2021年タワーレコード クラシカル年間TOP40
2021年タワーレコード、クラシカルで売れた輸入盤のTOP40と、タワーレコード企画盤TOP20、話題となった国内・話題盤10タイトルを一挙大公開します!
輸入盤TOP40、詳細は当ページすぐ下をご覧ください。
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【クラシック輸入盤TOP40】
2021年も新旧織り交ぜた興味深いTOP40になりました。第1位は20世紀のカリスマ指揮者フルトヴェングラーのスタジオ録音すべてと、商用リリースを視野に入れて作成したライヴ録音をレーベルの垣根を越えて集大成した55枚組。とくに未発表音源のチャイコフスキーのエレジーの名演は話題を呼びました。第2位は21世紀を代表するベートーヴェンの名演、クルレンツィス&ムジカエテルナによるベートーヴェンの交響曲第7番。疾走感溢れる新鮮な演奏です。第3位はキリル・ペトレンコ指揮バイエルン国立歌劇場管弦楽団によるマーラーの交響曲第7番「夜の歌」。超高精度・超高密度の圧巻の名演です。若手の台頭含む、豊かなクラシック界を今後もタワーレコードは応援します!
1位 フルトヴェングラー正規レコード用録音集大成
フルトヴェングラー(指揮) ベルリン・フィル、他
このBOXは、フルトヴェングラーのスタジオ録音すべてと、商用リリースを視野に入れて作成したライヴ録音をレーベルの垣根を越えて集大成した55枚組です。とくに未発表音源のチャイコフスキーのエレジーの名演は話題を呼びました。ごく一部を除き2021年にオリジナルマスターからのリマスター音源で収録しており、《英雄》《運命》《第9》といった世界遺産クラスの名盤も鮮烈な音質で蘇っています。
2位 ベートーヴェン: 交響曲第7番
クルレンツィス(指揮) ムジカエテルナ
2020年、ベートーヴェン生誕250周年という記念の年の春にリリースされた「ベートーヴェン:交響曲第5番『運命』」が大きな反響を呼んだクルレンツィス&ムジカエテルナによるベートーヴェン・アルバム第2弾となる「交響曲第7番」。ワーグナーをして「舞踏の聖化」と言わしめた壮大なリズムの祭典とも言うべき名曲の第7番を、類稀なるアンサンブルにより、疾走感溢れる新鮮な演奏を繰り広げています。
3位 マーラー: 交響曲第7番「夜の歌」
キリル・ペトレンコ(指揮) バイエルン国立管弦楽団
ドイツ屈指の名門、バイエルン国立歌劇場が自主レーベルBSOrecをスタート!第1弾は、2013-20年に音楽総監督を務めたキリル・ペトレンコ指揮によるマーラー・ライヴ!2018年5月28日と29日にミュンヘンで行われた演奏会は、灼熱の完全主義者ペトレンコの下で、超高精度・超高密度、そして緊密なコントロールが生み出す高い緊張感で聴衆や評論家を圧倒し大喝采を浴びた名演です。
4位 ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」(4手ピアノ版)、他
マルタ・アルゲリッチ、テオドシア・ヌトコウ(P)
アルゲリッチが、19世紀に活躍したドイツの作曲家、オルガニスト、音楽学者であったゼルマール・バッゲ編曲によるピアノ連弾版ベートーヴェンの「田園」を録音。共演は、2009年よりマルタ・アルゲリッチに師事し、数多くの音楽祭にも参加し共演している注目のピアニスト、テオドシア・ヌトコウ。息のあった連弾で、圧巻の演奏を繰り広げています。テンペストは、ヌトコウのソロを収録。
5位 ベートーヴェン:三重協奏曲、交響曲第2番(ピアノ三重奏曲版)
ファウスト(Vn)、ケラス(Vc)、メルニコフ(fp)、
エラス・カサド(指揮) フライブルク・バロック・オーケストラ
数々の名演を繰り広げているファウスト、ケラス、メルニコフ、そして2020年度のレコード・アカデミー賞大賞受賞したエラス=カサド、フライブルク・バロック・オーケストラによるベートーヴェンの三重協奏曲!オケとソロ楽器の素晴らしいバランス、自然なアーティキュレーションで作品に対する既成概念を払拭するような、まさにこの顔ぶれでしか為し得ない水準での、新名盤の誕生です!
6位 ベートーヴェン: 交響曲第3番「英雄」
フランソワ=グザヴィエ・ロト(指揮) レ・シエクル管弦楽団
鮮烈な「運命」で度肝を抜いたロトとシエクルのベートーヴェン、次なる挑戦は交響曲第3番「英雄」です。透明な音色、溌剌として推進力に満ち、そのリズム感の良さと引き締まった造形、みなぎる緊張感いずれも見事!カップリングには、ベートーヴェンより7歳年長で、ナポレオン時代のフランスを代表するオペラ作曲家メユールの歌劇「アマゾネス」序曲を収録。
7位 ワーグナー:「トリスタンとイゾルデ」
ブーレーズ(指揮) NHK交響楽団、他
ブーレーズ唯一の「トリスタンとイゾルデ」録音。後にも先にもブーレーズ生涯ただ一度の上演で、文化遺産に値するお宝です。1967年、バイロイトからの引越し公演でワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」が上演され、当時の日本音楽界の大きな話題となりました。ヴィーラント・ワーグナーの演出、ヴィントガッセン、ニルソン、ホッターら最高の歌手陣、NHK交響楽団という豪華キャストによる空前絶後の公演音源です。
8位 パリ~ショーソン・ラウタヴァーラ・プロコフィエフ
ヒラリー・ハーン(Vn)、フランク(指揮) フランス国立放送フィル
ヒラリー・ハーンのお気に入りの協奏曲であり、いままで最も多く演奏してきた作品のひとつ「プロコフィエフの協奏曲第1番」を、オーケストラのアーティスト・イン・レジデンスを務め、長年パリで共演してきたフランス放送フィルと録音!2016年に亡くなり、親交の深かったフィンランドの作曲家ラウタヴァーラが彼女のために書いた「2つのセレナード」を世界初録音!悲哀に満ちた美しい作品です。
9位 ブラームス: ピアノ協奏曲第1番&第2番
アンドラーシュ・シフ(ピアノ&指揮)
エイジ・オブ・エンライトゥンメント管弦楽団
ピアノ界の巨匠アンドラーシュ・シフが、自らが指揮もつとめ、古楽音楽家集団エイジ・オブ・インライトゥメント管弦楽団を弾き振りしてECMで録音。オーケストラを縦横無尽に操り円熟の境地を余すところなく披露。ピアノはブラームスが協奏曲第1番を作曲した1850年代のブリュートナーを使用。過度な重厚感や装飾を削ぎ落した清明で繊細なハーモニーが、聴き手に忘れ得ぬ感動を届けます。
10位 ブラームス:交響曲第2番&大学祝典序曲
ブロムシュテット(指揮) ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
現役最高齢の巨匠ブロムシュテットが、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団とライヴで録音を進めているブラームスの交響曲プロジェクトの第2弾。第1番とは対照的に伸びやかで牧歌的な交響曲第2番。ブロムシュテットはオーケストラの色彩感を引き出した渾身の演奏を披露。ことに弦楽器の美しさは格別でキャリア60年以上の指揮者が生命を呼び覚ますような魂のこもった演奏を聴かせてくれます。
11位 ショパン:前奏曲集、幻想ポロネーズ、幻想即興曲
小林愛実(P)
小林愛実は、この曲集の持つ豊かな表現力を余すことなく伝えており、正攻法ともいえる演奏で各々の曲の姿を映し出していきます。シンプルな第1番に隠された内声の旋律を聴くだけでこの演奏が只者ではないことに気が付くでしょう。聴き進むにつれ、ケレン味のないショパンに心洗われます。添えられた2曲の前奏曲も見事な表現で、まさにドラマある1枚となっています。
12位 ストラヴィンスキー: バレエ音楽《春の祭典》、
エトヴェシュ: ヴァイオリン協奏曲第3番《アルハンブラ》
エラス・カサド(指揮) パリ管弦楽団、ファウスト(Vn)
2020年度のレコード・アカデミー賞大賞受賞したスペインの指揮者エラス=カサドが、20世紀を代表する大名曲「春の祭典」を録音。エラス=カサドの明晰な解釈とパリ管による精緻で多彩な色彩感をもつ演奏、個性的なパリ管の奏者たちの楽器一つ一つが良く響き、最高のアンサンブルで奏でています。カップリングには、2019年にこの両者に捧げられ、初演されたエトヴェシュのヴァイオリン協奏曲を収録。
13位 ブルックナー: 交響曲第2番・第8番、他
ネルソンス(指揮) ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
10月にゲヴァントハウス管弦楽団がカペルマイスターの任期を2027年まで延長し、同時にボストン交響楽団が音楽監督の任期を2025年まで延長。2つの名門オーケストラから厚い信頼を得て益々輝きを増している指揮者ネルソンス。ブルックナー交響曲全曲録音シリーズ第5弾に傑作第8番の登場。カップリングは同じくハ短調の第2番と、ワーグナーの《ニュルンベルクのマイスタージンガー》第1幕への前奏曲。
14位 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集
ツィメルマン(P)、ラトル(指揮) ロンドン交響楽団
ツィメルマンが2020年のベートーヴェン生誕250年にベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲を、約30年ぶりに再録音!旧録音は巨匠バーンスタイン指揮ウィーン・フィルとの共演で、第1番と第2番はツィメルマン自身の弾き振りで全集を完成させました。今回の新録音は、ラトル指揮ロンドン交響楽団との共演で、円熟を増したツィメルマンとラトルの組み合わせで最高の演奏を聴かせます。
15位 ブルックナー:交響曲第7番
ハイティンク(指揮) オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団
ハイティンクが1957年から首席指揮者を務めたオランダ放送フィルとのブルックナーの第7番。澄み切った解釈で清らかに流れる音響は滋味豊かにして瑞々しくもあり、長大な時間を一息でつなぐ雄大さは音楽の中で深呼吸したくなるような心地よさ。またオランダ放送フィルの整っていながらも柔らかさ、温かさを含ませた独特の音色はブルックナーとの相性も実に良く絶品。
16位 J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲(全曲)
ベルリン古楽アカデミー、ファウスト(Vn)、タメスティ(Va)
古楽オケの雄、ベルリン古楽アカデミーによる2021年録音のブランデンブルク協奏曲全曲!注目は、イザベル・ファウストとアントワン・タメスティという世界的名手がゲストで参加!両名が参加している第3番では終楽章の目もくらむようなスピード感で展開されるパッセージが圧巻!第4番は、ファウストの攻めに攻めた、典雅で超絶技巧のパッセージもまた聴きものです。
17位 モーツァルト: 歌劇「魔笛」
ロンバール(指揮) ストラスブール・フィル、テ・カナワ(S)、グルベローヴァ(S)、他
フランスの指揮者アラン・ロンバールが、1978年にフランスのバークレー・レーベルに残した『魔笛』が初CD化!キリ・テ・カナワ、ペーター・ホフマン、エディタ・グルベローヴァ、キャスリーン・バトル、クルト・モル他、まさに綺羅星のごとく驚くべき豪華配役陣、その時代の有名オペラ歌手が出演しています!30代前半のグルベローヴァの夜の女王は圧巻の歌声!第三の侍女にアルトの伊原直子も参加!
18位 ラフマニノフ:交響曲第2番
ラトル(指揮) ロンドン交響楽団
ラフマニノフが思いのたけを込めた甘美なメロディが聴く人の心を強く締めつける第2交響曲。2017年からロンドン交響楽団の音楽監督に就任したラトルとの2019年9月ライヴ録音。ラトルにとっては1984年、ラトル20代の頃のロス・フィルとの録音以来35年ぶりの録音。ラトルとロンドン響の今の音楽があふれ出る、どの旧盤とも異なるうったえかけるような弦の響きが印象的な名演です。
19位 パガニーニ: 24のカプリス Op.1
アリーナ・イブラギモヴァ(Vn)
人気ヴァイオリニスト、イブラギモヴァが、ハルトマン、J.S.バッハ、イザイに続く新たな無伴奏プログラムとして、パガニーニの「24のカプリス Op.1」を遂に録音!今回、新型コロナ禍におけるロックダウンにより時間的余裕を得た彼女が真摯に作品に取り組み、技術と表現力のすべてを注いで完成させた素晴らしきアルバム。深く鋭く響くアンセルモ・ベッロシオ1775年頃製ヴァイオリンの音色も素晴らしいです。
20位 54年のゴールドベルク変奏曲
グレン・グールド(P)
55年の「ソニー旧録盤」に先立つ、54年のCBC録音によるゴールドベルク。既にグールド無二の世界が出来上がっていながら、ソニー盤とは異なる感興が乗った非凡な演奏です。たっぷり歌うアリアに、聴き手をぐいぐいと引き込むスリリングな変奏。斬新な緩急が生み出す求心力と推進力に終始わくわくさせられます。才気ほとばしる類まれな感性による演奏が、ALTUSの入念なマスタリングで蘇ります。
21位 ストラヴィンスキー: 兵士の物語
イザベル・ファウスト(Vn)、アレクサンドル・メルニコフ(P)、他
ヴァイオリンの女王イザベル・ファウストによる、ストラヴィンスキー没後50年記念盤。内省的な無伴奏作品「エレジー」、ヴァイオリンとピアノのための唯一の作品「デュオ・コンチェルタンテ」、そして「兵士の物語」は7人の小オーケストラ版で、テキストもラミュの台本を使用。作曲当時の楽器を使用し、アンサンブルメンバーの超豪華顔ぶれで、初演当時のオリジナルの姿が蘇ります。
22位 マリス・ヤンソンス、バイエルン放送響 ラスト・コンサート
マリス・ヤンソンス(指揮) バイエルン放送交響楽団
2019年に急逝した名指揮者マリス・ヤンソンス最後の演奏会がCD化!バイエルン放送交響楽団とのカーネギーホールでの2019年11月8日コンサートライヴで、ヤンソンスが生涯愛したリヒャルト・シュトラウスの「歌劇《インテルメッツォ》からの4つの交響的間奏曲」とブラームスの「交響曲第4番」を収録。オーケストラと巨匠との深い絆と信頼が成せる業と言える素晴らしい演奏です。
23位 ブルックナー:交響曲第3番[第2稿・ノーヴァク版]
ティーレマン(指揮) ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ドイツ音楽の世界的巨匠ティーレマンが、緊密な関係を築き上げているウィーン・フィルとの「ブルックナー:交響曲全集」録音の第2弾は、最も稿態が多く指揮者の音楽的指向が使用楽譜の選定に明確に出る交響曲第3番。ティーレマンは第3楽章にコーダが付き、第4楽章の規模が大きく構成が明快なノーヴァク校訂の第2稿を使用し、スケールの大きな威容を感じさせる名演に仕上げています。
24位 ブルックナー:交響曲第8番、べートーヴェン:交響曲第6番
クーベリック(指揮) バイエルン放送交響楽団
1965年、クーベリック&バイエルンの来日公演から渾身のブルックナー8番とベートーヴェン田園の初出音源が登場です。CD1枚に収まっていながら充実の極みで壮絶な切れ味と緊迫感がたまりません。両翼配置の効果も絶大です。「田園」も両翼配置で立体的に旋律が高めあっていく音楽空間のなんと心地よいことか。NHK音源をもとにALTUSが最新技術を駆使してマスタリング。
25位 ショスタコーヴィチ:交響曲第1番、第15番&第14番、室内交響曲
ネルソンス(指揮) ボストン交響楽団
ネルソンスが音楽監督を務めるボストン交響楽団との大好評ショスタコーヴィチ交響曲全曲録音シリーズ第5弾!最初の交響曲第1番。様々な作品の引用が興味深く最後の交響曲である第15番、ソプラノとバスの独唱による死をテーマとした連作歌曲となっている交響曲第14番、弦楽四重奏曲の最高傑作第8番をバルシャイが編曲し、作曲者も絶賛した室内交響曲 作品110aも収録。
26位 Echoes of Life エコーズ・オヴ・ライフ
アリス=紗良・オット(P)
今作は、24の全ての調で書かれたショパンの傑作『24の前奏曲作品28』を中心に、リゲティやニーノ・ロータ、チリー・ゴンザレス、トリスターノや武満徹など、アリスに影響を与えた7つの作品を間奏曲として織り込んだアルバム。さらに、彼女自身作曲の「モーツァルト:レクイエム」から 『ラクリモーサ』の断片による作品も収録!彼女らしいこだわりの詰まったアルバムです。
27位 ドビュッシー:ピアノと管弦楽のための幻想曲、交響詩≪海≫、他
アルゲリッチ(P)、ダニエル・バレンボイム(ピアノ&指揮)、
シュターツカペレ・ベルリン、他
1年違いでブエノスアイレスで生まれ共に名教師スカラムッツァの許で学んだアルゲリッチとバレンボイム。現代を代表する世界的巨匠二人の共演盤。今作は、実質的にはピアノ協奏曲といえるドビュッシーの「ピアノと管弦楽のための幻想曲」を録音。ヴァイオリン・ソナタはバレンボイムの親子共演、チェロ・ソナタは気鋭の若手チェリスト、ソルターニとバレンボイム、そして交響詩《海》のカップリング。
28位 モーツァルト・モメンタム 1785: ピアノ協奏曲第20・21・22番 他
レイフ・オヴェ・アンスネス(P&指揮)、マーラー室内管弦楽団
モーツァルトのウィーン時代の頂点である1785年と86年の2年間に書かれたピアノ協奏曲を軸にしたモーツァルト・アルバムの第1弾は、個性豊かなピアノ協奏曲第20・21・22番の3曲に加え、「フリーメイソンのための葬送音楽」など陰影の濃い3曲を収録。マーラー・チェンバー・オーケストラとコロナ禍のなかベルリン・フィルハーモニーでセッション録音された奇跡とも言える名演が誕生しました。
29位 田中希代子ピアノリサイタル
田中希代子(P)
田中希代子は1950年18歳で単身欧州に渡りパリ音楽院に入学、5年後日本人として初めてショパン・コンクール入賞という快挙を成し遂げ、ヨーロッパで華々しく活躍するも、12年後には不治の病で演奏生命を絶たれてしまいました。日本クラウンが1965年5月にセッション録音したこの音源は、正規にCD化されることなくまさに幻の音源となっていました。彼女の端正で気品あふれる面をたっぷり堪能できます。
30位 モーツァルト: ピアノとヴァイオリンのためのソナタ集 VOL.3
イザベル・ファウスト(Vn)、アレクサンドル・メルニコフ(P)
世界最高峰のヴァイオリン奏者の一人、イザベル・ファウストと、その音楽にますます深みが増している充実のメルニコフによる、モーツァルトのヴァイオリン・ソナタ集第3弾。どの作品も表情豊かに、2つの楽器が個性を発揮しながらも対等に渡り合い対話し、緻密かつスケールの大きい音楽が展開されます。ファウストの確固たる構成力、凛とした気品漂うヴァイオリンで聴くモーツァルトは、まさに絶品!
31位 モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番、細川俊夫:月夜の蓮
児玉桃(P)、小澤征爾(指揮) 水戸室内管弦楽団
2006年12月に水戸芸術館のコンサートホール ATMで共演したライヴ録音。モーツァルトの「ピアノ協奏曲第23番」と、同曲へのオマージュとして2006年に作曲され、この公演が日本初演となった細川俊夫の作品を収録。細川作品の世界初演も2006年に彼女本人が手掛け、透き通ったピアノの響きと水戸室内管の瑞々しい演奏が鮮やかな印象を残す貴重な演奏会の記録です。
32位 モーツァルト&フルート・イン・パリ
エマニュエル・パユ(Fl)、フランソワ・ルルー(指揮、オーボエ) パリ室内管弦楽団
パリを起源としたフルートのさまざまな黄金時代を表す独奏フルート作品をエマニュエル・パユとレ・ヴァン・フランセらとの共演によって実現。モーツァルトの《協奏交響曲K.297b》は、ロバート・レヴィンによる復元版で演奏。『フルートとハープのための協奏曲』は、1996年アバド&ベルリン・フィルとの録音以来の再録音。ウィーン・フィルの首席ハーピストのアンネレーン・レナエルツとの共演。
33位 アイヴズ:交響曲全集
ドゥダメル(指揮) ロサンゼルス・フィル
伝統的なクラシック音楽の形式の中に、アメリカの日常的な音楽との新たな接点を見出し、多調性音楽やポリリズム、多様なテクスチュアを取り入れて作曲を行ったチャールズ・アイヴズ。そのアイヴズの4つの交響曲をロサンゼルス・フィルハーモニックとその音楽監督グスターボ・ドゥダメルが画期的な演奏でドイツ・グラモフォンに録音。
34位 ストラヴィンスキー: 「春の祭典」、マーラー: 「アダージョ」他
ブーレーズ、フランス国立管弦楽団、パリ管弦楽団、他
ブーレーズが1989年にフランス国立管を振った「春の祭典」!1995年、パリ管とパリ国立高等音楽院管弦楽団の合同オーケストラを振ったマーラーのアダージョやボーナストラックには1979年6月23日、カラヤンがベルリン・フィルを振った「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」を収録。当演奏はラジオ・フランスにおけるラジオ放送用に演奏されたものです。
35位 J.S.バッハ: 無伴奏チェロ組曲(全曲)
ミクローシュ・ペレーニ(Vc)
巨匠ミクローシュ・ペレーニは、当時33歳だった1981年に1度目の全曲を録音しましたが、HUNGAROTONレーベルから1982年にLPで発売されたものの、その後CD化されることは無く幻の名盤となっておりました。この録音は2019年に録音当時71歳のペレーニが満を持して録音した注目盤。独自の音色と卓越したボウイング、一音一音丁寧にたっぷりとした演奏で実に流麗に描いています。
36位 エルガー:ヴァイオリン協奏曲&ソナタ
ルノー・カピュソン(Vn)、ラトル(指揮) ロンドン交響楽団、ハフ(P)
エルガーのヴァイオリン協奏曲は、独特の情熱によるノスタルジックなもので、ロマン派後期の偉大な協奏曲の1つです。カピュソンとラトルは20年来の知合いですが、これが彼らにとって初録音。ロンドン響は、エルガーがかつて首席指揮者を務めていた縁の深いオーケストラでもあります。カップリングには英国を代表するピアニストの一人、スティーヴン・ハフとの「ヴァイオリン・ソナタ」を収録。
37位 ブルックナー: 交響曲第4番「ロマンティック」[ハース版]
ティーレマン(指揮) ウィーン・フィル
大好評のティーレマン&ウィーン・フィルのブルックナー録音第3弾は、「ロマンティック」という標題で親しまれてきた名曲、交響曲第4番。使用した楽譜は、ロベルト・ハース校訂の第2稿(1936年出版の旧全集版、第3楽章トリオのテーマをオーボエが担う)を用い、ティーレマンのこだわりを感じさせます。全曲69分とゆっくり目のテンポで作品のスケールを壮大に描き出しています。
38位 ラヴ・ソングズ
アンジェラ・ヒューイット(P)
シューマン、シュトラウス、ガーシュウィンなどが書いたラヴ・ソングからのピアノ・トランスクリプション集という注目プログラムをヒューイットが録音。これまでこのようなコンピ的アルバムは録音していませんでしたが、アイディアは20年以上前に思いついていたとのこと。自身のアイディアを研究する時間が生まれたことにより、このような珠玉のアルバムが誕生しました。
39位 ベートーヴェン: チェロ・ソナタ全曲
ヨーヨー・マ(Vc)、エマニュエル・アックス(P)
ヨーヨー・マは1981年から85年にかけてエマニュエル・アックスとの共演で この<ベートーヴェン:チェロ・ソナタ>全曲録音を行っており、まさに40年の歳月を経ての再録音が実現。録音は、アメリカのタングルウッドにある小澤征爾の名前を冠したホールで実施。チェロ・ソナタ第1番から第5番全曲と、ベートーヴェンが敬愛するヘンデルとモーツァルト作品の変奏曲3曲を収録。
40位 メシアン: 管弦楽作品集
若杉弘(指揮) NHK交響楽団
1996年から98年にかけて行われた若杉弘指揮NHK交響楽団によるブルックナーの交響曲1曲とメシアンの作品を組み合わせた意欲的なプログラム公演から、今度はメシアン作品9曲すべてを公演順に3枚のCDに収録。ブックレットには当時のプログラムに掲載された笠羽映子氏による楽曲解説を掲載。相当な文量で詳細に書かれており、日本語で読める資料としてもたいへん貴重なものです。
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