注目アイテム詳細

グレン・グールドの2つのバッハ:ゴルトベルク変奏曲録音が180グラムLPレコードで復活!

グールドのゴルトベルク変奏曲LPレコード

グレン・グールド・リマスタード
アナログLP 2タイトル

(1)バッハ:ゴールドベルク変奏曲[1955年]

【完全生産限定盤】
既定数に達し次第、予約を終了させていただきます。
予めご了承ください。
【アナログLP】
【仕様】
・180グラムの重量盤プレス
・アメリカ初出盤ジャケット・デザイン(予定)(ダブルゲイトフォールド仕様ジャケット予定)
・アメリカ初出盤レーベル・デザイン(予定)

若きグレン・グールドの名を一躍世界的なものにした1955年録音のデビュー・アルバム「ゴールドベルク変奏曲」。そしてグールドが生涯を閉じる約1か月前、1982年9月に発売され、生前に発売された最後のアルバムとなった「ゴールドベルク変奏曲」。バッハの「ゴールドベルク変奏曲」は、まるで円環を閉じるようにグールドの生涯を縁取り、その独自の音楽を考える上で欠くことのできない作品です。グールドの全正規録音を新たなDSDマスタリングにより81枚組のボックス・セットとして発売する「グレン・グールド・リマスタード」の一環として、グールドの最も有名な録音であるこの2種類の「ゴールドベルク変奏曲」がヨーロッパ・プレスの重量盤LPとして登場いたします。
1955年盤は、20世紀に輝かしい足跡を残した録音アーティストとしての出発点となったグールド最初の「ゴールドベルク変奏曲」。ソニー・クラシカル秘蔵のオリジナル・アナログ・マスターから新たにトランスファーした音源を使ってプレスされる予定です。
まるで、この作品の30の変奏曲をあらわすかのように、録音セッション中のグールドの写真30葉が使われた有名なジャケットも再現されています。

【収録曲】
J.S.バッハ:ゴールドベルク変奏曲BWV988
グレン・グールド(ピアノ)

[オリジナル・レコーディング]
[録音]1955年6月10日、14日~16日、ニューヨーク、コロンビア30丁目スタジオ(モノラル)
[プロデューサー]ハワード・H・スコット
[米国初出]1956年1月3日
Original Producer: Howard H. Scott
Recorded June 10, 14-16, 1955, Columbia 30th Street Studio, New York City
Original Catalog Number: ML5060
Original Release date: January 3, 1956


(2)バッハ:ゴールドベルク変奏曲[1981年]

【初回生産限定盤】
既定数に達し次第、予約を終了させていただきます。
予めご了承ください。
【アナログLP】
【仕様】
・180グラムの重量盤プレス
・アメリカ初出盤ジャケット・デザイン(予定)(ダブルゲイトフォールド仕様ジャケット予定)
・アメリカ初出盤レーベル・デザイン(予定)
・CBSマスターワークスの金色のレーベル・ステッカーも再現予定

1981年録音は、グールドがその生涯を閉じる約1か月前、1982年9月に発売され、グールドの生前に発売された最後のアルバムとなった2回目の「ゴールドベルク変奏曲」です。
この1981年盤は初期のデジタル録音としても有名で、LPだけでなくCDも発売されました。その際LPのカッティングにもCD用のデジタル・マスターが使われましたが、今回のLPプレスに当たっては、そのデジタル・マスターではなく、デジタル・マスターと並行して収録されていたアナログ・マスター素材からグールドやサミュエル・H・カーターの使った編集用のスコアをもとに編集しDSD化した音源が使われています。アナログ・レコーディング完成期ならではの、のびやかで安定感のある音楽的なサウンドは、グールドの超絶的に美しいピアノ・サウンドを再現しています。
晩年のグールドの透徹した表情を捉えた有名な初出盤のダブル・ジャケットを再現しています。

グールドのゴルトベルク変奏曲1981年録音

 

グレン・グールド(ピアノ)

[録音]1981年4月22日~25日、5月15日、19日、29日、ニューヨーク、コロンビア30丁目スタジオ

[オリジナル・レコーディング]
[プロデューサー]グレン・グールド、サミュエル・H・カーター
[レコーディング・エンジニア]スタン・トンケル、ジョン・ジョンソン、レイ・ムーア、マーティン・グリーンブラット
[リイッシュー・プロデューサー&DSDマスタリング・エンジニア]ルイーズ・デ・ラ・フエンテ
[リイッシュー・エンジニア]アンドレアス・K・マイヤー
Producers: Glenn Gould, Samuel H. Carter
Engineers: Stan Tonkel, John Johnson, Ray Moore, Martin Greenblatt
Recorded April 22-25, May 15, 19 and 29, 1981, Columbia 30th Street Studio, New York City
Re-issue Producer & DSD Mastering: Louise de la Fuenete
Engineer: Andreas K. Meyer
Original Catalog Number: IM37779
Original Release date: September 1982

アナログからデジタルまで――グールドの全仕事を再体験する
宮澤淳一 (青山学院大学総合文化政策学部教授)

グレン・グールドが他界してから、今年の秋で33年になる。
録音や映像に残された彼のピアノ演奏をリアルタイムで聴き込んできた人もいれば、死後にファンになった人も多いだろう。あらゆる録音や映像を買いそろえ、新しい関連書は必ず手を取る人もいれば、いくつかのディスクとの幸せな出会いを経て、それらを集中的に愛聴している人もいるかもしれない。「グレン・グールド・リマスタード」と題された今回の一連のリリースは、あらゆるグールド・ファンにとって、意義深い企画だ。
まず、『ザ・コンプリート・ソニークラシカル・アルバム・コレクション』というグールドの全正規盤を紙ジャケCD81枚にまとめた企画。「全集」をひもとくことは、その作家や芸術家の仕事の全体像を理解することだが、今回の企画はその営みにふさわしい。2007年にも80枚組で同様の紙ジャケ盤全集が発売されたが、今回は全録音をオリジナル・アナログ・マスターから新しくDSDリマスタリングしたそうで、CDというメディアで現在望む限り最良の音質でグールドの録音を楽しめることになる(収録音源の異同はリリース資料をご参照ください)。
また、今回は400ページを超える大判の別冊解説書が付く。校正刷りをデータで拝見したところ、各ジャケット写真が大きく掲載され、各盤裏面の英文解説の再録もある。アーカイヴに眠っていた貴重なアーティスト写真も満載で、初出と思われるものも少なくない。
解説書について、個人的には、全LP盤のレーベル・コピーがそのまま複写掲載されていることを歓迎したい。レーベル・コピーとは、ディスクの「戸籍」にあたるもので、初出時の、カタログ番号、マトリクス番号、曲目、演奏者、録音日、発売日等のすべての基礎データが書かれたカードである。「戸籍」ゆえに原則社外秘だったものが、今回、こうして全公開されるのは夢のようだ。タイプで印字され、変色した1枚1枚のカードに時代の空気が漂っている。
そして今回の全集には、『24/44.1ハイレゾ・ファイルUSB』というUSBメモリーも発売される。ハイレゾとMP3の両方のデータが入手できるので、あらゆるデジタル・デバイスでグールドの全録音が楽しめることになる。ピアノ型の箱も凝っている。
加えて、今回の企画は、アナログ派にも配慮がある。グールドのトレードマークとも言える2つの《ゴールドベルク変奏曲》――1955年のデビュー盤と1981年の再録音盤――がアナログのLP盤として“再発売"されるのだ。
初出時と1つ違う点は音源だ。デビュー盤はオリジナル・アナログ・マスターから新たにトランスファーした音源を用いる。再録音盤の方はもっと凝っていて、技術的には開発途上にあった当時のデジタル録音ではなく、念のため同時にまわしてあったアナログ・テープのマスター素材から“復元"編集をした音源を用いている。両者ともに試聴が楽しみだが、後者アナログ・マスターの場合、LP盤に用いてこそ最良の相性が発揮されるのではないかと期待が高まる(今回のCD全集の再録音盤も、この“アナログ"音源だ)。
もっとも、LP盤で楽しみなのは音質だけではない。LP盤は高級な再生機で一部のオーディオ・マニアが楽しむものだから……と思っている人もいるかもしれないが、簡易な機材でもよいから、LP盤をまわして針を落としてグールドのピアノを聴くと体験をしてみたらどうだろう。グールドも、グールドの同時代人も、そういう所作を繰り返しながら1枚1枚の録音に耳を傾けていたのだ。何か発見があるはずだ。
最後に、名前だけは知っていたり、周囲に熱心な人がいて、気になっているが、(あまり)聴いたことのない人にも今回の企画は配慮がある。『ザ・サウンド・オブ・グレン・グールド』という上記CD全集からのハイライト盤もリリースされる。聴いたことのない曲目の出会いにもなるし、DSD方式の音質を確かめてから「全集」の購入を検討したい人にも参考になるだろう。
(2015年5月)

カテゴリ : ニューリリース | タグ : 高音質(クラシック) クラシックLP

掲載: 2015年05月29日 19:30

更新: 2015年07月29日 19:30