なんと30年ぶりに巨匠ワルターの秘蔵名盤復活!!『ワルター不滅のライヴ』(6枚組)
ライヴならではの激しい心の動きを持った「新世界」
ワルターの3種の「第九」の中ではこれが最高
ワルターの第1回目の「第一」(巨人)としての価値は高い
(モツレク)この最後の録音を最も高く評価したい
-宇野功芳氏の批評より
唯一のライヴ音源「新世界」、戦後初のライヴ「第九」、この曲の 1回目の録音「巨人」と最後の録音「モツレク」、さらにはルービンシュタイン、ミルシテイン、ヘス、ヴィトゲンシュタインとの協奏曲まで、プレミア級の秘蔵名演ライヴがついに復活!レコ芸特選になったCD4をはじめとして、世界初出音盤や世界初CDとなった貴重・稀少な音源ばかり!!
キングレコードの倉庫に眠っていた加キャヴィア(CAVIAR RECORDS)制作・提供のアナログ・マスターテープ(38cm/秒)から、キング関口台スタジオで30年ぶりにリマスタリング!最新デジタル技術でよみがえるファン垂涎の貴重・稀少音源にご注目ください!
(キングインターナショナル)
KKC 4119/24(6CD)
モノラル
6枚収納のマルチケース
日本語帯・解説付(12pブックレット 解説:宇野功芳/平林直哉)
<収録曲情報>
●・・・キングレコードから発売されたときの CDの番号(発売年月日)
★・・・この CDへの宇野功芳氏の批評。宇野功芳著『名指揮者ワルターの名盤駄盤』(講談社 +α文庫、1994年刊)より抜粋。
ブックレットにはこの批評全文を転載します。
【CD 1】ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調 作品 95「新世界より」
ブルーノ・ワルター(指揮)
ロスアンジェルス・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1942年7月16日ロスアンジェルス(ライヴ)
(お断り)このマスターテープでは第4楽章の冒頭 2小節が欠落しています。
●旧 CD=セブンシーズ K30Y-301 (1988.12.21) 世界初出音盤
★ライヴならではの激しい心の動きを持った「新世界」・・・65歳の指揮者の表現とは思えない。円熟から最も遠い演奏がここにある。そのワルターの人間味の、なんと魅力的なことであろう!
【CD 2】ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 作品 125「合唱付き」
ブルーノ・ワルター(指揮)
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、合唱団
イソベル・ベイリー(ソプラノ)
カスリーン・フェリアー(コントラルト)
ヘドル・ナッシュ(テノール)
ウィリアム・パーソンズ(バス・バリトン)
録音:1947年11月13日ロイヤル・アルバート・ホール、ロンドン(ライヴ)
●旧 CD=セブンシーズ K30Y-302 (1988.12.21) 初の CDとなった。「ロンドン交響楽団」と表記。
★ワルターの 3種*の「第九」の中ではこれが最高であろう。ライヴということもあって全曲を一貫した主張に最も筋が通り、曖昧さが見られないからである。とくに初めの二つの楽章の緊迫感がすばらしく、トスカニーニ的な迫力と推進力が見事だ。
*編注:ほかにニューヨーク・フィル 49年盤、コロンビア響 59年盤。1994年時点のディスコグラフィーに基づいています。
【CD 3】マーラー:交響曲第1番 ニ長調「巨人」
ブルーノ・ワルター(指揮)
NBC交響楽団
録音:1939年4月8日 8Hスタジオ、ニューヨーク(ライヴ)
●旧 CD=セブンシーズ K30Y-304 (1988.12.21) 世界初出音盤
★ワルターの第1回目の「第一」としての価値は高い。第1楽章の若々しいテンポの張りとコーダのものすごい加速、第2楽章の嵐のように荒れ狂うスケルツォと、まるでウィンナ・ワルツのように力を抜き、速いテンポで洒落た表現を示すトリオ、いつも積極的に語りかけるフィナーレ。
【CD 4】
1. ショパン:ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品 11
2. ゴルトマルク:ヴァイオリン協奏曲 イ短調 作品 28
ブルーノ・ワルター(指揮) ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団
アルトゥール・ルービンシュタイン(ピアノ)(1)
ナタン・ミルシテイン(ヴァイオリン)(2)
録音:1947年2月9日(1)、1942年11月1日(2)、カーネギー・ホール、ニューヨーク(ライヴ)
●旧 CD=セブンシーズ K30Y-309 (1988.12.21) 世界初出音盤。レコ芸特選盤に選出されました!
★実にロマンティックな解釈である。おそらくこの曲の数多いレコードの中で、最も確信に満ちた、立派な指揮ぶりといえよう。・・ルービンシュタインは例の骨太のタッチで大柄に弾いてゆく。若々しく、少しもいじけず、高音のきらびやかなことは無類だ・・(ショパン)/ミルシテインのすんなりした耽美、抜け切ったロマンティシズム、デリケートななつかしさが十二分に発揮されており、とくに両端楽章がチャーミングなニュアンスにみちみちている。(ゴルドマルク)
【CD 5】
1. ブラームス:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 作品 83
2. ラヴェル : 左手のためのピアノ協奏曲 ニ長調
ブルーノ・ワルター(指揮)
ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団(1)
アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団(2)
マイラ・ヘス(ピアノ)(1)
パウル・ヴィトゲンシュタイン(ピアノ)(2)
録音:1951年2月11日 カーネギー・ホール、ニューヨーク(ライヴ)(1)、1937年2月28日 コンセルトヘボウ、アムステルダム(ライヴ)(2)
●旧 CD=セブンシーズ K30Y-308(1)+ K30Y-306より(2) (1988.12.21) (1)は初の CD、(2)は世界初出音盤。
★ワルターが高く評価していた名ピアニスト、マイラ・ヘスとのライヴである。女流ながら構えが大きく、決然たる威厳にみち、すべての音が鳴り切ったシンフォニックな響きは男性的とさえいえよう。・・・ワルターの指揮も立派だ。終始、厚みと充実感と豊かな歌があり、むせるようなロマン、いじらしさ、熱狂的な追い込みなど、音楽を堪能させてくれる。(1)/ヴィトゲンシュタインは第1次世界大戦で右手を失ったオーストリアの名ピアニストで、ラヴェルにこの曲を依頼したのは彼である。演奏は実に美しい。素朴を極め、外面的な効果はいっさい狙わず、大切な音しか鳴らさない透明度の高い弾き方の中から、そこはかとない夢やポエジーや哀切さが漂ってくる。(2)
【CD 6】モーツァルト:レクイエム ニ短調 K.626(ジュスマイヤー版)
ブルーノ・ワルター(指揮) シカゴ交響楽団、合唱団
マリア・シュターダー(ソプラノ)
モーリン・フォレスター(アルト)
デイヴィッド・ロイド(テノール)
オットー・エーデルマン(バス)
録音:1958年3月13日 オーケストラ・ホール、シカゴ(ライヴ)
●旧 CD=セブンシーズ K30Y-310 (1988.12.21) 世界初出音盤
★彼の「レクイエム」の中では、この最後の録音を最も高く評価したい。・・・今回は遅めの一定したテンポで実に立派に全曲を造型している。威厳に満ち、内面の迫力は最高であり、スケールも大きい。そして「トゥーバ・ミルム」において、はるか彼方に手を差しのべるヴァイオリンの美しさ、「ラクリモーザ」における、心の中でしのび泣く前奏、「アニュス・デイ」の意味深い前奏など、名演奏が如実に迫ってくる。
カテゴリ : ニューリリース | タグ : ボックスセット(クラシック)
掲載: 2018年01月30日 00:00