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小谷美紗子、6年振りとなるフルアルバム

小谷美紗子


小谷美紗子の前作『ことの は』から3年振り、フルアルバムとしては『out』以来6年振りのリリースとなる本作は、東日本大震災以降の2年間(うち1年は創作に専念)のライヴ活動の中で生まれた曲で構成されている。この歴史的な災害/事故の3.11を境に、小谷の想いは大きくシフトチェンジした。果てのない闇の宇宙を垣間みせていた今までから、その先に希望を見いだし、外側=みんな、に向けて歌い始めた。
ざらついたサウンドに不思議な浮遊感がただよう原発問題ソングM1、ピアノとタイトなリズムで高揚感あふれる民族・領土問題M2と社会性のあるメッセージのあとは、アルバム唯一のラブ・ソングM3、そして、前向きな言葉がストレートに綴られた“新生”小谷美紗子を象徴するM4と続く。3.11を歌ったドラマチックなM8は、ある意味、本作のハイライトとも言える。必聴だ。70年代SSWの空気をまといつつ、時にはR&R、エモーショナルに、数年来<Odani Misako Trio>として活動を共にしているドラムス玉田豊夢、ベース山口寛雄のグルーヴとが生み出す音世界。しなやかさ、優しさ、大きな愛で包む新しい小谷ワールドをぜひ聴いてほしい。

タグ : J-インディーズ

掲載: 2013年12月13日 17:36

更新: 2013年12月13日 17:44