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インタビュー

16歳がときどき時代を変える



〈Age Ain't Nothing But A Number〉と歌った人もいたし、必ずしも固有の年齢が〈One In A Million〉な存在感に繋がるというわけでもないのは前提として。また、〈○歳ならではの表現〉〈○歳とは思えない表現〉など、音楽の生まれる背景を音楽の評価に繋げすぎた論じ方が時に危険だと痛感した人も多かろう時期であることも前提として。さらに、ティーン=等身大の表現というステレオタイプの空虚さや、歌い手がすべて一人称的な表現をすべきなのかという疑問が拭えなかったりするのも前提として……それでも、年齢がいろんな意味でアドヴァンテージになるのは間違いないし、その表現から他の年齢では生み出し得ない瑞々しさが溢れてくることがあるのもまた事実だろう。

16歳という年齢でまず思い出されるのは、かの『First Love』を発表した当時の宇多田ヒカル。当初は年齢とセットにして話題を撒いた部分もあったはずだが、その後の彼女自身が才能を以て安易な形容をブッ飛ばしてきたのはご存知の通りだ。日本でいうとGOKU GREENも16歳でアルバム・デビューしたし、ラッパー繋がりではLLクールJも同様。ロードと同じ女性シンガーでは、ジョス・ストーンやテイラー・スウィフトのデビュー時がそうだったし、バンクーバー五輪の開会式で歌って世界デビューした時のニッキー・ヤノフスキーも16歳だった。いずれにせよ、若さゆえに手に入れた地図を見失わなければ、その才は年齢以上のものを証明してくれることだろう。17歳のロードも楽しみだ。



▼関連盤を紹介。
左から、宇多田ヒカルの99年作『First Love』(ユニバーサル)、GOKU GREENの2012年作『HIGH SCHOOL』(BLACK SWAN)、LLクールJの85年作『Radio』(Def Jam)、ジョス・ストーンの2003年作『The Soul Sessions』(S-Curve/Virgin)、テイラー・スウィフトの2006年作『Taylor Swift』(Big Machine)、ニッキー・ヤノフスキーの2010年作『Nikki』(A440/Decca)、ジャスティン・ビーバーの2010年作『My Worlds』(RBMG/Island)

 

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2014年02月26日 18:00

更新: 2014年02月26日 18:00

ソース: bounce 364号(2014年2月25日発行)

文/若人ひろみ

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