青柳いづみこ&高橋悠治の共演!『シューベルトの手紙』
1828年に31歳10ヶ月で夭逝したシューベルト、その早すぎた晩年のピアノ独奏曲と連弾曲を集めたアルバム。青柳いづみこと高橋悠治のコンビならではの立体的な響きが織りなす傑作連弾《幻想曲 D 940》、青柳による詩情に満ちた《4つの即興曲 D 899》ほか、反復と変奏の美学《ロンド》、ドラマティックな小品《アレグレット》、愛らしい《子供の行進曲》。ベヒシュタインのピアノが透明かつ雄弁な、ときに激しく軋るような音で二人の表現を支える。
(コジマ録音)
【曲目】
フランツ・シューベルト(1797-1828):
1.ロンド イ長調 D 951[連弾](1828)
2.アレグレット ハ短調 D 915 † (1827)
4つの即興曲 D 899 † (1827)
3.Allegro molto moderato
4.Allegro
5.Andante
6.Allegretto
幻想曲 ヘ短調 D 940[連弾](1828)
7.Allegro molto moderato
8.Largo
9.Allegro vivace
10.Tempo I
11.子供の行進曲 D 928[連弾](1827)
【演奏】
青柳いづみこ(ピアノ)†
高橋悠治(ピアノ)
使用楽器:Bechstein EN280
【録音】
2022年6月7-9日 品川区立五反田文化センター
青柳いづみこ Izumiko Aoyagi
ピアニスト・文筆家
安川加壽子、ピエール・バルビゼの両氏に師事。仏国立マルセイユ音楽院首席卒業。東京藝術大学大学院博士課程修了、学術博士。矢代秋雄・八村義夫・武満徹作品による「残酷なやさしさ」により、平成2年度文化庁芸術祭賞。演奏と文筆を両立させ、18枚のCDが『レコード芸術』で特選盤となるほか、安川加壽子の評伝『翼のはえた指』で吉田秀和賞、『六本指のゴルトベルク』で講談社エッセイ賞、CD「ロマンティック・ドビュッシー」でミュージックペンクラブ音楽賞。2021年には『花を聴く 花を読む』(月曜社)と「花のアルバム」(ALM Records)を同時刊行。2022年には『ヴィンテージ・ピアニストの魅力』(アルテスパブリッシング)、『ショパン・コンクール見聞録』(集英社新書)とCD「昔の歌」(ALM Records)。高橋悠治とは「春の祭典」(R-Resonance)「大田黒元雄のピアノ」「ドビュッシーとパリの詩人たち」「6人組誕生!」「物語」(以上ALM Records)をリリースしている。本作が初のシューベルトアルバム。日本ショパン協会、日本演奏連盟理事。大阪音楽大学名誉教授、兵庫県養父市芸術監督。
高橋悠治 Yuji Takahashi
作曲家・ピアニスト
柴田南雄、小倉朗、ヤニス・クセナキスに学ぶ。1960年代はクセナキス、ケージなどの現代音楽のピアニストとして活躍。1970年代は日本の前衛音楽誌『トランソニック』の編集。1978-85年、アジアの抵抗歌を独自のアレンジで演奏する「水牛集団」に参加。1976年から現在まで、画家・富山妙子とスライドと音楽のための物語作品の製作。1990-2007年、高田和子のために伝統楽器と声のための作品を作る。現在は、ピアノでクラシックとフリー・ミュージックを演奏し、作曲し、執筆している。
著書に『高橋悠治・コレクション 1970年代』『音の静寂 静寂の音』(平凡社)、『きっかけの音楽』(みすず書房)などがある。
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2023年02月14日 00:00