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インタビュー

バニラビーンズ 『バニラビーンズIII』

 

かつてないほどパワフルに一年を駆け抜け、10月にデビュー5周年を迎えた2人が、野心的なニュー・アルバムを携えてネクスト・ステップ・アップ!

 

 

北欧の風に乗ってやってきた、清楚でイノセンスな雰囲気を持つ女の子のユニット──というご挨拶は相も変わらずですが、2012年のバニラビーンズは、いつにも増してエネルギッシュでしたね。出演イヴェントの数もさることながら、“トキノカケラ”“チョコミントフレーバータイム”“ノンセクション”といったシングル・ラッシュ、東京女子流のアルバムにゲスト参加、美脚を露わにした初の写真集などなど。そして気が付けば、10月3日にデビュー5周年(拍手!)。「人生で5年も続けられたことなんてないんですよ(笑)」(レナ)ということなんですが、充実の2012年を締め括るべく(ちょいと気が早いかもしれませんが)、ニュー・アルバム『バニラビーンズ lll』が完成! 今回のトピックは、なんといっても全曲〈生バンド〉によるレコーディング(前述のシングル曲も再レコーディング!)。そのせいもあって、アルバムはいつになく体温高めな印象。ファッション・ドールに魂が注入された感じとでも言いましょうか……!

「今回、バンド・サウンドでやるっていうことを聞いて、いままでのイメージを根本的に変えてくれるんじゃないかなあっていう期待は私たちもありましたね。バンド・サウンドってやったことなかったから、ピンときてないところも若干あったんですけど……」(リサ)。

「いままでも打ち込みでバンドっぽい音を作ったりとかっていうのはあったんですけど、生のバンドの音でやるっていうのは初めてだったんですね。なので、いつもと感じが違う!って、レコーディングの序盤は全然慣れなかったですね。でも、自分の声も楽器のひとつだと思って、楽曲に合わせてロックっぽく歌ってみたり、可愛く歌ってみたり、後ろの音に歌い方も合わせられるようになったんで、粗は出ていると思いますけど、楽しみながらレコーディングできました」(レナ)。

レナがカズー、リサがリコーダーと、楽器演奏にもチャレンジしている『バニラビーンズ lll』は、クリスピーなポップ・チューン“スコーネの花が咲いている”を皮切りに、いしわたり淳治が書き下ろした〈サブカルあるある〉な歌詞が楽しい“サブカルガールまどか”、マイルドなバンド・アンサンブルに2人が可愛らしくじゃれつく初恋ソング“キラーキュイーン”、ラップ調のパートを盛り込んだ“Next Step Up”、渋谷系ラインのオシャレ・ポップ“妄想カフェテリア”、チープなオルガンが雰囲気を盛り立てるスウェディッシュな“Very Very Blueberry”、東京女子流をゲストに迎えたハーモニー・ポップ“もうすぐトライアングル”、ほのぼのとした2人のソロ曲“Aきほ”“君にラブソング”、意外なようでしっくりきてるミッシェル・ガン・エレファントのカヴァー“世界の終わり”──サウンドのテイストは前作『バニラビーンズll』と同様に多彩でありながら、バンド・サウンドによって生まれたある種の統一感によって、より2人のヴォーカルやキャラクターのほうにスポットが当てられている感じ。このアルバムを引っ提げてバンド編成でのライヴも企画されているようで(第1回目の対バンは、バンドじゃないもん!)、『バニラビーンズ lll』はいろんな意味で彼女たちにとって変革となる一枚だと言えそうです。

「現状に満足してたらいま以上のものはできないし、自分たちがどれだけ慣れでやってたかっていうところを脱却していかなきゃいけないなと思ってて。そういう意味ではバンドでやるっていうのは変革のチャンスかなって……でも私、〈変革〉っていう意味をよくわかってないんですけど(真顔)」(レナ)。

「超チェンジ、ってことじゃない(笑)?」(リサ)。

 

▼バニラビーンズの作品。

左から、2009年作『バニラビーンズ』(徳間ジャパン)、2011年作『バニラビーンズ ll』、ライヴDVD「バニラビーンズ ワンマンライブ DVD デビュー5周年記念ライブ@渋谷WWW」(共にT-Palette)

カテゴリ : インタビューファイル | タグ : 女性アイドル

掲載: 2012年11月09日 19:30

更新: 2012年11月09日 19:30

ソース: bounce 349号(2012年10月25日発行)

インタヴュー・文/久保田泰平

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