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ドイツの名ヴァイオリニスト、パイネマンの1970-82年ベルリン・リサイタルが世界初LP化!

ベルリン・リサイタル1970・1982

ヒストリカルCDレーベルの名門WEITBLICKのライセンス企画!
本人公認の正規ライヴ録音を完全限定生産で初LP化!
LP用のアナログマスターテープを作った上で製盤、
LPならではの音の仕上がりです。
ジャケット・デザインも美しく、往年のマニア心をくすぐります!

ベルリンのSFB=RBBが放送用に録音した音源を用いている。すべて彼女が楽器を1732年製グァルネリ・デル・ジュスに持ち変えた後の演奏であり、彼女が心技とも最も充実していた1970~80年代の録音であるのが嬉しい。しかもベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第4番は彼女の初のレパートリーで、今のところ他で聴くことのできない曲目である。これらの録音に聴く彼女が描き出す旋律の極致は、濃紺明暗が細やかに変化した美妙なもので、その音楽には彼女の豊かな人間感情が投影されていて、当時流行していた「冷ややかな」演奏スタイルとは一線を画している。こうした芸風が、先にご紹介したスタインバーグ、ルドルフ、セルなど、ナチス・ドイツにヨーロッパを追われ、アメリカで活躍した指揮者たちに愛されたことは想像に難くない。(板倉重雄)
(キングインターナショナル)

【曲目】
[LP1-A]
シューマン:ヴァイオリン・ソナタ第1番イ短調 Op.105
[LP1-B]
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調 Op.100
[LP2-A]
シューベルト:ヴァイオリン・ソナタ(ソナチネ)第3番 ト短調 D.408
[LP2-B]
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第4番 イ短調 Op.23

【演奏】
エディト・パイネマン(ヴァイオリン)
ヘルムート・バルト(ピアノ)

【録音】
[LP1][LP2-A]1970年11月5日、[LP2-B]1982年6月22日/自由ベルリン放送第3ホール

エディト・パイネマン 人と芸術

流麗なテクニックと繊細な音色を駆使して旋律を陰影深く描き出す名手にして、類稀な美貌の持ち主。1960年代から70年代にヨーロッパやアメリカ、そして南アフリカで華やかに活躍し、高い評価を獲得しながら、録音が極めて少ないことで知る人ぞ知る存在となっていたドイツの女性ヴァイオリニスト、エディト・パイネマン。これはその空白を埋める極めて貴重な録音集です。

1937年3月3日、彼女はマインツで同市のオーケストラのコンサートマスター、ロベルト・パイネマンの娘として生まれました。4歳より父にヴァイオリンを学び、14歳よりハインツ・シュタンスケ(1909~96)に師事。1954年に実業家、政治家で楽譜出版社のヘンレ社の創業者でもあるギュンター・ヘンレ(1899~1979)が後援者となり、彼の支援によりロンドンに留学し、ギルドホール音楽院のマックス・ロスタル(1905~91)に師事しました。

1956年、19歳で難関として知られるミュンヘン国際音楽コンクールで優勝。審査員の一人だった指揮者のウィリアム・スタインバーグ(1899~1978)の招きで1962年にピッツバーグ交響楽団のソリストに立ち、これが彼女のアメリカ・デビューとなりました。同年、ジョージ・セル(1897~1970)が代役のソリストを探していたところ、マックス・ルドルフ(1902~95)の推薦により彼女を招きました。クリーヴランド・デビューとなったドヴォルザークの協奏曲は大成功を収め、以来、巨匠セルと彼女は深い友情で結ばれることとなります。

1964年、ケルンでベートーヴェンの協奏曲を共演したセルは、コンサート後のパーティでヘンレに、彼女により良い楽器を貸与するように勧めました。同年クリスマスの直前、セルはヴァイオリン・ディーラーに5本の名器(2本のグァルネリと3本のストラディヴァリ)をチューリヒまで持ってこさせ、ホールを借りて彼女に試奏させました。そして、セルが5本の中から選んだ1732年製のグァルネリが彼女の楽器となりました。1965年にはカーネギーホールでセル指揮クリーヴランド管弦楽団をバックにベートーヴェンの協奏曲を演奏。その後、セルが1970年に亡くなるまで、1966-67シーズンにはバルトークの第2番を、1969-70シーズンにはモーツァルトの第3番を共演しました。

1970年代に入ると演奏活動と並行して教育活動にも熱心に取り組むようになり、1976年にフランクフルト音楽・舞台芸術大学のヴァイオリン科の教授となり、クリーヴランド音楽院、インディアナ大学、ルツェルン音楽院、草津国際アカデミーなどでも教鞭をとりました。2005年にはESTA(European String Teachers Association)の最高責任者となり、2011年まで務めました。

彼女の商業録音は1965年のドヴォルザークの協奏曲とラヴェルのツィガーヌ(マーク指揮チェコ・フィル共演、DG)、1970年代録音と思われるブラームスのヴァイオリン・ソナタ全集(デムス共演、Darnok)、ヴァイオリン小品集(H.バルト共演、Classic Pick)、1988~89年のシューベルトのヴァイオリンとピアノのための作品全集(ホカンソン共演、Bayer)、1990年のレーガーの協奏曲(ハウシルト指揮シュトゥットガルト・フィル共演、Amati)、1991年のクラウスの協奏曲(ジークハルト指揮シュトゥットガルト室内管共演、Orfeo)くらいしかありません。今回のLPでの4曲を聴いても分かる通り、彼女の実力は間違いなく一級品で、その実力に比してCD、LPが少なすぎる状況です。今後も世界各地に残された彼女の放送録音の発掘、商品化を期待したいと思います。
(タワーレコード商品本部 板倉重雄)

カテゴリ : ニューリリース | タグ : 高音質(クラシック) クラシックLP

掲載: 2019年11月29日 00:00