そして……『わがまま 気のまま 愛のジョーク/愛の軍団』
そんなこんなのプロセスを経て、ミチシゲ☆イレブンから10名体制になった道重軍団としてのファースト・リリースは、“わがまま 気のまま 愛のジョーク”と“愛の軍団”が両A面を飾った通算54枚目のシングルです。いずれのリード曲もMV先行で話題ですが、まず“わがまま 気のまま 愛のジョーク”は文句ナシの起爆力を備えた即効性のあるダンス・チューン。“恋愛ハンター”をヴァージョンアップした作りとも言えますが、ベースのドロップ自体が世界的に普通になっている現在、そのウワモノとしての機能だけに力点を置くのではなく、ボトムの展開もずっしり重たく同期しているのがカッコ良さのポイントではないでしょうか。また、道重も前頁のインタヴューで話しているように、単純明快にシンガロングできるフックの存在も、多くの聴き手を惹き付けることでしょう。
一方の“愛の軍団”は、つんく♂がJuice=Juice曲でも試みていたルーマニアン・ポップ(インナやアレクサンドラ・スタンなど)由来のサックスで牽引するアレンジの〈歌いっぷり〉がまず印象的。こちらも即効性は十分ですが、ヒロイックなメロディー展開とも絡む構成の妙は、聴くほどにハマるタイプの楽曲と言えるのかもしれません。力強い歌詞の世界も前頁のインタヴューで語られている通りです。
なおカップリングは3曲。初回限定盤のA・B・CにはどこかSFっぽい冒険ムードが勇ましい全員歌唱の“負ける気しない 今夜の勝負”を収録。限定盤Dと通常盤Aには、つんく♂一流の明菜マナーが端々に滲んでくるキュートな姉御肌ポップ“坊や”を収録。そして、限定盤Eと通常盤Bには大ぶりなシンセをあしらったAKIRAのアーバンなアレンジが冴えた、ラップ入りの“ふんわり恋人一年生”が収録されています!!
▼8月28日にリリースされるモーニング娘。のニュー・シングル『わがまま 気のまま 愛のジョーク/愛の軍団』(zetima)
左から、[初回生産限定盤A]、[初回生産限定盤B]、[初回生産限定盤C]、[初回生産限定盤D]、[初回生産限定盤E]、[通常盤A]、[通常盤B]