ホーレンシュタインが英ユニコーンに遺したマーラー、ブラームス、etcが廉価ボックス化
いわゆる「両大戦間」に青年時代を過ごしたヤッシャ・ホーレンシュタイン(1898年5月6日~1973年4月2日)は、世代的に新即物主義的(ノイエ・ザッハリヒカイト)な価値観の持ち主でした。
指揮者ではパウル・ヒンデミット(1895~1963)、ハンス・ロスバウト(1895~1962)、ジョージ・セル(1897~1970)、パウル・クレツキ (1900~1973)、ハンス・シュミット=イッセルシュテット (1900~1973)といった人々と同世代であり、ほぼ同じ時代と地域で活動を開始しています。
ホーレンシュタインはキエフでユダヤ系の家系に生まれましたが、1911年に家族とともにウィーンに移り、同地でシュレーカーに師事しています。その後、ベルリン高等音楽院で学び、指揮者デビュー後はフルトヴェングラーの助手を務めました。1920年代には早くもベルリン・フィルやベルリン国立歌劇場管を指揮し、ブルックナーの交響曲第7番やマーラーの『亡き子を偲ぶ歌』などを録音しています。しかし、1933年にナチスが政権を掌握するとドイツを去り、1940年に渡米しアメリカ国籍を取得しました。
戦後はヨーロッパ楽壇に復帰し、各地の一流オーケストラに客演。ブルックナー、ブラームス、マーラーなどのドイツ・ロマン派の楽曲に、知的かつ情熱的でスケール雄大な名演奏を示しました。
今回のスクリベンダム盤は、ホーレンシュタインがイギリスのユニコーン・レーベルに録音したドイツ・ロマン派~新即物主義作品をまとめたものです。とくにマーラーの交響曲3曲はLP時代より高い評価を得ていたものです。このセットは彼の最も得意とするレパートリーを収めていることと、ロンドン、コペンハーゲン、ストックホルムとヨーロッパ各地に客演する彼の姿を収めていることで、彼を知る上で欠かすことのできないセットとなっています。
(タワーレコード)
The Art of Horenstein
CD1
ブラームス
交響曲第2番ニ長調,op.73
デンマーク放送交響楽団
Recording: 16th March 1972, live performance at the Denmark Radio Concert Hall in Copenhagen
CD2
マーラー
交響曲第1番ニ長調
ロンドン交響楽団
Recording: 29th and 30th September 1969, Barking Assembly Hall, London
R.シュトラウス
交響詩「死と変容」
ロンドン交響楽団
Recording: 29th July 1970, Fairfield Halls, Croydon
CD3
マーラー
交響曲第3番ニ短調(第1-5楽章)
CD4
マーラー
交響曲第3番ニ短調(最終楽章)
ロンドン交響楽団
ワンズワース・スクール少年合唱団
アンブロジアン・シンガーズ
Recording: 27th-29th July 1970, Fairfield Halls, Croydon
交響曲第6番イ短調(第1-3楽章)
CD5
マーラー
交響曲第6番イ短調(最終楽章)
ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団
Recording: 15th & 17th April 1966, live performances at the Stockholm Concert Hall
ヒンデミット
交響詩「画家マティス」
ロンドン交響楽団
Recording: 19th May 1972, Walthamstow Town Hall, London
カテゴリ : ニューリリース | タグ : ボックスセット(クラシック)
掲載: 2015年04月17日 18:30