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ゲルギエフ~ショスタコーヴィチ:交響曲9番、再録音&カヴァコスとのヴァイオリン協奏曲第1番

ゲルギエフ~ショスタコーヴィチ:交響曲9番&ヴァイオリン協奏曲第1番

ゲルギエフ&マリインスキー管がショスタコーヴィチの交響曲第9番を再録しました。旧録のフィリップス盤は2002年5月録音で、発売時「レコード芸術」誌特選に輝きました。その際は交響曲第5番とのカップリングでしたが、批評では9番の演奏の方がおおむね高い評価を受けていて、ゲルギエフ向きの作品とみなされていました。
今回は10年を経て、ゲルギエフの円熟ぶりと、手兵マリインスキー管を完全に手中に収め変幻自在な神業を示しています。カップリングはレオニダス・カヴァコスを独奏者に迎えたヴァイオリン協奏曲第1番というのも注目です。
ショスタコーヴィチの交響曲第9番は、第2次世界大戦の勝利を祝うために1945年に作曲され、ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィルにより初演されましたが、勝利を祝う壁画的作品を期待されていたにもかかわらず、軽妙で人を小馬鹿にしたような作風だったため、ショスタコーヴィチは強い非難を受けることとなりました。初演者ムラヴィンスキーも不快感を示し、その後演奏しなかったため録音が残っていません。
「レコード芸術」特選の批評で、宇野功芳氏は第1楽章を「真摯なジョーク」、第2楽章を「誠実に作曲者の内面の苦しみを追い」、第3楽章を「狂的な音楽を緻密に音化」、そしてフィナーレを「ぼくはこの部分の音楽もゲルギエフの指揮も大好きだ」と絶賛。一方小石忠男氏も「恐るべき才人の音楽である」として、「カップリングの第5番以上に立派な演奏といえるかも知れない」と絶賛。それ以上の円熟と自在ぶりを示す新録音。ショスタコーヴィチの屈折した心を絶妙に表現、決して軽妙な音楽でない驚くべき境地を見せています。
さらに期待がヴァイオリン協奏曲第1番。ゲルギエフお気に入りのカヴァコスが、異様な緊張感を持続、精妙極まりない第3楽章のパッサカリアではゲルギエフの魔術全開。協奏曲というよりヴァイオリン独奏を含む交響曲のような仕上がりとなっています。
(キングインターナショナル)

ヴァレリー・ゲルギエフ&マリインスキー劇場管弦楽団

【収録曲】
ショスタコーヴィチ:
1.交響曲第9番 変ホ長調 Op.70
2.ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 Op.77
【演奏】
レオニダス・カヴァコス(Vn)
ワレリー・ゲルギエフ(指揮)
マリインスキー劇場管
【録音】
2012年6月16,18日(1)
2012年6月17,18日(2)
マリインスキー・コンサート・ホール

カテゴリ : ニューリリース | タグ : SACDハイブリッド(クラシック) 高音質(クラシック)

掲載: 2015年03月25日 17:45