ネシリング&リエージュpo.~レスピーギ第3弾! メタモルフォーゼ、地と精のバラード、ベルキス(SACDハイブリッド)
「ローマ三部作」の作者として知られるレスピーギは、サンタ・チェチーリア音楽院で管弦楽法の教鞭をとっていただけに、緻密にして華麗、そしてド迫力のオーケストラ作品を幾つも残しています。しかしながら国際的な名声を得た「ローマ三部作」、そして「シバの女王ベルキス」がブラス関係で取り上げられる以外は、その取り上げられ方は不当ともいえるほど少ないものです。それでも近年マイナー・レーベルを中心に作品の再評価が進み、徐々にではありますが、録音も増えてきました。
録音に定評のあるBISがレスピーギの管弦楽作品を取り上げるにあたり演奏を託されたのが、ベルギーの名門リエージュ・フィルと、同レーベルの好企画ヴィラ=ロボスのショーロス作品集で指揮を務めたジョン・ネシリングのコンビ。フランスのオケを思わせるリエージュ・フィルの音とネシリングのパワー溢れる指揮は、レスピーギ作品との相性ピッタリ。前2作(BISSA1720…「ローマ3部作」、BISSA2050…ブラジルの印象&風変わりな店)では、曲の持つ迫力と緻密さを表現しきりました。そしてクオリティーの高い録音はその音を余す所無く拾い上げています。今回の録音も楽しみな限りです。
このCDに収められた3曲は、レスピーギが晩年にしたためた、集大成のような作品が揃います。1曲目の「第12旋法によるメタモルフォーゼ」は、1930年のボストン交響楽団創立50周年記念のための依嘱作品で、重厚なバロック~古典風味のメロディーが、これまた分厚いオーケストレーションにより様々な変化を繰り返す作品。2曲目「地と精のバラード」はローマの松を思わせるオープニングから僅か10分強ながら豪快な管弦楽を擁する作品として、レスピーギ・ファンの間では有名です。そしてトリを務めるのはレスピーギが最後に手がけたバレエ音楽「シバの女王ベルキス」。ブラス・ファンの間では既にご存知の方も多い作品で、レスピーギ屈指の大迫力作品で、面白い事間違いなしです。
【収録曲】
オットリーノ・レスピーギ:
1.第12旋法によるメタモルフォーゼ(1930)
2.地と精のバラード(1920)
3.シバの女王ベルキス(1934)
【演奏】
ジョン・ネシリング(指揮)
リエージュ・フィルハーモニー管弦楽団
【録音】
2014年6月 フィルハーモニーホール(リエージュ)※セッション
カテゴリ : ニューリリース | タグ : SACDハイブリッド(クラシック) 高音質(クラシック)
掲載: 2015年05月21日 12:42