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リナ・トゥール・ボネの新録音はラヴェル!『ムーヌへのオマージュ ~ラヴェル:ヴァイオリンのための作品集』(SACDハイブリッド)

ラヴェル

存在感たかまる名手ボネ、ほとばしる魂の歌!
ラヴェルのヴァイオリン作品に深く関わった
エレーヌ・ジュルダン=モランジュへのオマージュ
珍しいピアノ・リュテアルも登場!


近年評価が著しく高まっているスペインのヴァイオリニスト、リナ・トゥール・ボネがラヴェルの作品集をリリース。フランスの名女流ヴァイオリニスト、エレーヌ・ジュルダン=モランジュ(1892-1961) へのオマージュとなっており、これまで古楽中心のレパートリーで攻めてきたボネの新境地がうかがえる意欲作です。

エレーヌ・ジュルダン=モランジュはラヴェルから「Moune ムーネ」の愛称で呼ばれ厚い信頼をうけた人物で、『ヴァイオリンとチェロのためのソナタ』(1921)の初演を任され、『フォーレの名による子守歌』(1922)、『ヴァイオリン・ソナタ』(1923-27) も彼女のために書かれました。また技巧的な『ツィガーヌ』(1924) の作曲にあたっても、パガニーニの『24 の奇想曲』を参考にしつつ、ラヴェルは彼女からヴァイオリン書法への多くの助言をもらいます。

エレーヌは関節リウマチを患い、若くして演奏活動からリタイアせざるを得ませんでした。完成した『ツィガーヌ』も弾くことが出来ず、献呈・初演者はヨアヒムの血を引くハンガリーのヴァイオリニスト、イェリー・ダラーニとなりました。1927 年の『ヴァイオリン・ソナタ』初演もやはり同じ理由でエネスコにその任がまわります。しかしエレーヌの存在があったからこそ、これら一連のヴァイオリン作品が生まれたことを忘れてはなりません。

ラヴェル時代の弓とガット弦、歴史的ピアノを使用した演奏です。『ツィガーヌ』では作曲家自身が指定しているもののあまり聴く機会のない「ピアノ・リュテアル」が登場。これはツィンバロンのような音色が出せるアタッチメントをピアノに取り付けたもので、ロマ音楽を表現したこの曲においてきわめて独特な効果が発揮されます。ボネの活き活きとして緩急自在な表現もみごとで、エレーヌへの強い思いがアルバム全体を彩る音色と雰囲気にみずみずしい生命力を付加しています。
(キングインターナショナル)

輸入盤(SACDハイブリッド)

Multi-ch / Stereo
51'06''

 

国内仕様盤(SACDハイブリッド)

[国内仕様盤は日本語帯・解説付き]
Multi-ch / Stereo
51'06''

 

『ムーヌへのオマージュ ~ラヴェル:ヴァイオリンのための作品集』
【曲目】
モーリス・ラヴェル(1875-1937):
1.フォーレの名による子守歌
2.ヴァイオリン・ソナタ ト長調
3.ヴァイオリンとピアノ・リュテアルのための演奏会用狂詩曲『ツィガーヌ』
4.ヴァイオリンとチェロのためのソナタ

【演奏】
リナ・トゥール・ボネ(ヴァイオリン)
マルコ・テストーリ(チェロ)[4]
ピエール・ゴア(ピアノ[1,2]、ピアノ・リュテアル[3])

[使用楽器]
ヴァイオリン:1724年Carlo Tononi 製 / 弓:1915年Jules Fetique 製
チェロ:2020年Renzo Mandelli 製 / 弓:Louis Bazin製
ピアノ:1935年Hautrive社製
ピアノ・リュテアル:1910年プレイエル社製ピアノにリュテアルを取付けて演奏

【録音】
2022年3月4-7日、ベルギー、ブリュッセル、楽器博物館(MIM)

カテゴリ : ニューリリース | タグ : 高音質(クラシック) SACDハイブリッド(クラシック)

掲載: 2022年07月14日 00:00