クリストフ・ルセのバロック・オペラ録音最新盤はリュリの音楽悲劇“アルセスト”(2枚組)
鬼才ルセ、フランス・バロック・オペラ最新盤!発表当時から成功をおさめた「アルセスト」
フランス・バロック界の大御所クリストフ・ルセ率いるレ・タラン・リリク。ラモー:「ツァイス」(2014年7月録音、AP109)、リュリ:「アルミード」(2015年12月録音、AP135)、ラモー:ピグマリオン(2017年1月録音、AP155)につづくバロック・オペラ最新盤はリュリのアルセスト。リュリと作家キノーによる音楽悲劇「カドミュスとエルミオーヌ」に続く第二作目の音楽悲劇です。1674年1月19日にパリの王立音楽アカデミーで初演され、国王と宮廷の人々は高く評価されましたが、当時権力を持ち始めていたリュリに嫉妬して、音楽家たちはこの作品の評判を落とそうとしました。にも関わらず1674年7月にも祝賀行事の一環としてこの作品が上演され、その後もフランス各都市で上演されるなど、成功をおさめました。コーラスの用いられ方が非常に効果的で、物語を見事に進行していきます。様々なシーンを描写するオーケストラ音楽も、どれも簡潔にして充実しています。
【あらすじ】
舞台はチュイルリー宮と庭園。アドメート王とアルセストの婚礼。アルセストに恋をしているアルシード以外は皆結婚を祝っている。そこへ隣国のリコメード王が登場し、戦いがおこり、アドメート王は瀕死の傷を負い、王のために自らの命をささげ出すものが現れれば、王の死は避けられるという。誰も死のうとしないのを見てアルセストは、自らを生贄に捧げる。アルシードが、アルセストと自分が結ばれてもよいのであれば、アルセストを取り戻すと約束し、黄泉の国へと向かう。黄泉の国でアルシードはプルトーを説得し、アルセストを取り戻し、現世に帰る。命を取り戻したアルセストはしかし、アドメート王を慕い続けるのを見て、アルシードは身を引き、アドメート王とアルセストはあらためて結婚をし、ミューズたちは結婚とアルシードの勝利をたたえて、幕となる。
(キングインターナショナル)
【曲目】
リュリ(1632-1687):アルセスト(またはアルシードの勝利)(1674年)
[フィリップ・キノー(1635-1688)台本による音楽悲劇]
【演奏】
アルセスト/栄光:ユディト・ファン・ヴァンロイ(ソプラノ)
アルシード/エドウィン・クロスリー=メルセル(バス=バリトン)
アドメート、第2 のトリトン:エミリアーノ・ゴンザレス・トロ(テノール)
セフィーズ、チュイルリーのニンフ、プロセルピーネ:アンブロワジーヌ・ブレ(メゾ・ソプラノ)
リコメード、シャロン:ダグラス・ウィリアムズ(バス=バリトン)
クレアント、ストラートン、プルトン、エオレ:エティエンヌ・バゾラ(バリトン)
マルヌのニンフ、テティス、ディアーヌ、セーヌのニンフ、ニンフ:ベネディクト・タウラン(ソプラノ)
影、アレクトン、アポロン:ルシア・マルティン・カルトン(ソプラノ)
第1のトリトン、プルトーの使者:エンゲランド・デ・ヒス(テノール)
クリストフ・ルセ(指揮、チェンバロ)
レ・タラン・リリク
ナミュール室内合唱団
【録音】
2017年7月13,15,16日、サル・ガヴォー(パリ)
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2018年03月05日 00:00