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今をときめくイザベル・ファウスト最新盤は、注目のウェーバー作品集

掲載: 2012年12月11日 12:00

更新: 2012年12月11日 16:30

イザベル・ファウスト

祝!2012年度 第50回レコード・アカデミー賞大賞!
イザベル・ファウスト&アバドによる「ベルク&ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲」
今をときめくイザベル・ファウスト最新盤は、注目のウェーバー作品集!

今もっとも輝いているヴァイオリニスト、イザベル・ファウスト。注目の最新盤は、ウェーバーの作品集です。ドイツにおけるロマン主義運動の重要な先駆者であり、多芸多才な楽長、明晰な批評家として、さらには華々しいピアニストとしても活躍したウェーバー。『魔弾の射手』やピアノ曲が非常に有名ですが、室内楽はわずか9曲(完成されたもの)しかのこしていません。そのうち8曲は、ウェーバー自身、かなりの名手であった楽器、ピアノを含む編成のものとなっています。イザベル・ファウストを中心とする豪華メンバーのこの録音では、ウェーバーの才能の輝きに満ちた室内楽作品が、ファウストにしか奏でることのできないまばゆい音色に導かれ、いきいきと再現されています。メルニコフの溌剌とした気魄に満ちたフォルテピアノの音色も見事。なお、四重奏曲で共演しているヴィオラのボリス・ファウストは、イザベルの兄。そしてチェリストも来日経験もある中堅シュミットということで、注目盤の登場といえましょう。

 

6つのヴァイオリン・ソナタは、1810年の夏の終り頃、出版社のヨハン・アントン・アンドレの依頼を受けて作曲されたもので、家庭内で、いわゆるアマチュアの人々が音楽演奏を楽しむための楽曲がならびます。ウェーバーはあまりこの仕事に乗り気ではなかったことが手紙などにも残されていますが、その内容は実に多彩で、ウェーバーの才気に満ちたもの。カスタネットが打ち鳴らされるようなボレロ(第2番第1楽章のキャッラテーレ・エスパニョーロ)や、バラライカの音色を思わせるエア・リュス(第3番第1楽章)など、多国籍の情緒が感じられ、また、魅力的なメロディー、そこかしこに、「魔弾の射手」のアリアを彷彿とさせる華やかなパッセージも盛り込まれていて、「アマチュアのための」とされてはいますが、非常に充実した内容となっています。
アンサンブルをたのしむことにも主眼がおかれた作品だけあって、ファウストとメルニコフとの、丁々発止のやりとりにも注目です!
四重奏曲は、1809年9月、ウェーバーが22歳のときに完成された作品。なんといっても聴きどころは第2楽章。弦楽器の半音的な動きをみせるハーモニーに始まる印象的な問いかけにピアノが応えたかと思うと突然の休止小節、そしてピチカートによるカデンツァが続く、というなんとも謎めいた出だしの楽章です。この楽章だけ、1806年に完成、残りの楽章は後になって書かれたことがわかっています。ピアノの短い導入に始まり、瑞々しいロマンティックなメロディーのきらめきが美しい第1楽章、弦楽器の美しい音色が冴えわたる充実した第2楽章、エスプリの効いた短い第3楽章、そして、終楽章では、弦楽器3者のフーガ風なやりとりの中、ピアノが縦横無尽に華麗にかけめぐります。

ファウストの、どこまでもまっすぐな音色で奏でられるウェーバーの書いた旋律美、メルニコフの才気と知性が冴えるピアノ・パート、そしてアンサンブルの妙。すべてがとびきりのクオリティのウェーバー作品集。珠玉の1枚の登場です。

 

イザベル・ファウスト

 

【曲目】
カール・マリア・フォン・ウェーバー(1786-1826):
ヴァイオリンのオブリガートつきのピアノのための6つの段階的ソナタ(アマチュアのために作曲、捧げられた)op.10
第1番 ヘ長調op.10-1〔I. アレグロ II. ロマンツェ―ラルゲット III. ロンド―アマービレ〕、第2番 ト長調op.10-2〔I. キャッラテーレ・エスパニョーロ―モデラート II. アダージョ III. エア・ポロネーズ―ロンド・アレグロ〕、第3番op.10-3 ト長調〔I. エア・リュス―アレグレット・モデラート II. ロンド―プレスト〕、第4番 変ホ長調op.10-4〔I. モデラート II. ロンド―ヴィヴァーチェ〕、第5番 イ長調op.10-5〔I. テーマ・デ・オペラ・シルヴァーナ―アンダンテ・コン・モート II. フィナーレ―シチリアーノ―アレグレット〕、第6番 ハ長調op.10-6〔I. アレグロ・コン・フォーコ II. ラルゴ III. ポラッカ〕
四重奏曲(ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロとピアノのための)変ロ長調 op.8
〔I. アレグロ・コン・フォーコ II. アダージョ・マ・ノン・トロッポ III. メヌエット:アレグロ IV. フィナーレ:プレスト〕
【演奏】
イザベル・ファウスト(ヴァイオリン/ 1704 年製ストラディヴァリス「スリーピング・ビューティ」)
アレクサンドル・メルニコフ(フォルテピアノ‘Lagrassa’(1815 年ca.,エドウィン・ボインクのコレクションより))
ボリス・ファウスト(ヴィオラ/ガエターノ・ポラストリ)
ヴォルフガング・エマニュエル・シュミット(チェロ/マッテオ・ゴフリラー)
【録音】
2011年6月、テルデックス・スタジオ(ベルリン)
【ジャケット絵画:ロヴィス・コリント(1858-1925):ヴァイオリンを弾く女(1900 年)】

 

【アーティスト・プロフィール】
イザベル・ファウスト(ヴァイオリン)
今もっともかがやいているヴァイオリニスト。1987年、15歳のとき、レオポルト・モーツァルト・コンクール優勝。1993年パガニーニ国際コンクール優勝。クリストフ・ポッペンに師事。使用楽器は、1704年製ストラディヴァリス「スリーピング・ビューティ」。

アレクサンドル・メルニコフ(ピアノ)
1973年モスクワ生まれ。6歳でモスクワの中央音楽学校に入学、モスクワ音楽院ではナウモフに師事。イザベル・ファウストとの充実した共演作品・共演活動をはじめ、ソロ作品:ショスタコーヴィチの「24 のプレリュードとフーガ」は2010年の最優秀録音に贈られる“Choc de classica”賞を受賞するなど、近年著しい充実をみせている。

ボリス・ファウスト(ヴィオラ)
ケルン音楽大学で、マティアス・ブッフホルツに師事。ブレーメン・フィルの首席ヴィオラ奏者。ブレーメン芸術大学で後進の指導にもあたっている。使用楽器は、Gaetano Pollastri。イザベル・ファウストの兄にあたる。

ヴォルフガング・エマニュエル・シュミット(チェロ)
アルド・パリソット、ダヴィッド・ゲリンガスに師事。1994年第5回ロストロポーヴィチ・コンクール第2位、および現代音楽演奏賞。フーゴ・ベッカー(1864-1941)が所有していたマッテオ・ゴフリラーを使用。

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