R.イッター・コレクションよりモントゥー、ワルター、クレンペラーの初出音源登場!
英国音楽の録音を積極的に行い、知られざる作曲家の発掘にも貢献した「Lyrita Recorded Edition」レーベル創立者、リチャード・イッター(1928~2014)。彼が当時最先端のプロ用機材を用い、1952年からエアチェックしていたというBBC放送の音源を集めた、貴重なコレクションからCD化するシリーズ第4弾。今回は20世紀の大指揮者、モントゥー、ワルター、クレンペラーの貴重な未発表音源集です。
ピエール・モントゥー(1875~1964)は4枚組と録音の分量が多く、彼の母国のフランス音楽だけでなく、彼が尊敬してやまず、面会の機会もあったブラームス作品が3曲入っているのが貴重です。ブルーノ・ワルター(1876~1962)の戦後のイギリスでのライヴ録音はたいへん珍しく、マーラーの《巨人》やハイドンの《奇跡》といった彼の得意作品でまとめられているのも魅力です。ワーグナーの《ファウスト》序曲は彼の戦後の唯一の音源となります。オットー・クレンペラー(1885~1973)は1955年のモーツァルトの交響曲第25番、ブラームスのドイツ・レクイエムが初出音源。両曲とも彼のスタジオ録音よりテンポの引き締まった演奏。1958年8月のベートーヴェン《運命》は、クレンペラーが一時的に多幸症を患っていたときのライヴで、いつも冷静な彼が高揚感あふれる熱演を行っているのが聴き物です。
(タワーレコード)
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ピエール・モントゥー秘蔵音源集 1955年、1956年、1961年
モントゥーが自国フランス音楽のスペシャリストというのは誰もが認めるところですが、ことブラームスへも深い愛情を注いでおり、公式の録音は残していない交響曲第3番のほか、初出となる2つの協奏曲が入っているのは嬉しいところです。フランクの「交響的変奏曲」は長い友人であるカサドシュとの共演で、今回初登場のライヴはモントゥーがこの作品を指揮した最も古い録音となります。ドビュッシー「映像」とショーソン「交響曲」は、モントゥー唯一のライヴ音源。またボーナスとして、同じフランスの指揮者であるミュンシュが振ったハイドンの102番を収録しています。これは彼がこの作品を指揮した唯一残っている録音で極めて貴重なものであるうえ、演奏もアグレッシヴで素晴らしいものです。ソースは磁気テープや、イッター氏が編集後録音し直したアセテート盤から取られており、入念にリマスタリングされ、50年代のエアチェックとしては非常に良い状態の音となっています。
(ナクソス・ジャパン)
【Disc 1】
(1) ドビュッシー:管弦楽のための「映像」
(2) ショーソン:交響曲 Op.20
BBC交響楽団
【Disc 2】
(1) ブラームス:交響曲第3番 ヘ長調 Op.90
(2) フランク:交響的変奏曲<ボーナス・トラック (シャルル・ミュンシュ指揮)>
(3) ハイドン:交響曲第102番 変ロ長調
ロベール・カサドシュ(ピアノ) …2
ボストン交響楽団
【Disc 3】
(1) ブラームス:二重協奏曲 イ短調 Op.102
(2) ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77
ジノ・フランチェスカッティ(ヴァイオリン)ピエール・フルニエ(チェロ) …1
ロイヤル・フィルハーモニック管弦楽団
【Disc 4】
(1) ダンディ:フランス山人の歌による交響曲
(2) ベルリオーズ:劇的交響曲「ロメオとジュリエット」第3部
ヴァレリー・トライオン(ピアノ) …1
アンドレ・ヴェシエール(バス/ロレンス修道士) …2
BBC合唱団、BBC合唱協会 …2
BBC交響楽団 …1
ロンドン交響楽団 …2<全て初出>
録音:モノラル・ライヴ
1956年5月11日 ロイヤル・フェスティヴァル・ホール…Disc1
1956年8月29日 エディンバラ、アッシャー・ホール…Disc2 1,2
1956年8月26日 エディンバラ、アッシャー・ホール…Disc2 3
1955年4月28日 ロイヤル・フェスティヴァル・ホール…Disc3 1
1955年4月26日 ロイヤル・フェスティヴァル・ホール…Disc3 2
1961年10月16日 ロンドン、BBCスタジオ…Disc4 1
1961年5月22日 ロイヤル・フェスティヴァル・ホール…Disc4 2
ブルーノ・ワルター秘蔵音源集 1955年 ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
ワルターが1955年5月にBBC交響楽団を振った一連のライヴが初登場します。「ファウスト序曲」は1923年のスタジオ録音と1939年のNBC響とのライヴがありましたが、今回の録音は音質的にも解釈の深みの点でも歓迎されるものでしょう。ハイドンの96番はワルターが好んだレパートリーで、1937年ウィーン・フィル、1954年ニューヨーク・フィルという2つのスタジオ録音のほか、やはり1954年のニューヨーク・フィルとのライヴがあり、さらに今回初めてリリースされるライヴの直前、1955年フランス国立放送管とのライヴも存在します。また「運命の歌」もワルターにはゆかりの深い作品で、1941年のニューヨーク・フィルとの録音があるほか、1960年に彼の最後の公開演奏が行われた翌日、ロサンゼルスにてコロムビア響との録音が行われています。ワルターの振るマーラーの交響曲第1番には2つのスタジオ録音のほか複数のライヴが存在しますが、今回はゼーフリートと共演した「トランペットが美しく鳴り響くところ」と共に初登場するという点で貴重です。ソースは磁気テープや、イッター氏が編集後録音し直したアセテート盤から取られており、入念にリマスタリングされ、50年代のエアチェックとしては非常に良い状態の音となっています。
(ナクソス・ジャパン)
【Disc 1】
1-4.マーラー:交響曲第1番 ニ長調
5.マーラー:トランペットが美しく鳴り響くところ(「少年の魔法の角笛」より)
イルムガルト・ゼーフリート(ソプラノ) 5
【Disc 2】
1.ワーグナー:ファウスト序曲
2-6.ハイドン:交響曲第96番 ニ長調 「奇跡」
7.ブラームス:運命の歌 Op.54
ブルーノ・ワルター(指揮)
BBC交響楽団&合唱団<全て初出>
録音:モノラル、ロイヤル・フェスティヴァル・ホールでのライヴ
1955年5月15日…Disc1 1-4、Disc2 1
1955年5月29日…Disc1 5、Disc2 2-6
1955年5月25日…Disc2 7
オットー・クレンペラー秘蔵音源集 BBCスタジオ1955年&アッシャー・ホール1958年
※ 今回はベートーヴェンのみ、個人コレクターの音源から収録されています。
クレンペラーの第2集となるこのアルバムは、BBC響とのスタジオ・ライヴのモーツァルトとブラームスが初出、ベートーヴェンもかつてマイナーレーベルでリリースされた形跡があるものの、ほぼ初出に近いものです。ライヴならではの高いテンションが特徴で、ベートーヴェンに至っては、翌1959年のスタジオ録音より5分以上も早くなっているのが驚き。またこちらも1961年のスタジオ盤との比較で5分ほど早くなっている「ドイツ・レクイエム」では、バイエルン国立歌劇場で当時活躍中のバリトン、まだ22歳だったハンス・ヴィルブリンクと、カール・ベームのお気に入りだったことで知られるドイツのリリック・ソプラノ、エルフリーデ・トレッチェルを起用。音質に関しては、50年代のエアチェックとしては非常に良い状態で残っており、入念なリマスタリングで、70歳を超えてなお元気なクレンペラーの力強いパフォーマンスを堪能することが出来ます。
(ナクソス・ジャパン)
【Disc 1】
1-4.モーツァルト:交響曲第25番 ト短調 K183 <初出>
5-8.ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 Op.67
BBC交響楽団 1-4
フィルハーモニア管弦楽団 5-8
【Disc 2】
1-7.ブラームス:ドイツ・レクイエム <初出>
エルフリーデ・トレッチェル(ソプラノ)
ハンス・ヴィルブリンク(バリトン)
BBC交響楽団&合唱団
<演奏時間比較>
(楽章トータル)
※ モーツァルト25番
今回のライヴ…18:41 スタジオ(1956年フィルハーモニア管)…19:15
※ ベートーヴェン5番
今回のライヴ…34:02 スタジオ(1959年フィルハーモニア管)…39:48
※ ドイツ・レクイエム
今回のライヴ…63:47 スタジオ(1961年フィルハーモニア管)…69:06
録音:モノラル・ライヴ
1955年12月14日 ロンドン、メイダ・ヴェールBBCスタジオ…Disc1 1-4
1958年8月24日 エディンバラ、アッシャー・ホール…Disc1 5-8
1955年12月9日 ロンドン、メイダ・ヴェールBBCスタジオ…Disc2
カテゴリ : ニューリリース | タグ : ボックスセット(クラシック)
掲載: 2018年09月04日 15:00