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インタビュー

Ryu Miho



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セクシーなウィスパー・ヴォイス、懐かしい曲にも、オトナはため息

昨年、アルバム『...and you will find me』をリリースし、豊かな倍音を含む芳醇な歌声と、ジャジーでポップな音楽性で幅広い層を魅了したRyu Miho。徳永英明の作詞なども手掛ける秋谷銀四郎をプ ロデューサーに迎えた新作『Because the Night... 』は、8曲のカヴァーと4曲のオリジナルで構成されている。

アルバム・タイトルにもなっているパティ・スミスの代表曲の他、10ccの《I’m Not in Love》、シンディ・ローパーの《True Colors》、TOTOの《Africa》など、カヴァーの選曲は幅広く、時代やジャンルもさまざま。100曲以上あったという候補から、Ryuがしっくりくる曲を厳選したという。

「好きな曲はたくさんあるんですけど、歌詞を読んで、口ずさんでみて、その世界に自然に入り込めるものを選びました。ライヴで何度もやっているレパートリーでも、メロディに溶け込めないものや、今自分が歌うべきものじゃないって思う曲は外したんです。カヴァーであっても自分の表現として成立するように、自分にフィットするキーやリズムを何度も何度も試して歌いました」

アルバムには、クリヤマコト(key)、小沼ようすけ(G)、ハクエイ・キム(P)のようなジャズを知り尽くす名手から、サザンオールスターズのサポートを務める高橋結子(Per)やAKB48に曲を提供している和泉一弥(G)など、J-POP畑のプレイヤーまで、多彩で豪華な面々が参加。「意外性のある演奏も聴かせたかった」という秋谷の提案で、ハクエイ・キムが珍しくフェンダー・ローズを弾くなど、瞠目すべき点は多数。Ryuも彼らの緊迫感溢れる演奏に触発され、「より感情を豊かに表現することができた」という。普段から「歌うことと“語ること”を同じように捉え」ている彼女のヴォーカルは、実際、ささやきや溜息のようなニュアンスも込められている。

かつてはヴァン・ヘイレンを愛聴し、レッド・ツェッペリンやエアロスミスのカヴァーを歌っていたRyuの奥底には迸るロック・スピリットがあり、カヴァーではそれが表出する瞬間も度々。一方、オリジナルは比較的穏やかでポップで耳ざわりが良い。ただし、 「オリジナルとカヴァーを特に分けて考えていない」と秋谷が語るように、本作ではどちらも“Ryu Mihoの歌”として成立してい る。YouTubeでジャズのスタンダードも最新のJ-POPもフラットに“いい曲/いい歌”として享受するような感性にフィットする、そんなアルバムとも言えるだろう。



LIVE INFORMATION


『Ryu Miho「Because the Night…」CD発売記念 ~Singin’ Voyage~』

○10/12(土)ラジオの文化祭in なかのじょう(FM群馬生放送LIVE)
○10/14(月・祝)学芸大学珈琲美学
○10/18(金)谷津エルコラソン ほか
http://bos-artists.com/ryumiho



カテゴリ : インタヴュー

掲載: 2013年10月17日 10:00

ソース: intoxicate vol.106(2013年10月10日発行号)

interview&text :土佐有明

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