欅坂46、さらなる前進誓った東京ドーム2デイズに10万人が集結
撮影:上山陽介
欅坂46による東京ドーム・ワンマン・ライヴが、9月18日、19日の2日間にわたって開催された。
同ワンマンは、全国4都市で開催された「夏の全国アリーナツアー2019」全公演完売を受けて追加公演として行われたもの。デビュー4年目で挑んだ大舞台で彼女たちは、ドームならではの仕掛けやこれまでの集大成とも言える熱のこもったパフォーマンスで集まった10万人の観客を楽しませた。
使われなくなったジェットコースターの破片やいくつもの車が無造作に積まれたメイン・ステージに最初に登場したのは、怪我のためツアーへの参加は一部楽曲のみとなっていた平手友梨奈。歓声が広がると同時に彼女が歩きだすと、道端の電飾に明かりがつきはじめる。一挙一動を見逃すまいと観客が見守るなか、平手はステージ上段に置かれたピアノの前へ。彼女が一音を鳴らしたのを合図に“OVERTURE”がドームいっぱいに鳴り響き、5万人の大合唱とともにライヴの幕が上がった。
真っ赤な衣装に身を包んだメンバーがステージ上段にゆっくりとせり上がってくると、1曲目“ガラスを割れ!”がスタート。炎が吹きあがるなか、グループ屈指のロック・チューンで序盤から場内の熱気を急上昇させる。気迫のこもったダンス・トラックを挟み、レーザー・ビームが飛び交う“語るなら未来を…”をクールに披露したあとは、スクリーンに表示される様々な交通標識とシンクロしたダンス・トラックのパフォーマンスで観客を引き付けていく。朝目覚めてから学校や会社へ行き、帰宅するまでのありふれた日常のルーティンをダンスで描き出していた彼女たちだが、時計の針が24時を指すと、メイン・ステージから伸びる花道へと一斉に駆けだした。そのまま十字に広がった花道で“Student Dance”を歌いだすと、場内に怪しげなムードが満ちていく。スクリーンには平手が手にしたスマートフォン越しに見えるステージや客席の様子がリアルタイムで映し出され、花道の中心に設置されたセンター・ステージではメンバーを包囲するように噴水が高く上がり、楽曲の世界を彩った。
続くダンス・トラックでは平手がソロで登場し、ピアノの上で軽やかに跳ねたり寝そべったりと繊細な表現を紡いでいく。鍵盤を踏みつける強烈なラストから“エキセントリック”に繋げると、メンバーは曲中にメイン・ステージからセンター・ステージへと一瞬で移動するパフォーマンスで観客を驚かせた。MCではキャプテンの菅井友香が「ついにツアーも千秋楽、欅坂46が東京ドームにやってまいりましたー本当にありがとうございます! こうしてみなさんの姿を見させていただくと、これだけの人がライヴを見たいと思ってくれてるんだなといま実感して本当にありがとうございます。」とドーム公演開催の喜びとファンへの感謝を述べた。続いて佐藤詩織は「昨日待ちに待った東京ドームに立って改めて実感しています。おみたて会から始まってこうしていると感慨深くて、恵まれているなと感じました。」副キャプテンの守屋茜は「本当にこうした場所に立てるなんて感無量ですし“ガラスを割れ!”の時の目の前が真っ赤な感じを見て初めて実感が湧いてきて本当にありがたいです。」とそれぞれの想いを述べた。
2期生のメンバーも田村保乃は「全部出し切るので、見てくださると嬉しいです」、森田ひかるは「(欅坂46のメンバーとなって)1年経って東京ドームでライヴができるなんてすごいこと。一生忘れられないことだと思うので、皆さんと思い出を作って楽しめたらと思ってます。」、山﨑天は「「サイマジョ」を見てからこうなりたいと思ったけど、今は入った後の方が欅が好きです」、松田里奈は「たくさんいろんなことを経験させてもらってます。応援してくださる皆さん、1期生、スタッフさんのおかげですけど、まだまだ未熟なので皆さんのお力を借りるかと思いますが、よろしくお願いします!」とそれぞれの思いや意気込みを語った。
疾走感たっぷりの爽やかなナンバー“世界には愛しかない”では、歌詞にも登場する歩道橋のセットが舞台に現れる。白を基調とした楽曲のオリジナル衣装に身を包んだ彼女たちは、ミュージック・ビデオで披露した傘を使ったダンスを再現してファンを喜ばせた。ユニット曲“青空が違う”では菅井と渡辺梨加、守屋茜、渡邉理佐がそれぞれ気球に乗り込み、観客の近くへ。コールを煽ったり手を振ったりしながらスタンドを一周した彼女たちは、「ありがとう!」と笑顔を弾けさせた。
続く“バレエと少年”では、学業のため休業し、7月にグループに復帰したばかりの原田葵を中心にファンタジックなステージングで観客を魅了。スクリーンいっぱいに青空が映し出された“制服と太陽”では、スカートをはためかせて穏やかな歌声を届けた。イントロから会場が色めき立ったのは“二人セゾン”。微笑みながら花道を颯爽と歩く彼女たちに大きな歓声が上がり、平手のしなやかなソロ・ダンスに会場中が沸いた。噴水に包まれた幻想的なセンター・ステージでは“キミガイナイ”が切なく歌い上げられ、ファンは欅坂の多彩な表現を楽しんだ。
水滴の落ちる音とともに、メイン・ステージのスクリーンには巨大な森が浮かび上がった。メンバーがおもむろに舞台上に座りこむと、“もう森へ帰ろうか?”が流れ始める。スモークが焚かれるなか、無機質な表情で一糸乱れぬダンスを繰り広げる彼女たち。客席のコールは自然と止まり、会場中が楽曲の世界に没頭するかのようにシリアスなムードに包まれた。“僕たちの戦争”で再び観客のテンションをぐっと高めると、“結局、じゃあねしか言えない”では自転車に乗ってアリーナの客席間を疾走し、温かな空気を生み出す。
MCコーナーでは再び2期生が登場。武元唯衣が自分たちにとって欅坂46はどういう存在かと投げかけ、関有美子は「欅の儚さがすごい好きで、強い曲ももちろん背中を押してくれる曲もあるなって思います。“二人セゾン”が1番好きです」と答えた。続いて松平璃子は「今回のツアーでエキセントリックに出させてもらって変わり者でもと前向きな言葉があって、その言葉に勇気をもらったり元気付けられたりしてます」、井上梨名は「メッセージ性が強くて支えてくれる。パフォーマンスも組み合わさって大好きなグループです。」、最後に武元は「“世界には愛しかない”が好きになったきっかけの曲です。すごい前向きになれて、聴きながら背中を押されて毎日学校に行ってました。」とそれぞれ欅坂46愛を語り、最後に加入して1年が経った心境を武元は「この1年だけでも少しは成長できたかなと思います! 何よりみなさん、スタッフの方、1期生の方が支えてくれました。2期生は前まではすぐ不安になって泣いたりもしていたけど、ネガティヴなことだけじゃなくて、前向きな気持ちで活動できています。チーム欅坂の力になれるようにこれからも頑張っていきます。よろしくお願いします!」と意気込んだ。
スクラップ工場の様々な破片が落ちていく映像がスクリーンに映し出されると、ライヴも後半戦へ。緑色の照明が場内を照らし、重厚感のある新制服に着替えたメンバーはデビュー曲“サイレントマジョリティー”を披露する。5万人のファンを前に力強く前を見据えて踊る彼女たちに、客席から盛大なコールが送られた。直後ステージが暗転すると、落雷の音とともに“避雷針”のパフォーマンスへ。さらに早着替えから“アンビバレント”を畳み掛けると、バルーンが客席を飛び交うなか、コール&レスポンスで会場をひとつにまとめあげていく。
その後も間髪入れずに“風に吹かれても”を披露し、ラスト・スパートをかけていくメンバー。アッパーなキラー・チューン“危なっかしい計画”では小林由依が「もっと声出せるだろ!? 私たちも全力で楽しむから、お前らもついてこいよ!」と不敵な笑顔を見せ、それに応えるように観客がドームを揺らした。本編最後に届けられたのは“太陽は見上げる人を選ばない”。巨大なミラーボールが場内に光の粒を降らせるなか、盛大なシンガロングが響き渡った。菅井が「欅坂46で本当に良かったと思ってます。また全員でここに戻ってきたいと思います。私たちに期待しててください」と真摯に想いを伝え、メンバーはステージをあとにした。
アンコールを求めて鳴り止まない「欅坂46コール」を遮るように突如として流れ出したのは、ピアノの旋律が印象的な“不協和音”のイントロだ。長らくライヴで披露されてこなかった楽曲だけに、ドームはどよめき交じりの歓声でいっぱいに。青を基調とした楽曲のオリジナル衣装を着たメンバーが登場すると、盛り上がりは最高潮に達した。熱狂の渦となった客席に鋭い視線を投げかけながら、メンバーは迫力に満ちたパフォーマンスを披露。ファンを歓喜させた。さらに最終日には、ダブル・アンコールでセンター・ステージに登場した平手がソロ曲“角を曲がる”を歌唱。5万人の視線を一身に受けながら、美しいダンスを披露し、最後は一礼でライヴを締めくくった。すべてのアクトが終わり、欅坂46のロゴがスクリーンに大きく映し出されると、観客はこの日の熱演を称えるように盛大な拍手をステージに送った。2日間にわたる東京ドーム公演を大成功のうちに終えた欅坂46。今冬には初の選抜制度による9thシングルの発売を控え、ますます目が離せない。
撮影:上山陽介
▼リリース情報
欅坂46
9thシングル
『タイトル未定』
※今冬リリース予定
DVD/Blu-ray
『欅共和国2018』
NOW ON SALE
■Blu-ray
■DVD
カテゴリ : タワーレコード オンライン ニュース | タグ : Girl's Pop Information
掲載: 2019年09月20日 17:06