【WERGO】グレーテ・スルタンの芸術~“ピアノ・シーズンズ”
掲載: 2013年06月27日 12:19
更新: 2013年06月27日 12:37

ケージと親交のあった女性ピアニスト、グレーテ・スルタンの軌跡をたどる
古典派からケージ作品までを網羅したボックス登場!
一柳慧作品の初録音も含む!
グレーテ・スルタン(1906-2005)は、古典および現代音楽の名高い解釈者で、ケージと親交があったピアニストとしても名を遺す、20世紀の最も重要な音楽家のひとりといえるでしょう。1906年、ベルリン在住のユダヤ系の上流家庭に生まれましたが、戦争の影響を受け、1941年にニューヨークに亡命し、この地でピアニスト、教師として活躍しました。1969年にはニューヨークで「ゴルトベルク変奏曲」の演奏会を開催。当時は15曲目のあとに休憩をはさみ(トゥーレックやランドフスカらも休憩をはさみました)、休憩後、まずアリアを弾いてから再開するというスタイルがとられることが多かった当時に、全曲を通しで休憩なしで、しかも繰り返しも実施、もちろんそのたびに装飾も変える、といったことを敢行したのは彼女でした。
また、ニューヨークで彼女が住んでいたアパートの一階上の部屋にはカニングハムが住んでいて、そこをしばしば訪れていたケージと出会い、彼女はケージのよきチェス仲間となりました。そして、ケージがもっとも信頼をおく音楽家の一人として活躍するようになりました。スルタンは、古典も現代も一切の違いを感じさせず、「実験的」あるいは「難解」とされるシェーンベルクやケージの作品を、詩的情緒をもって演奏することができる稀有な芸術家として貴重な存在だったといえるでしょう。
この「ピアノ・シーズンズ」ボックスは、グレーテ・スルタンの初出音源を含む音源集で、その作品ジャンルは、バロック、古典、ロマンから現代音楽まで、広域にわたっていますが、どれもがスルタンらしい演奏となっています。歴史の波に翻弄されながらも芸術の道を歩み続けた一人の女性ピアニストの軌跡をたどる、貴重なボックスセットといえるでしょう。
※一柳慧の「ジョン・ケージの思い出に」は初録音というのも注目ポイントです。
【曲目】
[CD1] バロック音楽
J.S. バッハ:ゴルトベルク変奏曲 ( 録音:1959 年)
[CD2] 古典派の音楽
ベートーヴェン:ディアベッリ変奏曲op.120、6 つのバガテルop.126(録音:1969 年)
[CD3] ロマン派の音楽
シューベルト:ソナタ イ短調 op.42(D845)(録音:1969 年)
シューマン:幻想曲 ハ長調 op.17(録音:1969 年)
[CD4]20 世紀の音楽
シェーンベルク(1894-1951):5 つのピアノ小品op.23(録音:1990 年)
コープランド(1900-1990):ピアノ・ソナタ(録音:1969 年)
ベン・ウェーバー(1916-1979):ピアノのためのエピソード(録音:1986 年)
ステファン・ウォルペ(1902-1972):ピアノのための形式(録音:1972 年)
アラン・ホヴァネス(1911-2000):Yenovk(録音:1969 年)
ジョン・ケージ(1912-1992):危険な夜(録音:1969 年)
一柳慧(b.1933):ジョン・ケージの思い出に(録音:2000 年)*世界初録音
【演奏】
グレーテ・スルタン(ピアノ)
カテゴリ : ニューリリース