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イギリスの新鋭ティチアーティによる驚きの新解釈『新世界より』の知的名演!

イギリスの若手指揮者ナンバーワン、ロビン・ティチアーティ(1983~ )が、首席客演指揮者を務めるバンベルク交響楽団を振ってドヴォルザークの交響曲第9番『新世界より』を録音しました。サンプルCDRを聴き、あまりにも有名で演奏され尽くしてきた『新世界より』が猛烈にリフレッシュしていることに驚かされました。
真っ先に気付くのが、楽譜に書かれた全てのパートがくっきりと演奏されていること。主旋律を奏でる楽器に対旋律を奏でる楽器が実に意味深く重なり、文字通りシンフォニックな面白さを堪能させてくれます。当たり前のことかも知れませんが、ルーティンな演奏に陥りがちなこの作品においては非常に新鮮に聴こえます。録音でこのようなことを実感させてくれた元祖を辿れば、モノーラル時代のチェコの大指揮者、ヴァーツラフ・ターリヒに行き着くのではないでしょうか。
第2に、細部の解釈が非常に凝っていること。第1楽章に現れる3つの主題の描き分けは、どの指揮者も表情付けに腐心するところですが、ティチアーティは緩急の対照をあまりつけずに、音量の強弱や音色の硬軟で繊細に描き、かつ3つ目の主題(小結尾主題)では予想外の奏法(ネタバレになるので伏せます)を指示して聴き手を驚かせます。
第3に、前述した音量の強弱の幅が極めて大きいこと。第2楽章冒頭のイングリッシュ・ホルンの歌、第4楽章第2主題のクラリネットなど、時に聴こえるか聴こえないかギリギリなくらいに音量を落とし、聴き手に注目を喚起します。第4楽章では、その後音楽がみるみる盛り上がるので、その演奏効果も凄まじいものがあります。
第4に、バンベルク交響楽団の精妙な合奏技術と、それを精密にコントロールするティチアーティの指揮ぶり。上記第1から第3の要求をこなすには、楽員1人1人に高い演奏技術と豊かな音楽性が求められますが、バンベルク交響楽団のメンバーは指揮者の高い要求に見事に応えています。また、ティチアーティの指揮も、歌わせ方、強弱、緩急などを知的にコントロールしており、これだけ表現し尽くしながら全体としては洗練されたフォルムを獲得しています。
これは『新世界より』としての解釈というよりも、作曲家が魂の表現として委曲を尽くして作曲した『交響曲』としての解釈というべきでしょう。ティチアーティはドヴォルザークの交響曲第9番『新世界より』を見事に再評価して見せたのです。(タワーレコード)

【曲目】
ドヴォルザーク:
(1)交響曲第9番 ホ短調「新世界より」Op.95
(2)アメリカ組曲 イ長調Op.98b
(演奏タイミング (1)[12:17][11:50][8:07][11:52]、(2)[5:30][4:49][4:34][4:17][3:22])
【演奏】
ロビン・ティチアーティ(指揮) バンベルク交響楽団
【録音】
2013年12月、バンベルク・コンツェルトハレ「ヨゼフ・カイルベルト・ザール」

カテゴリ : ニューリリース | タグ : 高音質(クラシック) SACDハイブリッド(クラシック)

掲載: 2015年01月16日 15:00