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良質復刻!ディアギレフのバレエ・リュス時代が蘇る1916~1930年代録音集

バレエ・リュス録音集

名ピアニスト、アレクセイ・リュビモフが蒐集した良質なSPレコードを使用
モスクワ音楽院の実に音楽的な聴きやすい復刻音

世界初CD化を含む!
セルゲイ・ディアギレフのバレエ・リュス時代の音源が蘇る!
歴史的録音集 1916~1930年代

「バレエ・リュス」はフランス語で「ロシア・バレエ団」を意味する、20世紀初頭に一世を風靡したバレエ興行です。主催者は伝説的な興行主セルゲイ・ディ アギレフ(1872~1929)。ロシア出身で、作曲をリムスキー=コルサコフに学んだ彼は、音楽家の道を歩まず、その美的センスと鑑識眼、嗅覚を活か し、興行の道を歩みました。バレエ・リュスの立ち上げは1909年、パリ。それから亡くなるまでの20年間、自らの眼で選んだ若手の天才芸術家たちをコラ ボレートさせ、数多くの革新的なステージを生み出しました。彼の鑑識眼の高さは、バレエ・リュスの参加者の名前を挙げるだけでも、十分理解していただける ことと思います

ダンサー、振付師はニジンスキー、マシーン、リファール、バランシン。舞台装置や美術にはピカソ、マティス、ローランサン、シャネルといった、当時パリで 活躍していた前衛アーティストが起用されました。そして音楽は、サティ、ラヴェル、ファリャ、ストラヴィンスキー、プロコフィエフら、歴史に名を残す大作 曲家が新作を書き下ろしました。まさにバレエ・リュスは天才たちが集った「総合芸術」でした。そしてバレエだけでなく美術やファッション、音楽の世界にも 革新と興奮をもたらし、大きな影響を与えました。

今回モスクワ音楽院レーベルが復刻するのは1916年から1930年代にかけて、バレエ・リュスゆかりの演奏者がバレエ・リュス作品を演奏・録音した貴重な音源です。収録曲目は以下の通りです(カッコ内はバレエ・リュス初演の日時と会場)。

カルナヴァル  (1910年5月20日初演、ベルリン、ヴェステン劇場)
ペトルーシュカ  (1911年6月13日初演、パリ、シャトレ座)
道化師  (1921年5月17日初演、パリ、ゲテ・リリック劇場)
鋼鉄の歩み  (1927年6月7日初演、パリ、サラ・ベルナール劇場)
オーロラの結婚   (1922年5月18日初演、パリ、オペラ座)

とくに貴重なのはアンセルメがバレエ・リュスのアメリカ巡業時に米コロムビアにラッパ録音した《謝肉祭》、及びドゥフォセがエジソン・ベルに電気録音した《ペトルーシュカ》です。ともに、オリジナル編成のバレエ・リュス・オーケストラを指揮したもので、われわれは録音を通して90年前に解散したバレエ・リュス・オーケストラの演奏に接することができる訳です。《謝肉祭》は以前、フランスのDanteレーベルから復刻盤がでたことがありますが、《ペトルーシュカ》は世界初CD化となります!

古いSPレコードからの復刻ですが、今回のCDの音は流石モスクワ音楽院!と言える素晴らしい復刻音です。元録音のレンジを狭めることなく、スクラッチノイズはある程度残し、ポップノイズは徹底的に除去するという方法が取られ、非常に滑らかで、楽器の分離の良い、色彩的な音に仕上がっています。少し音像を膨らませていますが、嫌味にはなっておらず、オーケストラらしい音像を実現しています。リュビモフの個人コレクションである元のSPレコードの状態もおそらく素晴らしかったのでしょう。全般的に歪は少なく、最も古い1916年のラッパ吹き込み録音(アンセルメ指揮のカルナヴァル)での木管と弦楽器の分離、各打楽器の色彩感描出に驚かされます。

ブックレットも英語/ロシア語の解説が丁寧で、かつ、ご覧のように6ページに渡って当時の写真やポスター、衣装などが美しく印刷されています。


バレエ・リュス録音集

演奏もそれぞれ見事。バレエ・リュスの中心人物の一人だったアンセルメは後年と同じく見事なリズム感と統率力を見せています。同じくバレエ・リュス・オーケストラを振るデゥフォセは色彩豊かであるものの、少し流れがもたつくのがご愛嬌。続くヴォルフとコーツは当時の大指揮者だけに、当時のモダン楽曲、プロコフィエフを巧みな棒さばきで聴かせます。ラストのクルツによる《オーロラの結婚》はバレエ・リュス・ド・モンテカルロの指揮者当時の演奏で、リズム、色彩、統率力、スケール感、いずれも優れ、加えて音楽が往時の雰囲気をたたえて実にエレガント。これは楽しめます!
バレエ・リュス・ファンは勿論、ヒストリカル・ファン、バレエ・ファンに強くおすすめいたします。
(タワーレコード商品本部 板倉重雄)

【参考】バレエ・リュスについて
「魅惑のコスチューム バレエ・リュス展 関連CD&DVDご紹介」特集ページはこちら>>>

【収録曲目】

シューマン(1810-1856):謝肉祭(管弦楽版)Op.9(*)
セルゲイ・ディアギレフ・ロシア・バレエ管弦楽団
エルネスト・アンセルメ(指揮)
録音:1916年4月28日、ニューヨ ーク、アメリカ合衆国
原盤マトリックス・ナンバー Columbia 48745, 48746

ストラヴィンスキー(1882-1971):
バレエ組曲「ペトルーシュカ」(1911年版)から 抜粋(2曲)
セルゲイ・ディアギレフ・ロシア・バレエ管弦楽団 アンリ・ドゥフォセ(指揮 )
録音:1927年6月前半 原盤マトリックス・ナンバー:Edison Bell X503 & X504

プロコフィエフ(1891-1953):
バレエ組曲「道化師」Op.21bis から 抜粋(6曲)
コンセール・ラムルー管弦楽団 アルベール・ヴォルフ(指揮)
録音:1933年5月12日、パリ 原盤マトリックス・ナンバー:Polydor 67059-60

バレエ組曲「鋼鉄の歩み」(管弦楽のための)Op.41bis から 抜粋(4曲 )
ロンドン交響楽団 アルバート・コーツ(指揮)
録音:1932年2月18日、ロンドン 原盤マトリックス・ナンバー: His Master's Voice D.B.1680

チャイコフスキー(1840-1893):
バレエ「オーロラ姫の結婚」(「眠れる森の美女」の短縮版)
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
エフレム・クルツ(指揮)
録音:1937年7月16~17日、ロンドン 原盤マトリックス・ナンバー:His Master's Voice C 2853-2855

【トラック・リスト】
SCHUMANN, Robert (1810-1856)
Carnaval, Op. 9 (excerpts), orchestrated by Russian composers
1.Préambule (orchestrated by Glazunov) 2:14
2.Valse noble (orchestrated by Petrov) 0:52
3.Coquette (orchestrated by Kalafati) 1:02
4.Reconnaissance (orchestrated by Vitol) 1:23
5.Paganini (orchestrated by Liadov) 0:44
6.Valse allemande (orchestrated by Liadov) 0:34
7.Aveu (orchestrated by Sokolov) 1:09

(1-7) Orchestre de Ballets Russes de Serge Diaghilev
- Conductor: Ernsst Anserment
Recordings made in New York on Friday, April 28, 1916

STRAVINSKY, Igor (1882-1971)
Petrushka, ballet suite, 1911 version (excerpts)
8.Scene 1 4:25
9.Scene 2 4:29
(8-9) Orchestre de Ballets Russes de Serge Diaghilev - Conductor: Henri Defossé
Recordings early June 1927

PROKOFIEV, Sergey (Sergeyevich) (1891-1953)
Chout, ballet suite, Op. 21bis (excerpts)
10.II. Dance des buffonnes 3:59
11.IV. Le bouffon travesti en jeune femme 4:09
12.VI. Dance des gilles et desbuffons 2:42
13.VIII. Dans la chamber a coucher du marchand 2:16
14.XI. La querelle du bouffon avec marchand 1:17
15.Dance finale 3:17
(10-15) Orchestre de L'Association Des Concerts Lamoureux
- Conductor: Albert Wolff
Recordings 1930s

Le pas d'acier (The Steel Dance), ballet suite, Op. 41bis
16.II. Entree des Personnages 2:06
17.IV. Train des paysans-ravitalleurs 2:14
18.VI. Les Commissaries 1:51
19.Les Petits Camelots 2:01
(16-19) London Symphony Orchestra - Conductor: Albert Coates
Recordings 1930s

TCHAIKOVSKY, Pyotr Il'yich (1840-1893)
Aurora's Wedding, ballet music from repertoire of Colonel Wassily de Basil's Ballets Russes
20.Introduction (Prologue) 2:28
21.Polacca (Act III) 1:43
22.Pas de six - Introduction (Prologue) 0:32
23.Pas de six - Adagio (Prologue) 3:28
Pas de six - (Prologue)
24.Variation I. - Candide 0:46
25.Variation II. - Coulante 0:28
26.Variation V. - Violente 0:58
27.Variation VI. - Lilac Fairy 0:43
28.Pas de caractere - Little Red Riding Hood and the Wolf (Act III.) 1:04
Pas de quatre (Act III.)
29.a) Adagio 2:03
30.b) Variation I. - Cinderella and Prince Fortuné 0:46
31.c) Variation II. - The Blue Bird and Princess Florine 0:43
32.d) Coda 0:58
33.Pas de deux - Coda (Act III.) 1:07
34.Pas de deux - Adagio (Aurore and Prince Désiré) (Act III.) 3:09
35.Pas de quatre - Intrada (Act III.) 1:15
36.Finale - Mazurka (Act III.) 3:16
(20-36) London Philharmonic Orchestra - Conductor: Efrem Kurtz
Recordings 1930s

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2018年02月20日 00:00