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第34回 ─ 永遠のファンク30発!

第34回 ─ 永遠のファンク30発!(2)

連載
IN THE SHADOW OF SOUL
公開
2008/09/11   23:00
ソース
『bounce』 302号(2008/8/25)
テキスト
文/JAM、出嶌 孝次、林 剛

11.THE BAR-KAYS
『Propositions』
 Mercury(1982)
オーティス・レディングとの飛行機事故死を免れたメンバーによって再編された新生バーケイズ。ここでの彼らにもはやスタックス時代の面影などなく、プリンス一派にも通じるアーリー80's然としたエレクトロ・ファンクを賑やかに繰り出してくる。スロウも絶品だ。
(林)

12.GRAHAM CENTRAL STATION
『Graham Central Station』
 Warner Bros.(1974)
スライの元で魔法のチョッパー・ベースを発明したラリー・グラハムが新たに結成したバンドの初作。ドゥワップからグルーヴィーな熱血ファンクに雪崩れ込む幕開けだけで卒倒できるが、リズム・ボックスを使用したクールネスも随所で光る。
(出嶌)

13.THE GAP BAND
『III』
 Mercury(1980)
音楽的な栄養価を高め、自分たちのスタイルのあり方に決着を付けた名作。“Yearnin' For Your Love”のようなメロウ・チューンも、“Burn Rubber On Me”のようなファンクも出来は完璧。90年代のR&Bシンガーから最大の憧憬を集めたチャーリー・ウィルソンの魅力も満喫できる。
(JAM)


14.KOOL & THE GANG
『Wild And Peaceful』
 De-Lite(1973)
いまもメジャーで活躍するバンドだが、この時期の彼らは粗野なビートで突貫する強力なファンク・ギャングだった。“Funky Stuff”を導入に据え、問答無用の“Jungle Boogie”“Hollywood Swingin'”へと畳み掛ける。洗練された集団に変身するのは数年後のことだ。
(出嶌)

15.FATBACK BAND
『Yum Yum』
 Polydor(1975)
名ドラマーのビル・カーティスが率いるNY拠点のダンス/ファンク・バンドが放った70年代中期の傑作のひとつ。タイトル曲を筆頭に次々と放たれるタフでラフなファンク・チューンは、ヒップホップが主役になる前のストリートの鼓動を生々しく伝えるものだった。
(林)

16.WAR
『The World Is A Ghetto』
 Avenue(1972)
チカーノたちから大きな支持を得た西海岸のミクスチャー・ファンク・バンド。力まずファンクするスロウな表題曲、ラテンやスカの匂いもする“The Cisco Kid”という2大ヒットを含むこの3作目には、陽気なようでいて仄かに哀しくもある彼らの音世界が集約されている。
(林)

17.BOOTSY'S RUBBER BAND
『Stretchin' Out In Bootsy's Rubber Band』
 Warner Bros.(1976)
JB'sを経て、Pファンク軍団のベーシストとしてグルーヴを紡いでいたブーツィーの別艦隊。クリントンと作り上げた音世界はそのままP印だが、スロウの“I'd Rather Be With You”などにおける、やたらムーディーな歌表現は彼ならではだ。
(林)

18.TOWER OF POWER
『Back To Oakland』
 Warner Bros.(1974)
リズム隊とブラス隊が一丸となって奏でるタイト&ソリッドなファンク。ベイエリアの人種混成バンドが絶頂期に残した本作は、レニー・ウィリアムズのソウルフルなテナーも熱く炸裂する、オークランド・ファンクの粋が詰まった一枚だ。バラードも泣かせる。
(林)

19.SUN
『Wanna Make Love』
 Capitol(1976)
ストイックに漆黒のファンクを求め続けたオハイオ産大型ファンク・バンドの、これがデビュー作。タイトル曲ではロジャー・トラウトマン(ザップのデビューは4年後)のトークボックスをフィーチャーしていたり、遊び心もオリジナルな着想も満開のファンク集である。
(JAM)


20.COMMODORES
『Commodores』
 Motown(1976)
ライオネル・リッチーが在籍したファンク・バンドを〈モータウンの顔〉に押し上げた必殺の一枚。“Brick House”のようなパーティー・ファンクと、“Easy”のようなリッチー作のバラードという二枚看板を掲げるスタイルは、ここで確立された。
(林)