フィリップ・ジャルスキーの新録音はイタリア・バロックの作曲家フランチェスコ・カヴァッリのオペラ・アリア集
[Warner Classics 公式チャンネルより]
ヴェネツィアのオペラの中でも、魅力的で革新的な作曲家フランチェスコ・カヴァッリは、聖マルコ大聖堂の合唱団でモンテヴェルディの指示の下で歌い、大聖堂のオルガン奏者となり、クラウディオ・モンテヴェルディの弟子となりました。宮廷楽団の催事のために作曲されたモンテヴェルディの初期のオペラとは異なり、カヴァッリのオペラは、公設歌劇場のための小さなオーケストラ編成によって書かれています。
また、美しい旋律のアリアを散りばめ、人気のあるパターンを台本に取り入れることによって、カヴァッリの歌劇は、劇的な効果や、流麗さなどによる美しい作品となっています。音楽技法では、少なくともある種のリズムパターンの反復が行われる「オスティナート技法」によるバスの半音階的下降進行は、嘆きや悲しみを表す場面でしばしば修辞的に用いられています。そして歌で演じるという流動的な表現と、崇高な、神話的な、あるいは悲劇的なドラマと、冗談や笑いのコメディを組み合わせた様々なトーンで劇的に表現しています。
このアルバムのために、ジャルスキーはカヴァッリの残されている約37のオペラを研究し、その音楽の多様性とすべての特質を示しています。
一聴控えめでシンプルに聴こえるかもしれませんが、その中には独特な旋律と調和の味を持っています。1曲目の『セルセ』からの「オンブラ・マイ・フ」は、カヴァッリが作曲した約80年後作曲の有名なヘンデルの同曲と同じ歌詞のものですが、カヴァッリの音楽ではヴァイオリンのパートはより高く、ハーモニーを詰め込み、絶え間なく変化し、虹色のような美しい効果を作り出しています。
その他の曲でも、美しさだけでなく、非常に刺激に満ちた傑作といえましょう。
「彼の音楽には、幻想、狂気、ユーモア、感情が含まれています。18世紀のオペラでは見つけられない多様性が提供されていることが理解できます」と、ジャルスキーは語っています。
(ワーナーミュージック)
※CDとLPは収録曲数が異なります。
『カヴァッリ:オペラ・アリア集』
【曲目】
フランチェスコ・カヴァッリ(1602-1676):
1) 歌劇『セルセ(クセルクセス)』より「オンブラ・マイ・フ」
2) 歌劇『ペルシャ王女スタティラ』より「All'armi mio core」
3) 歌劇『エリスメーナ』より「Dove mi conducete?」
4) 歌劇『エリスメーナ』より「Uscitemi dal cor, lacrime amare」
5) 歌劇『カリスト』より「Intreprete mal buona... L’uomo e una dolce cosa」
6) 歌劇『カリスト』より「Ninfa bella」
7) 歌劇『エリオガバロ』より「シンフォニア」
8) 歌劇『ヘレナの誘拐』より「Ecco l'idol mio ... Mio diletto, mio sospiro」
9) 歌劇『恋するヘラクレス(恋するエルコレ)』より「シンフォニア」
10) 歌劇『エリオガバロ』より「Io resto solo? ...Misero, cosi va」
11) 歌劇『オルミンド』より「Che citta che costumi」
12) 歌劇『アポロとダフネの愛』より「Ohime, che miro?」
13) 歌劇『アポロとダフネの愛』より「Misero Apollo」
14) 歌劇『オリオン』より「シンフォニア」
15) 歌劇『エリトリア』より「O luci belle」
16) 歌劇『ジャゾーネ』より「Delizie, contenti」
17) 歌劇『ドリクレア』より「シンフォニア」
18) 歌劇『カリスト』より「Erme, e solinghe cime.... Lucidissima face」
19) 歌劇『愛神の矢に宿る美徳』より「Alcun piu di me felice non e」
20) 歌劇『ポンペイウス(ポンペオ・マーニョ)』より「Cieche Tenebre」
21) 歌劇『セルセ(クセルクセス)』より「La belezza e un don fugace」
22) 歌劇『愛神の矢に宿る美徳』より「Il diletto interrotto...」
23) 歌劇『愛神の矢に宿る美徳』より「Desia la Verginella
24) 歌劇『愛神の矢に宿る美徳』より「Che pensi, mio core?」
【演奏】
フィリップ・ジャルスキー(カウンターテナー)[1-4, 6, 8, 10-13, 15, 16, 18-26]
エメーケ・バラート(ソプラノ)[8, 15]
マリー=ニコル・ルミュー(コントラルト)[5, 6]
アンサンブル・アルタセルセ(ピリオド楽器アンサンブル)[1-24]
【録音】
2017年6月26日~7月3日、パリ、ノートルダム・デュ・リバン教会
『カヴァッリ:オペラ・アリア集』
【曲目】
フランチェスコ・カヴァッリ(1602-1676):
《SideA》
1) 歌劇『セルセ(クセルクセス)』より「オンブラ・マイ・フ」
2) 歌劇『ペルシャ王女スタティラ』より「All'armi mio core」
3) 歌劇『エリスメーナ』より「Uscitemi dal cor, lacrime amare」
4) 歌劇『カリスト』より「Ninfa bella」
5) 歌劇『ヘレナの誘拐』より「Ecco l'idol mio ... Mio diletto, mio sospiro」
6) 歌劇『恋するヘラクレス(恋するエルコレ)』より「シンフォニア」
7) 歌劇『エリオガバロ』より「Io resto solo? ...Misero, cosi va」
《SideB》
1) 歌劇『オルミンド』より「Che citta che costumi」
2) 歌劇『アポロとダフネの愛』より「Ohime, che miro?」
3) 歌劇『アポロとダフネの愛』より「Misero Apollo」
4) 歌劇『エリトリア』より「O luci belle」
5) 歌劇『ジャゾーネ』より「Delizie, contenti」
6) 歌劇『愛神の矢に宿る美徳』より「Alcun piu di me felice non e」
7) 歌劇『ポンペイウス(ポンペオ・マーニョ)』より「Cieche Tenebre」
8) 歌劇『愛神の矢に宿る美徳』より「Che pensi, mio core?」
【演奏】
フィリップ・ジャルスキー(カウンターテナー)[Side A:1-5, 7、Side B:1-8]
エメーケ・バラート(ソプラノ)[Side A:5、Side B:4]
マリー=ニコル・ルミュー(コントラルト)[Side A:4]
アンサンブル・アルタセルセ(ピリオド楽器アンサンブル)[Side A:1-7、Side B:1-8]
【録音】
2017年6月26日~7月3日、パリ、ノートルダム・デュ・リバン教会
※CDと曲数が異なります。