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インタビュー

奇妙トラベルで小躍りしているアナタ、こんな大所帯バンドでも騒いでみませんか?



奇妙礼太郎トラベルスイング楽団をはじめ、大所帯バンドには特有の昂揚感があるし、特にライヴでその祝祭感覚に魅せられる人も多いだろう。東京スカパラダイスオーケストラやYOUR SONG IS GOODらお馴染みの面々はもちろん、多様な音楽性を持った、いっしょに歌えて踊れるバンドがまだまだいるので、ここでご紹介したい。まずは今年デビュー30周年という大ヴェテランの吾妻光良&The Swinging Boppers。総勢13名から成る奇妙トラベルと同じビッグバンド・スタイルで、とびきり愉快なジャンプにジャイヴ、ブルース、カリプソを聴かせてくれる。スウィンギーなサウンドに揺られていると、日常の些細な幸福や悲哀が描かれた歌詞がスッと入ってきて、知らず知らずのうちに涙が溢れそうになってしまう。楽しく騒がせながら考えさせる、そんな芸当をサラリとやってのける彼らの最新作『Senior Bacchanals』はまたもや傑作だ。また、笑って泣けるという点では、浜野謙太率いる在日ファンクも負けちゃいない。この世界の怖さやエグさをユーモラスに切り取った歌詞、JBマナーのファンク・サウンドに乗せて解き放つ痛快なパフォーマンスは、一見の価値あり。

そして、東北地方の伝統音楽にレゲエやロックなどを掛け合わせたパーティー・ミュージックをクリエイトするアラゲホンジ、世界各国の民族音楽も呑み込んだカオティックな音を構築するTURTLE ISLANDといった真摯にジャパニーズ・グルーヴを追求する〈ザ・お祭りバンド〉にも注目! 盆踊りの輪の中にいるような、日本人なら問答無用に血が沸き立つ楽曲揃いだ。

さらに、強烈なリズムの渦を巻き起こす日本屈指のアフロビート集団、KINGDOM☆AFROCKSも忘れちゃいけない。最新作ではトニー・アレンとコラボしたことも話題だが、アフロビートに根差しながらも独自のサウンドを生み出している姿勢は実に誇らしい。ライヴでのトランシーな展開も、本場のバンド以上のものがあるのでぜひ体感してほしい……けどしばらくライヴ活動休止だとか。最後は奇妙トラベルも縁の深いレーベル、WAIKIKIが送り出したカツマーレー&The SOUL KITCHEN。ピースフルなヴァイブスで、かつてのYSIGにも通じるトロピカルなミクスチャー・サウンドには自然と笑顔がこぼれるはずだ。大いに騒いで踊って笑う門には福が来るってこと!



▼文中に登場したアーティストの作品を紹介。
ジャケは登場順に、吾妻光良&The Swinging Boppersの2013年作『Senior Bacchanals』(HOT RIVER)、在日ファンクの2012年作『連絡』(Pヴァイン)、11月13日にリリースされるアラゲホンジのニュー・アルバム『たからかぜ』(GLOCAL)、TURTLE ISLANDの2013年作『空空神々-kalakala Kankan-』(microAction)、KINGDOM☆AFROCKSの2013年作『Radioidiot』(Gumbo Groove/PLANETGROOVE/Village Again)、カツマーレー&The SOUL KITCHENの2013年のシングル“ピースな愛のバイブスでポジティブな感じ、なう!”(WAIKIKI)

 

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2013年11月20日 14:55

更新: 2013年11月20日 14:55

ソース: bounce 360号(2013年10月25日発行)

文/桑原シロー

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