レコード・アカデミー大賞の名盤から10年~ゲルギエフのショスタコーヴィチ:交響曲第4番、第5番、第6番再録音!
掲載: 2014年05月01日 11:15

2000年代前半にフィリップス・レーベルに録音され、第4番はレコードアカデミー賞大賞も受賞したゲルギエフのショスタコーヴィチ:交響曲録音集。あれから10年余り、レーベルをマリインスキーに移して録音が続けられましたが、遂に4、5、6番の再録音が登場します。今年上半期最大級の新作登場です!
ゲルギエフ&マリインスキー劇場管がショスタコーヴィチの交響曲第4、5、6番を再録しました。旧録のフィリップス盤は4番が2001年11月、5番が2002年6月、6番が同年5月に同じオーケストラと録音され、4番は2004年度レコード・アカデミー賞大賞を受賞しています。
今回は約10年を経ての再録音。ゲルギエフの円熟ぶりと、手兵マリインスキー劇場管を完全に手中に収めた神業の完成度を披露してくれます。
第4番はセッション録音。いずれの楽章も速くなっていますが、ことに第3楽章は2分以上も短くなり、楽章後半のスピード感とノリの良さを増しています。さらに第2楽章後半のフーガはゲルギエフならではの計算され尽くした緻密さで、人工美の極み。全体に高評価を受けた旧盤をはるかにしのぐ魔術的な出来となっています。
第5番は第1楽章と第3楽章が旧盤より1分ほど速くなり、全体に最盛期のムラヴィンスキーのテンポ設定に近くなっているのが興味津々。ゲルギエフは来日公演も含め、この曲を頻繁に演奏しているため、解釈もこなれ説得力満点。急速楽章での巨大な盛り上がりはゲルギエフの独壇場ですが、ゆっくりとした楽章での緊張感の持続も凄いとしか言いようがありません。この作品の背景については諸説ありますが、21世紀も10年が過ぎた現在、ゲルギエフが再びムラヴィンスキーの解釈に立ち返ろうとしているのは象徴的なことと申せましょう。
第6番は、大編成の管弦楽ながら室内楽を思わせる透明さと、管楽器のソロ的な活躍の多い難曲。第1楽章の透明感はゲルギエフならではのバランス感覚で、叙情美にひたれます。またショスタコーヴィチの職人芸が光る急速なフィナーレは、ムラヴィンスキー盤を思わすスピード感と漸進性に興奮させられます。ことにコーダの狂喜乱舞ぶりは、物凄いエネルギーを放出しつつも、空々しい不気味ささえ湛えていて印象的。録音の良さでマリインスキー劇場管の巧さも光ります。今年上半期最大級の新譜登場と申せましょう。ご期待下さい。(キングインターナショナル)
【曲目】
ショスタコーヴィチ:
・交響曲第4番 ハ短調 Op.43
・交響曲第5番 ニ短調 Op.47
・交響曲第6番 ロ短調 Op.54
【演奏】
ワレリー・ゲルギエフ(指揮)
マリインスキー劇場管
【録音】
4番:2013年6月24~27日
5番:2012年6月5、9、14日(ライヴ)
6番:2013年6月21、23、26日(ライヴ)
マリインスキー・コンサート・ホール
各曲の演奏時間の変化は以下の通り。
交響曲第4番
新録音 旧録音
第1楽章27’06” 28’58”
第2楽章 7’40” 8’01”
第3楽章24’54” 27’10”
交響曲第5番
新録音 旧録音 ムラヴィンスキー(1973東京)
第1楽章15’04” 16’25” 14’50”
第2楽章 5’08” 5’14” 5’04”
第3楽章13’49” 14’44” 13’04”
第4楽章11’00” 11’37” 11’07”
交響曲第6番
新録音 旧録音
第1楽章18’38” 18’52”
第2楽章 5’16” 6’46”
第3楽章 6’31” 6’47”
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