですが、それを境にモーニング娘。への風向きがあきらかに変わった……と感じている人は、ファンならずとも多いことでしょう。その後、今年に入ってからのシングル2枚、“Help me!!”と『ブレインストーミング/君さえ居れば何も要らない』を立て続けにNo.1に送り込み……というところで、ニュー・シングル『わがまま 気のまま 愛のジョーク/愛の軍団』がリリース! 今回は道重とサブリーダーの譜久村聖、そして歌唱面をリードする鞘師里保の3名を直撃しました!



新しい一歩を踏み出せてる

——今回は田中れいなさんが卒業されて10人体制での初リリースになります。

道重「卒業は慣れっこなので、それはそういうものだと思っていて。流石にれいなは同期なので寂しくなくはないんですけど、れいながいなくなったことで後輩たちががんばってるのも目に見えてわかるし、モーニング娘。が新たな一歩を踏み出せてるなって感じるので、寂しいと思う時がないんですよね。それより自分の年齢が気になります(笑)」

鞘師「田中さんが卒業して、みんな緊張感を持つようになったかなって思うんです。以前はコンサートの楽屋もかなりワチャワチャしていて、いまもそういうところはあるんですけど、そういう楽しい雰囲気のなかでも緊張感みたいなものは常に持っている感じですね、みんな」

譜久村「私はいままで田中さんが歌っていたパートを歌わせてもらってたりするんですけど、やはり田中さんの歌の印象はファンの皆さんにも強くあるでしょうし、田中さんは〈田中れいな!〉っていうものを歌に出してたので、私も〈譜久村聖!〉っていうものを出さなきゃって、いろいろ考えながら歌うようになりましたね。私、お母さんから〈聖の歌は繋ぎのパートでしかない〉って言われたことがあって、それがすごく悔しかったから、いまは自分の個性というか、自分のパートを素通りさせないような歌い方を心掛けてます」

——で、つんく♂さん言うところの〈ダンサブルでかっこいいモーニング娘。〉シリーズというわけで、まずは“わがまま 気のまま 愛のジョーク”から。コンサートではすでに歌われてますよね?

道重「サビの〈愛されたい! 愛されたい!〉っていうところはすごく盛り上がります。それに、私たちが〈愛されたい!〉って歌って、ファンの皆さんも〈愛されたい!〉って、同じことを叫び合ってるのが、ふと客観的に見るとすごくおもしろくって。どこまで一方通行なんだろうって(笑)」

譜久村「私は、歌い方の感じが変わったねって言ってもらえたのがすっごく嬉しかったんですよ。こういうふうに歌いたいっていうのがいつも自分のなかにあるんですけど、この曲はいつもより満足いく形でできたんじゃないかなって思います。それに、2コーラス目の最後の〈愛されたーい♪〉っていうところを任せてもらえたときはすごく嬉しくて」

鞘師「ウィスパー気味で歌うところがあったり、Aメロでは優しく囁くようなニュアンスで歌ったり、自分的にはそのあたりが苦戦したところでした。私、歌に力が入り過ぎちゃうことがあったんですけど、最近ちょっとずつラクに歌えるようになってきて。いまの自分の最大限の力を出せた曲かなって思います」

道重「ホントに、みんな成長してるなってすごく感じます。レコーディングの時に飯窪春菜ちゃんの歌録りをそばで聴いてたんですけど、すごくしっかりした声になってて、いつの間に!って。後輩の成長を歌で感じられるのがすごく頼もしいし、嬉しいですね」



自分たちのことを歌った曲

——一方の“愛の軍団”はサックスを絡めたリフがヒジョーにカッコ良くて!

道重「これ、クセになる曲ですよね、歌詞もイイですし。初めて歌詞を読んだときに、〈愛の軍団=モーニング娘。〉なんだろうなっていう感じがしたんです。モーニング娘。が好きっていう気持ちで集まってきて、歌詞のように最初は何をしていいのかわからなかったけど、やっていくうちに自分のがんばりどころとか使命感が見えてきて……10年前からの自分の姿が走馬灯のように巡ったというか(笑)」

譜久村「私もみんなのことを歌ってる曲だなって感じて……初めて9期メンバーの3人と会った時のこととかを、走馬灯のように思い出しました(笑)」

鞘師「共感してくれる方も多そうだと思ったのは〈世間を知らず 街を飛び出し ここで暮らす今 いつの間にやら ふるさとのような温もりを感じてる〉っていう歌詞です。私も広島から東京に出てきて、地元の友達と会えなくて寂しくなる時期もあったのが、いまではメンバーといる時にいちばん心が落ち着くなって感じるようになったので、すごくビビッときました」

——5人ずつで歌われるカップリング曲についても触れておきましょう。道重さんと譜久村さんは“坊や”という曲で。

道重「最初に“坊や”ってタイトルがすごく衝撃で(笑)、早く聴きたい!って思いました。で、タイトルだけだとおもしろ系かなって思ったんですけど、かっこいいダンス曲になっていて。歌詞はお姉さん的な感じで、男の子と駆け引きしてる感じがおもしろいですね」

——譜久村さん的には結構オトナな歌詞ですよね?

譜久村「そうですね。でも、自分以上に佐藤優樹ちゃんや工藤遥ちゃんが歌ってるのところは想像しにくいですし、〈坊や〉って歌ってる2人を想像したくない(笑)」

——一方、鞘師さん参加の“ふんわり恋人一年生”は、ヒップホップ的な感じで。

鞘師「生田衣梨奈ちゃんと石田亜佑美ちゃんがラップで、私と鈴木香音ちゃんと小田さくらちゃんの中三トリオがメロを歌ってるんですけど、ラップの部分が男の子目線なのかなとも思えたり、女の子目線でもおかしくないなとか、男の子も女の子にも身近に感じてもらえる内容だなと思いました。歌ってる3人もそれぞれの個性をしっかり出せてる曲だと思います」

——ところで、最近のモーニング娘。の楽曲は、エディット要素が強くなっていることもあって、完成してからの驚きも大きいんじゃないかと思うんです。

道重「出来上がったのはメンバーといっしょに聴いたりするんですけど、みんな〈わぁ、すごい! こうなるんだ!〉みたいな。もともと聴いていたデモよりものすごくかっこよくなってるので、みんなでテンション上がってます(笑)」

鞘師「“愛の軍団”のイントロは道重さんの声を素材にしていたり、アクセントになる部分でメンバーの声を加工した音を使ってたりするので、出来上がりが楽しみになるし、聴いてみてうわっ!となるんですよね」

——ヴォーカルの面でも、よりテクニカルな部分を要求されるんじゃないですか?

道重「音程とかももちろん大事なんですけど、つんく♂さんの仮歌を徹底して聴くことがまず大事なんですよ。つんく♂さんの歌ってる感じがたぶん正解なので、それをとにかく身体に入れてレコーディングに臨むっていう」

——下準備をバッチリ整えて、実際の歌録りはサクッと終わらせるという。

道重「そうでもなくて、いまでも音程とかめちゃくちゃ言われますけどね(笑)」


カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2013年08月28日 18:00

更新: 2013年08月28日 18:00

ソース: bounce 358号(2013年8月25日発行)

インタヴュー・文/久保田泰平