ヘンリク・シェリング~ヴァイオリン協奏曲BOX(13枚組)
20世紀後半を代表するヴァイオリニスト、シェリング(1918~1988)が旧フィリップス・レーベルとDGに録音したヴァイオリン協奏曲25曲を13枚のCDに収めたBOXが登場。ブラームスとメンデルスゾーンは60年代と70年代の2種の演奏を収録。この名手の充実しきった名演をたっぷり楽しむことができます。
CD1は得意のバッハ作品。ヴァイオリン協奏曲第1&2番は3度目のセッション録音で、若き日の巨匠マリナーとの共演。アナログ末期の録音の美しさでも話題となりました。
CD2のヴィヴァルディ“四季”はシェリングならではの端正な歌いくちが魅力の名盤ですが、別アルバムから“調和の霊感”の2曲がカップリングされていることも注目されます。有名な第6番イ短調をシェリングほどの名手の演奏で聴けるのは貴重です。
CD3と4はモーツァルトのヴァイオリン協奏曲全集。モダン楽器演奏の理想像を示した録音です。第1番と第2番のカデンツァを、この録音のプロデューサー、エリック・スミス(指揮者シュミット=イッセルシュテットの息子)が作曲しています。
CD5と10でハイティンク指揮コンセルトヘボウ管弦楽団と共演したベートーヴェン、ブラームス、メンデルスゾーンのいわゆる三大ヴァイオリン協奏曲が揃います。
CD6はアラウ、シュタルケルら名手と共演したベートーヴェンのトリプル、ブラームスのドッペルの組み合わせ。2014年にタワーレコード限定盤(PROC-1515)として復刻して好評を博したアルバムが入っています。
CD7と8はパガニーニのヴァイオリン協奏曲が3曲とラロのスペイン交響曲を収録。これらの作品が要求する名人芸と多彩な音色を駆使し、完璧に、かつ情熱的に弾き上げた名品です。長い間忘れられていたパガニーニの第3番はシェリングが1971年に復活蘇演した作品でもあります。
CD9と11は米マーキュリー時代の1960年代のシェリングの姿を記録したもの。若きシェリングの張り詰めた緊張感のある演奏を、マーキュリーならではのエッジの効いたサウンドで堪能することができます。
CD12はフランス、パリで学んだシェリングのラテン的な感覚が存分に発揮された1枚。サン=サーンス、ラヴェルとも、それぞれの作品のベストを争う名盤です。
CD13にはハイティンク指揮のメンデルスゾーン(CD10)と同時に録音されたチャイコフスキーと、DGに録音したベルクのヴァイオリン協奏曲がカップリングされています。チャイコフスキーでの格調の高い弾き方は、この作品としては異色の再現と言えるでしょう。巨匠クーベリックと共演したベルクのヴァイオリン協奏曲は現在廃盤だけに、ここでの復活は喜ばれることでしょう。
(タワーレコード)
ヘンリク・シェリング
1918年ポーランドのワルシャワ近郊で生まれる。レオポルド・アウアー門下のモーリス・フレンケルに師事。9歳の時フーベルマンに認められ、ベルリンでカール・フレッシュに師事。ヨーロッパ演奏旅行で成功するも、さらに作曲や哲学に打ち込む。46年にメキシコの市民権を得、教育に専心するが、56年にルービンシュタインと出会い、再び第一線で活躍する。思索に富んだ厳しい演奏で、戦後を代表するヴァイオリニスト。
(音楽出版社)
CD 1
J.S.バッハ(1685-1750)
ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調, BWV 1042
ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調, BWV 1041
2台のヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調, BWV 1043*
管弦楽組曲第3番 ニ長調, BWV 1068 ~エア
ヘンリク・シェリング(ヴァイオリン)
モーリス・アッソン*(ヴァイオリン)
アカデミー室内管弦楽団
サー・ネヴィル・マリナー指揮
ADD
Recording: London, 6/1976
CD 2
ヴィヴァルディ(1678-1741)
ヴァイオリン協奏曲集“四季”
協奏曲集“調和の霊感”~第6番 イ短調 Op. 3,6 RV 356
協奏曲集“調和の霊感”~第9番 ニ長調 Op. 3,9 RV 230
ヘンリク・シェリング(ヴァイオリンと指揮)
イギリス室内管弦楽団
(P) 1969 (Nos. 1-4) / 1976 Universal International Music BV
CD 3
モーツァルト(1756-1791)
ヴァイオリン協奏曲第1番 変ロ長調, K. 207
Cadenzas: Erik Smith
ヴァイオリン協奏曲第2番 ニ長調, K. 211
Cadenzas: Erik Smith
ヴァイオリン協奏曲第3番 ト長調, K. 216
Cadenzas: Sam Franko
アダージョ ホ長調, K. 261 ~ヴァイオリンと管弦楽のための
ヘンリク・シェリング(ヴァイオリン)
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
アレグザンダー・ギブソン指揮
ADD
Recording: London, 11/1969 (K. 216); 1/1970 (K. 207, 211, Adagio)
CD 4
モーツァルト(1756-1791)
ヴァイオリン協奏曲第4番 ニ長調, K. 218
Cadenzas: Joseph Joachim
ヴァイオリン協奏曲第5番 イ長調“トルコ風”, K. 219
Cadenzas: Joseph Joachim
ロンド 変ロ長調, K. 269 ~ヴァイオリンと管弦楽のための
ロンド ハ長調, K. 373 ~ヴァイオリンと管弦楽のための
ヘンリク・シェリング(ヴァイオリン)
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
アレグザンダー・ギブソン
ADD
Recording: London, 4/1966 (K. 219); 1/1970 (K. 218, Rondos)
CD 5
ベートーヴェン(1770-1827)
ヴァイオリン協奏曲ニ長調, Op. 61
Cadenzas: Joseph Joachim
ロマンス第1番 ト長調, Op. 40
ロマンス第2番 ヘ長調, Op. 50
ヘンリク・シェリング(ヴァイオリン)
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
ベルナルト・ハイティンク指揮
ADD
CD 6
ベートーヴェン(1770-1827)
ピアノ、ヴァイオリン、チェロのための三重協奏曲 ハ長調, Op. 56
クラウディオ・アラウ(ピアノ)
ヘンリク・シェリング(ヴァイオリン)
ヤーノシュ・シュタルケル(チェロ)
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
エリアフ・インバル指揮
ブラームス(1833-1897)
ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 イ短調, Op. 102
ヘンリク・シェリング(ヴァイオリン)
ヤーノシュ・シュタルケル(チェロ)
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
ベルナルト・ハイティンク指揮
ADD
Recording: London, 9/1970 (Beethoven); Amsterdam, 9/1970 (Brahms)
CD 7
パガニーニ(1782-1840)
ヴァイオリン協奏曲第1番 ニ長調, Op. 6
ヴァイオリン協奏曲第4番 ニ短調
ヘンリク・シェリング(ヴァイオリン)
ロンドン交響楽団
サー・アレクサンダー・ギブソン指揮
ADD
CD 8
パガニーニ(1782-1840)
ヴァイオリン協奏曲第3番 ホ長調
Cadenzas: Henryk Szeryng
ヘンリク・シェリング(ヴァイオリン)
ロンドン交響楽団
サー・アレクサンダー・ギブソン指揮
ラロ(1823-1892)
スペイン交響曲, Op. 21
ヘンリク・シェリング(ヴァイオリン)
モンテカルロ国立歌劇場管弦楽団
エドゥアルド・ヴァン・ルモーテル指揮
ADD
Recording: London, 1/1971 (Paganini); Monaco, 10/1969 (Lalo)
CD 9
シューマン(1810-1856)
ヴァイオリン協奏曲ニ短調
メンデルスゾーン(1809-1847)
ヴァイオリン協奏曲ホ長調, Op. 64
ヘンリク・シェリング(ヴァイオリン)
ロンドン交響楽団
アンタル・ドラティ指揮
バルトーク(1881-1945):ルーマニア民俗舞曲
ドビュッシー(1862-1918):レントより遅く
ノヴァーチェク(1866-1900):無窮動
ブラームス(1833-1897):ハンガリー舞曲第17番(クライスラー編)
マロキン(1909-1995):メキシコの子守歌
リムスキー=コルサコフ:(1844-1908):熊蜂の飛行
ヘンリク・シェリング(ヴァイオリン)
チャールズ・ライナー(ピアノ)
Recording: Watford Town Hall, Great Britain, 7/1964 (Schumann,Mendelssohn); Studio A of Fine Recording in New York, USA, 2/1963 (other)
CD 10
ブラームス(1833-1897)
ヴァイオリン協奏曲ニ長調, Op. 77
メンデルズゾーン(1809-1847)
ヴァイオリン協奏曲ホ短調, Op. 64
ヘンリク・シェリング(ヴァイオリン)
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
ベルナルト・ハイティンク指揮
ADD
Recording: Amsterdam, 4/1973 (Brahms); 6/1976 (Mendelssohn)
CD 11
ブラームス(1833-1897)
ヴァイオリン協奏曲ニ長調, Op. 77
ハチャトゥリアン(1903-1978)
ヴァイオリン協奏曲
ヘンリク・シェリング(ヴァイオリン)
ロンドン交響楽団
アンタル・ドラティ指揮
ADD
Recording: Watford Town Hall, Great Britain, 7/1962 (Brahms); 7/1964 (Khachaturian)
CD 12
サン=サーンス(1835-1921)
ヴァイオリン協奏曲第3番 ロ短調, Op. 61
ハバネラ, Op. 83 ~ヴァイオリンと管弦楽のための
序奏とロンド・カプリチオーソ, Op. 28 ~ヴァイオリンと管弦楽のための
ラヴェル(1875-1937)
ツィガーヌ ~ヴァイオリンと管弦楽のための
ヘンリク・シェリング(ヴァイオリン)
モンテカルロ国立歌劇場管弦楽団
エドゥアルド・ヴァン・ルモーテル指揮
ADD
Recording: Monte-Carlo, 10/1969
CD 13
チャイコフスキー(1840-1893)
ヴァイオリン協奏曲ニ長調, Op. 35
ヘンリク・シェリング(ヴァイオリン)
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
ベルナルト・ハイティンク指揮
ベルク(1885-1935)
ヴァイオリン協奏曲(1935)
ヘンリク・シェリング(ヴァイオリン)
バイエルン放送交響楽団
ラファエル・クーベリック指揮
ADD
Recording: Amsterdam, 6/1976 (Tchaikovsky); Munchen, Residenz, Herkulessaal, 5/1968 (Berg)
カテゴリ : ニューリリース | タグ : ボックスセット(クラシック)
掲載: 2016年06月29日 18:30