インタビュー

ARCTIC MONKEYS 『AM』

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先入観なしで聴いてほしい、骨太のギターリフと地を這うベースの凄まじい重低音が耳を襲う至福の5thアルバム!

 

 これが本当に彼らなのか!!?と一瞬戸惑ってしまうくらいの規格外のモンスター・アルバムとともにアークティック・モンキーズが帰還した。前作から約2年を経て発表される5枚目のアルバムは、スタートボタンを押した途端にストーナーロックの影響が垣間みられる骨太のギターリフと地を這うベースの凄まじい重低音が耳を襲う。・・なんたる至福!!これは2009年発表の3rdアルバム『ハムバグ』で模索していたものを、4年の歳月を経て完全に自らの肉体に血肉化したと言ってもいいのかもしれない。ボーカルのアレックス・ターナーが生み出す甘いマスクの叙情的なメロディーラインとも鳥肌が立つほどに親和性が高く、今回のサウンドは完全に<自分たちのペース〉に持って行ったのがわかる。

 元々肝の据わったバンドだが、今作はもう清々しいまでに突き抜けてしまったようだ。今作は前作に続きプロデューサーとしてシミアン・モバイル・ディスコのジェームス・フォードに加え、共同プロデューサーとしてロス・オートンが参加。さらにクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジのジョシュ・ホーミ、元ザ・コーラルのビル・ライダー・ジョーンズ、エルヴィス・コステロのバックでドラムを務めているピート・トーマスがゲストとして脇を固めている。また、70年代から活躍する詩人のジョン・クーパー・クラークが歌詞で参加していることも興味深い。実に渋いメンツが脇をしっかり固めることで、このアルバムの輪郭が浮き彫りになっている。特に『ハムバグ』ではプロデューサーに徹していたジョシュ・ホーミのゲスト・パフォーマーとしての参加は意義深いものではないだろうか。

 ぜひ今作は、今までアークティック・モンキーズを聴いてこなかったリスナーにも先入観なしで聴いてほしい。自分たちの限界を定めずに己の道を突き進んでいく姿は、単純にメインストリームのバンドとして認識するだけでは余ある存在であることを、今一度再認識してほしい。

 

■ALBUM…『AM』 now on sale!!

■song list
1. Do I Wanna Know?
2. R U Mine?
3. One For The Road
4. Arabella
5. I Want It All
6. No. 1 Party Anthem
7. Mad Sounds
8. Fireside
9. Why'd You Only Call Me When You're High?
10. Snap Out Of It
11. Knee Socks
12. I Wanna Be Yours
13. 2013(ボーナストラック)


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掲載内容:2013/9/10号掲載

掲載: 2013年09月09日 18:00

ソース: 2013/9/10

TEXT:木村望