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第4回 ─ ハイという名のもとに

アル・グリーンの40年を名作アルバムで振り返る

連載
IN THE SHADOW OF SOUL
公開
2005/04/14   12:00
更新
2005/04/14   19:43
ソース
『bounce』 263号(2005/3/25)
テキスト
文/出嶌 孝次、林 剛

『Back Up Train』 Hot Line(1968)
記念すべき初アルバム。ハイ契約前だけあって歌唱法は60年代マナーだし、スタックス系のサウンドはごくシンプルだが、その荒さがまた良し。現在入手可能なのはジャケ&曲順違い盤。(出嶌)

『Al Green Is Blues』 Hi/Cream(1970)
ハイでの1枚目。まだ試行錯誤の時期で、テンプテーションズやビートルズ、ガーシュウィン作のスタンダードなどを歌っているが、オリジナル曲も含めて、この初々しさは捨て難い。(林)

『Get's Next To You』 Hi/ビクター(1971)
最初の大ヒット“Tired Of Being Alone”を含むハイでの2作目。テンプテーションズの表題曲、ドアーズ“Light My Fire”などのカヴァー解釈にアルとウィリーのセンスを感じる。(出嶌)

『I'm Still In Love With You』 Hi/ビクター(1972)
大ヒットしたタイトル曲や“Love And Happiness”を含む黄金期の作品。前作同様アルの官能的なヴォーカルが全編で大活躍する。人気ネタ曲“I'm Glad You're Mine”も収録。(林)


『Livin' For You』 Hi/Cream(1973)
R&Bチャート1位を記録した表題曲をはじめ、サウンド/ヴォーカル共に洗練を極めた佳曲揃い。スピリチュアルな空気感を纏いつつ甘さも程良く、絶頂期ならではの安定作といった風情か。(出嶌)

『Call Me』 Hi/ビクター(1973)
これも絶頂期の作品として記憶される一枚。ヒットしたタイトル曲など、一本調子との批判を受けることもある作品だが、カントリーやゴスペル・ソングの独自解釈には聴くべきものがある。(林)

『Explores Your Mind』 Hi/ビクター(1974)
開放感に満ちた“Sha-La-La(Make Me Happy)”で華麗に幕を開け、ゴスペル回帰を示唆した一世一代の名唱“God Blessed Our Love”に“Take Me To The River”……と円熟味に酔う傑作。(出嶌)

『Have A Good Time』 Hi/Cream(1976)
ハイの常連ミュージシャンが抜けるなどしてサウンドに変化がもたらされた作品。とはいえ、アルの歌声は俄然勢いを増し、爽快感さえ漂わせている。70年代後期の彼を代表する一枚だ。(林)

『He Is The Light』 A&M(1985)
80年以降はゴスペル・シンガーとしてのキャリアを築いていったアルがA&Mから放った作品。ウィリー・ミッチェルと久々に再会し、〈ソウル・ゴスペル〉的なノリでアル節を聴かせる。(林)

『Your Heart's In Good Hands』 MCA(1995)
アーサー・ベイカーらが手掛けた93年の世俗復帰作を改編+α。往年のハイ・サウンド風もいいが、ディヴァンテ・スウィング制作曲などで90'sの音に立ち向かうアルが頼もしい。(林)

『I Can't Stop』 Blue Note(2003)
ホーンを含むバンド陣やコーラス隊など全盛期のハイ人脈を召集したブルー・ノート移籍第1作。ハイの空気感そのままのサウンドにシャウトを多用したヴォーカルが力強くぶつかる佳盤。(出嶌)