イザベル・ファウストの最新盤は、ハーディングとのバルトーク
掲載: 2013年06月25日 17:13
更新: 2013年06月25日 17:21

イザベル・ファウストのバルトーク!
神々しく輝きのある音色、崇高さと官能、そして激しさに満ちた熱演!
そして、ハーディングの絶妙なサポートにもご注目!
人気・実力とも急上昇中のヴァイオリニスト、イザベル・ファウストの新譜の登場!
ブラームスの協奏曲でもファウストとの素晴しいアンサンブルで魅せてくれたハーディングの指揮、オーケストラは、ハーディングが音楽監督を務めているスウェーデン放送交響楽団という最強の布陣による、バルトークのヴァイオリン協奏曲集です。
バルトークは、ファウストの魅力が炸裂する作曲家の一人といえるでしょう。ファウストの衝撃のデビュー盤は、バルトークの作品集でした【HMG508334(2CD) の「バルトーク:無伴奏ヴァイオリン・ソナタSz.117 /ヴァイオリン・ソナタ第1番(ピアノ:エヴァ・クピーク)、1996年収録」】。この盤は、新人としては異例の「グラモフォン」エディターズ・チョイス、97年度グラモフォン賞に輝くなど、世界の耳を驚かせた衝撃の名演。デビュー当時から格別なものがあるファウストのバルトークということで、期待が高まります。
第1番は、バルトークが26歳の頃に書かれたもの。当時熱い思いを寄せた女性ヴァイオリニスト、シュテフィ・ガイエルに献呈されましたが、一度も演奏されないままに、彼女もバルトークの死後10年ほどでこの世を去ってしまい、ふたりの死後しばらくしてからこの作品の存在が知られることとなった、遺作です。
ファウストはこの録音にあたり、草稿など様々な資料にあたり、バルトーク自身による書きこみなどを発見。バルトークの思いを可能な限り汲んだ力演を聴かせています。冒頭の長七の和音を静かに上行する4つの音からなる音型は、シュテフィ・ガイエルをあらわすモティーフ。ファウストが奏でる内省的な音色から、一気に世界に引き込まれます。ハーディング率いるオーケストラとのアンサンブルも緊張感に満ち、見事。第2楽章のゆるやかに上下行をくりかえす旋律を奏でるオーケストラの微妙な揺れと、ファウストが奏でる旋律が絶妙に融けあう様は息をのむほど美しく、官能的ですらあります。
終盤で聴かれるドイツ民謡の引用は、バルトークがこの作品を書いた1907年の夏、ガイエルと二人で休暇を共に過ごした時に聴いたもの。しかしつかの間の平穏な雰囲気は霧散し、最後は緊張感のあるクライマックスを迎えます。この作品が完成した2日後、二人の関係は終わりました。にも関わらずバルトークはこの作品を彼女に献呈、作品ページ冒頭には、別れの挨拶が、そして最後には哀しみのメッセージが書かれています。こうした作品成立の背景を考えながら聴くと、また一層の味わいがあります。
※なお、ライナーノートはファウスト自身の筆によるもので、曲の背景やファウストが見つけた事実などが述べられており、実に興味深い内容となっています。
第2番はバルトークの中期、最も創作的に充実していた時期に書かれたもの。ハンガリー民謡的な旋律、抒情的な旋律、五音音階から十二音技法、さらには四分音まであらわれる、多種多様の素材が見事に融合・構築され、高度の集中を要求するこの作品には、バルトークのすべてが詰まっているといっても過言ではないでしょう。激しいクライマックスで締めくくられる第1楽章、様々に変容する旋律でファウストの美しい音色が官能的に輝く第2楽章、そして野性味すら感じさせる力強いリズムに満ちた第3楽章まで、緊張感に満ちたファウストのソロと、ハーディング率いるオーケストラとのアンサンブルが見事に弾き切っています。幼いころから室内楽に親しみ、アンサンブル能力にたけたファウストだからこそ実現できる演奏といえるでしょう。
ファウストとハーディングによるバルトーク。今もっとも活躍する音楽家たちによる注目盤です!
【曲目】
バルトーク(1881-1945):ヴァイオリン協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲第1番 Sz36(遺作)
【I:アンダンテ・ソステヌート/II:アレグロ・ジョコーソ】
ヴァイオリン協奏曲第2番 Sz112
【I:アレグロ・ノン・トロッポ/II:アンダンテ・トランクイロ/III:アレグロ・モルト】
【演奏】
イザベル・ファウスト(ヴァイオリン/1704年製スリーピング・ビューティ(ストラディヴァリウス))
ダニエル・ハーディング(指揮)、スウェーデン放送交響楽団
【録音】
2012年4月、ベルヴァルトホール(ストックホルム)
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