【追悼】ピアニスト ニコラ・アンゲリッシュさん 51歳 来日公演でお馴染み
アメリカ出身の名ピアニストで、ラ・フォル・ジュルネ音楽祭など数多くの来日公演でも親しまれた二コラ・アンゲリッシュさんが、4月18日にパリ市内の病院で、慢性的な肺疾患のために亡くなりました。51歳でした。
アンゲリッシュさんは1970年12月14日生まれのフランス系アメリカ人ピアニスト。5歳からピアノを始め、7歳でモーツァルトの協奏曲の公開演奏を行ない、13歳でパリ高等音楽院に入学するという早熟振りをみせました。チッコリーニやロリオ、ベロフ、フライシャーといった大家たちに師事。同音楽院をプルミエ・プリ(一等賞)で卒業し、1994年にはジーナ・バッカウアー国際コンクールで優勝しています。
ミンコフスキやヤルヴィ、マズアなどと共演するほか、アルゲリッチ、カピュソン兄弟、デュメイ、イザイ四重奏団などと室内楽活動も積極的に展開。1995年、ハルモニア・ムンディからCDデビューを果たし、2000年代の10年間は主にヴァージン・レーベルにロマン派以降のレパートリーを録音し、2010年代前半にエラートに移籍しました。彼のブラームス録音の多くは、2017年にエラート社から10枚組BOXにまとれています。最新作は2021年発売の「プロコフィエフ/ピアノ作品集」でした。
我が国へは2006年のラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンで初来日。2020年の国際音楽祭NIPPONでの、ヴァイオリンの諏訪内晶子さんとの共演が最後の来日となりました。
ここに謹んで哀悼の意を表し、アンゲリッシュさんのご冥福を心からお祈り申し上げます。
(タワーレコード 商品本部 板倉重雄)
CD
アンゲリッシュさんのソロ&協奏曲アルバム
諏訪内晶子さんとの共演盤
アルゲリッチさんの音楽祭への参加
カピュソン兄弟との室内楽演奏
カテゴリ : Classical
掲載: 2022年04月19日 17:30